プロジェクトXに学ぶ感動ストーリーの作り方

ヘッドライト テールライト 旅はまだ終わらない。
この歌を聴くと、心に残ったしこりが洗い流されます。

今回はそんなプロジェクトXの感動ストーリーの作り方について
紹介したいと思います。

何故プロジェクトXはあれほどに面白いのでしょうか。
その面白さが分かれば、他の動画にも応用出来るのでは?

例えば、自社の社歴を活かしたドキュメンタリーを作りたい。
会社のPRにもなるかもしれません。

感動のストーリーを作る方法を学ぶにも役立ちます。

プロジェクトXとは

NHKのテレビ番組です。
高度成長期のビックプロジェクトの経緯や苦労を追うドキュメンタリー番組です。

ストーリーはプロジェクトの発端から始まり、プロジェクトの完成
プロジェクト関係者のその後を描いています。

そこには挫折と成功が入り交じり
視聴者を感慨深い気持ちにさせてくれます。

プロジェクトXの構成

・再現VTR
・ナレーション
・差し込み画像
・スタジオインタビュー

で構成されています。
主に再現VTR形式で当時の様子を
追体験するような動画になっています。

ナレーションは田口トモロヲさんが担当し
ドキュメンタリーとしては珍しく淡々としたトーンが
プロジェクトや問題の深刻さを浮き彫りにする臨場感を作っていました。

重いナレーションが成功譚までの道のりが一筋縄ではなかった事を
視聴者に想像させ、物語を牽引していることは間違いありません。

プロジェクトX感動の理由

主人公への共感が視聴者の涙を誘います。

プロジェクトXがどうして
他のドキュメンタリー番組と違って共感できるのでしょうか。
感動してしまう理由を深掘りしていきたいと思います。

共感は視聴者と登場人物とのシンクロ現象によっておこります。

プロジェクトX 挑戦者たち DVD-BOX I

プロジェクトXのシンクロ理論

主人公に視聴者はどんなシンクロをするのでしょうか。
それは、視聴者が思い描く感情です。

プロジェクトXは視聴者の共感が起こりやすい構造になっています。
何故なら、登場人物には必ず弱みや感情的な浮き沈みがあり
それが誰もが想い当たるような感情だからです。

やっているプロジェクトは壮大で偉大だけれど
視聴者と変わらない等身大の人間像が描かれているのかが重要です。

等身大の人間感に視聴者は感情を揺さぶられます。
物語の進行に合わせていつの間にか主人公に心を通わせてしまうのです。

いつの間にか視聴者もプロジェクトの一員になっていたかのうような
感情にさせるのです。

もし天才が登場し、プロジェクトを
難なくこなしていくストーリーだったとしましょう。
登場人物は「凄い」と思うかも知れません。
しかし同時に、「俺とは違う」「私とは違う」という感情
抱かせてしまうでしょう。

すると心の奥では自分とは関係のない物語と思うようになってしまい
没入間を感じません。

例えるのなら、面白くない映画を映画館で見せられているようなものです。
映画を目の前で見ているのに、自分が今シートにどっかりと座っているのが分かる状況です。

逆に面白かった映画は自分自身が映画館のシートに
座っている事を忘れてしまう錯覚すら与えてくれますよね。

その違いのようなものです。
既視感のある感覚や感情は、視聴者に没入感を与えます。

没入間を与えるためには、視聴者と同じ感情を抱いている
主人公を描く必要があるのです。

同じ価値観をどのように示すのか

語るに落ちる。というのをしてはいけません。
登場人物がトラブルに際して、自分の感情を説明しては興醒めです。

何故なら、視聴者は登場人物の動きや表情を見て
感情の変化が現れる瞬間を想像したいからです。

これは小説の方が分かり易いかもしれません。
地の文で説明すると面白くないのと一緒です。

例えば、町工場が経営難になっているとしましょう。
新しい技術を生み出すため研究に資金を投じ
経営危機た陥っているとします。

給料の支払い能力のないことを知った社員は
社長へ直談判しにいきました。

社長はすぐに研究をやめ、社員へ給料の補填に使うか
研究を続け商機を見出すか。

ここで描くのは社長の葛藤です。
もし地の文で書くとすれば

社長は悩んだ。会社を残すにはどうすればいいか。どうすればいいかなんて分からなかった。
自分自身が惨めに感じ、同時に悔しさが溢れて来た。無力感に襲われて一歩も動けなかった。

