公式チャンネルはどこまで価値があるのか

さて、現在媒体問わず情報発信が求められ
それに応じて媒体に囚われず一企業が情報を発信する時代となっています。

自社のチャンネル、媒体を持つ事で自由は発信ができるメリットや
何かがきっかけでバズり、注目を集めることもできる公式チャンネル。

その公式チャンネルですが、正直運営するのは並大抵のことではありません。
自由に手軽に誰でも情報発信ができる時代に何故、苦しく辛く、そして辞めてしまうのか。

そこについて考えつつ、本当に公式チャンネルに価値があるのか。
についても考えていきたいと思います。

公式チャンネル運営のメリットとデメリット

公式チャンネルのメリット、デメリットを考えてみましょう。
一般的にメリットばかりに目が行きがちですが
それはある意味、そういったチャンネル運営のマーケティングが上手く言っていると
言ってもいいのかもしれません。

メリットだけなはずがない。
だからこそ、デメリットにも目を向けて考える必要があるのです。

youtubeプロモーションwoYoutuberに取り上げてもらう戦略

公式チャンネルのメリット

自由な発信、公式チャンネルの最大のメリットと言っていいでしょう。
自由な発信とは、言いたいことそのまま言えるということです。
なんだ?そんな当たり前のこと。

と思うかもしれませんが、自社で管理していない媒体で言いたいことを言うには
「広告費」を支払って情報を掲載する必要があります。

しかも、どのような媒体にもルールがあり、
表現できない言葉や内容について審査があることはご存じでしょうか?

媒体としても、視聴者やユーザーの信頼を築かなければなりません。

ですので、なんでもかんでもお金を払えばできる。
というのは間違いですし、広告だってライバルがいて競争があります。

多くの支払いをしてくれるクライアントを優先しますし、
費用によってPRできる場所や優先権などの争奪戦が行われています。

結果、思いのほか「負担がでかい」や「これで、これか」という気持ちになりやすいというのが現実。
だから自社でチャンネルを持つ事で、そのような面倒や落胆から回避でき、好きな時に自由に発信できるのが
公式チャンネルのメリットです。

言いたい事が言える

上記と同じニュアンスですが、確度を変えてみましょう。
ニュースやYoutuberのチャンネルによる取材による露出。
これも媒体に掲載する形とは違いますが情報発信をする手段でもあります。

ニュース番組に取り上げられることで、注目が集まり集客に繋がる。
飲食店などがニュース番組の特集で取り上げられたり、バラエティー番組の企画で芸人や芸能人が訪問する。

そういったテレビ番組取材のパターンもありますし、
今はインスタ、TikTok、Youtuberなどのインフルエンサーが
紹介の企画動画で訪れるなんてことで注目されることも増えました。

こういった取材を受ける形のパターンでは、お金を支払う必要はありませんが
露出した時にどんなところが使われるかが分からない。と言ったことがおこります。
主体的に言いたい事をいうことができないのが、このパターン。

本当は見せたい箇所が受けてには刺さらないからとカットされてしまったり
なんだかモヤモヤする。そういったことがないのも公式チャンネルのメリット。

Osmo Pocket3はYoutube撮影に最適なカメラだった件

ブランディングに使える

ブランディングに使える。すごく言い言葉。
しかし、ブランディングとはなんだ?
というのが実際のところではないでしょうか。
このブランディングという意味には幅広い意味を持ちすぎていて、
車を買おうとしている時に、「自動車」と言うくらいにざっくりとしている。

なので、ブランディングという定義がしっかりとした上で
ブランディングとしての価値があると感じているのなら
きっとそれは正解なのでしょう。

しかし、一方的に聞き手でメリットの中に入っているのならば注意する必要があります。
だからここで公式チャンネルのメリットとしての
ブランディングの一般的に使われるブランディングパターンの中で王道を紹介します。

認知度の向上

社名を知ってもらう、店、商品を知ってもらうなど。知らない人が知ってもらう入口や導線としてのブランディング。
無知を知に変えるために行われるブランディングは、一般的に広告としての役割と同じ。
広告の制約を無視して発信、拡散を狙うために行われる意味で使われる。

地位やポジションの向上

同業他社との比較時に優位に働くために動く活動としてのブランディング。
ルイ・ヴィトンと他のファッションブランドと比べて考えてみると分かり易いかも。
演出や設え、美的センスなど印象で差をつけるパターンなどでよく行われています。
もう少しBtoB向けで考えると、有識者との会談、トークセッション、セミナーなどもこういった活動の一環と言えます。

教育、ファンにさせる

BtoC向けに多いですが、料理レシピやハウツーなどのようなもので、
興味関心を持って貰い長い目で見たときにファンになってもらうための戦略。
関係性作りのための窓口やツールとして活用するためのブランディングと言えます。

この他にも奇をてらった方法などもあれば、ブランディングというのは無数に存在し、
ただ単にブランディングと言ってメリットとするのは少々厄介。
公式チャンネルの定義付けがはっきりしている必要があることがおわかりいただけたかと思います。

ここまでがメリットですが、ここからが本番。
デメリットについても紹介していきます。

継続性

公式チャンネルの永遠の課題かもしれません。継続性の問題。
さてこのチャンネルはどこまで続けるつもりなのか? ゴールはどこなのか? チャンネルの意味とは?
公式チャンネルが続かない理由は、
続けることでこの疑問が誰の頭の中にも過るからだと思います。

期待していたインプレッション、反応がない。情報の中に埋没してゆく。
最初で何らかの感触がないとモチベーションの維持ができない、不採算事業のように感じる。
開始3ヶ月くらいの節目で訪れる五月病のような気怠さと陰鬱さ。