視聴者に想像させる書き方をすれば

工場に独り残こされた社長は、動く事が出来なかった。涙が溢れ
それはいつしか工場にこだまするほど声になっていた。無力感に押し潰されそうだった。

前後の文での説明は必要かも知れませんがここでは
感情の説明要素が多いと想像性がなく、面白さが出てこない。
というのが問題です。

動画でも同様と言えます。
重要なポイントは説明しすぎないというのが重要です。

そして重要なポイントは上記のような主人公に訪れる
災難や苦労、挫折です。

挫折や苦労が人を際立たせる

苦労や挫折は人間、誰しも経験し
その経験からくる感情はよく似ています。

シンクロが起こり始めるのは、挫折や苦悩を経験し
落ち込んでいる主人公が決断してからです。

挫折や苦悩によってどんな感情を登場人物達が
味わったのかが大事なります。

人生は簡単ではありません。
誰だって挫折や苦労をしています。

誰だって人並み以上に頑張っているし、一生懸命生きています。
その時に体験した苦しい記憶、絶望感や失望
嫉妬や怒りはどんな視聴者にも身に覚えのある感情を
登場人物も感じ、そして乗り越える姿に感動するのです。

ある人は挫折して夢を諦めてしまったかもしれない。
今も苦しい中を希望を信じて耐え続けているかも知れない。

だからこそ同じ感情を持つに人には共感し
その苦悩を乗り越えることで
頑張って欲しいという希望に変わり
羨望の眼差しになっていくのです。

視聴者がシンクロし始めるシナリオパターンがある事に気が付きました。

プロジェクトXの必勝シナリオパターン

・きっかけ/大義
・批判
・努力
・仲間との出会い
・困難
・解決
・成功
・そして今

多くのプロジェクトXの話では、このパターンが数多く登場します。

ポイントは、最初から苦難に陥っている事が多い点です。
環境や状況が劣悪だった。
何か最初から問題を抱えていた。
そんな話しがよく登場します。

主人公の苦悩が冒頭でやってくるのです。

プロジェクトX 挑戦者たち DVD-BOX Ⅱ

共感をどこで作るか

共感には二つの要素が必要です。
一つは先ほども紹介していた苦悩は挫折です。

しかし、苦悩や挫折だけでは共感はこりません。
それは感情の同調のみです。
共感には、その先の要素が必要になります。

それが「意志」「希望」です。
行動を伴う決断と選択が視聴者に共感をもたらします。

行動や決断は、視聴者が選択出来なかった「夢」や「憧れ」でもあります。
多くの人が何らかの決断を迫られ、そして今日の自分の安全を保証するために
保守的な選択をしてきたのではないでしょうか。
何かを諦めざるをえなかった。

悔しさが残る選択を何度ももしているはずです。
主人公はそうしません。
時には豪快に勇気を持って決断し行動し、結果を手にします。

共感は主人公の決断と行動を追いながら
視聴者の叶えられなかった夢や憧れを主人公に託し
視聴者の夢が叶っていくのを追体験したいのです。

プロジェクトXは誰でも作れる

苦しい体験があれば
誰でもプロジェクトXのような物語を
作ることが出来ます。

その心の葛藤や苦しみは
誰もが思い描いてはいるものの
口にしていないだけなのです。

そして行動しましょう。
行動は意志そのものです。
葛藤の中で悩み選び抜いた選択は
誰に何を言われようとも素晴らしい

あなたにしか作れない物語を

その行動を書き起こすことで
感動のストーリーになります。

あなたにしか作れないこの世界でただ一つの物語
それはどんな映画よりも意味がある。

そんな物語を引き出すきっかけに
なっていれば幸いです。

ストーリーを語る以外のテクニックは動画クリエイターズスクールのコンテンツで学べます。
気になる方は画像をクリック。

最終更新日 2020/06/06
※ 文章を直しました。
※ 関連したリンクを追加しました。

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