これらの問題を解決するには、継続更新をすること、情報量を上げること、情報の密度を上げること。
企画内容などにより投資することなど、
沼の奥底に足を突っ込むしないという地獄の片鱗を垣間見るからではないでしょうか。

継続しなければ、結果が見えてこないが継続する意味があるのかを問われてしまう禅問答。
無料で個人でも発信ができてしまうが故に
ライバルが多く競争の中で埋没しやすいというのも今の時勢だと思います。

結論としてデメリットの全てに言えることですが、消耗戦であることです。
リソースが潤沢な公式チャンネルが基本的には優位で、生き残ります。

だから続けられない。意味を見出せない。
ということで終わってしまうのです。

マニュアル動画の作り方、マニュアル動画とはどんなものか

リソースの消費量

無料で出来ると言う触れ込みはなんだったのか?

確かに、媒体にかかる掲載費は「無料」ですが、
実際に運営を行うとなるとリソースが消費が激しいといのが実情です。

社員を利用できる、制作にかかるソフトウェア、素材も無料で手に入る時台なのに、
なんだかんだ考えると社員の人件費や企画にかかる雑費や諸経費がかさみやすい。

理由は継続性の問題でも出したように、公式チャンネルのコンテンツは基本的に消耗戦です。
闘おうとすればするほど、仕込みや準備が必要になり経費が嵩みます。
それはお金だけではなく時間も人も雪だるま式です。

無料で気軽にと言った気持ちが風船の空気が抜けるように萎んでいく。
どうにか、心の奥に留めて光明や結果がでるまで耐え忍ぶ必要がある。
予想もしていない想定外というデメリットがここにあります。

砂の器

感触が感じられない、絶望感。モチベーションの減衰、神経衰弱。
公式チャンネルとしてやりたかった夢とは。

思い描いていた結果とはほど遠い感触であることがほとんどなのではないでしょうか。
インプレッションやコメントの少なさ。報告できる結果もなければ反応もない。

やればやるだけ、知名度の低さ、大手との差という現実を思い知らされる。
そういったギャップによるダメージや現実の壁にうちひしがれてしまうということです。

数年前の状況とは違い、ネットの中は渋谷の交差点の中を進むようにギュウギュウで、
大きな声を上げても注目すらされない時代です。

誰だって忙しいし、気晴らしになるようなもの、くだらないもの、ジャンキーな方が手に取りやすい
公式チャンネルでそこまではっちゃけられないという、
社内の制約もあって打つ手がないというジレンマを感じやすいと思います。

社内の制約

自由とはなんだったのか? 社内の雰囲気、上長や経営者層との考えの差。
自由にでると思っていたことは複数の人間が絡むことで
広告を出すより、がんじがらめにされてしまっていて、身動きができないという問題です。

蓋を開けるまでは、無礼講、なんでもウェルカムだった雰囲気はどこへやら。
コンテンツを見た時に、ちゃぶ台がひっくり返る。
そしてどこにあったんだ、そんなコンプライアンス! という色々が降りかかってくる。

社外への発信はどうしても……。
というのがデメリットとして露見するのが公式チャンネルあるあるです。

メリットデメリットを改めて見返してみると

メリット、デメリットをそれぞれ見てみると
食い違いが発生していることが分かるかと思います。

だからこそ言及しなければならないのは、
メリットを享受できるのはある程度、会社に寛容さがあり余裕もそこそこある。

メリットを発揮できる環境が出来ているのであればという注意書きがついているのが、
今の公式チャンネルの実情なのではないでしょうか。

すると、それらの環境作りがまだ出来てないところでは
公式チャンネルも置物になりやすく
あくまでHPのアーカイブ的な立ち位置や、
無料できるチャネルを増やす施策の一つ程度というポジションに落ち着きがちです。

それはそれでコストをかけないという点ではありですし、
無料なのだからやっておいて損はないのだから、まったく問題はないのですが
ブランディングという点で、
何かの狙いがあっての公式チャンネルだとするのならば違うということになるでしょう。

公式チャンネルはどこまで価値があるのか

消耗戦の時代に公式チャンネルの価値を作っていくのは簡単ではありません。
コンテンツがあれば良いという時代はとうの昔に終わってしまっています。

誰かに見て貰うことは、地獄の縁で蜘蛛の糸を垂らしている釈迦の方ではなく、
血の池にいる数多の有象無象を蹴り飛ばし、糸をたぐり寄せようとする犍陀多だったということです。

生半可な思い出は極楽浄土へは行けないのです。

だからこそ考えなければならないのは、このレッドオーシャンでやる必要があるのかとということです。
有象無象がいなければ、ウインチワイヤーで引き上げて貰えるような気持ちで登っていけるかもしれません。

次ぎの時代は、公式チャンネルの場所のセッティングが重要になってくると感じています。
どの場所で公式チャンネルとしてどんなアプローチをするのか。この部分はブランディングになってきますので
公式チャンネルとしての見せ方や統一性も考えて進めていく必要もあります。

工場紹介動画の作り方

公式チャンネルの参考として

上記の話とは言ってることが違うのではという部分はありますが、
現在公式チャンネルで人気だったり、成功を収めているチャンネルを紹介します。

どれも公式チャンネルながらも、コンテンツメディアというポジションでブランディングとしては、
教育や認知の拡大といった点が強いものになり、レッドオーシャンでたたかっていない公式チャンネルとは違います。

下記で紹介するのはレッドオーシャンで戦い生き残った圧倒的強者のチャンネルです。
これからの公式チャンネルの成功事例の参考にするというより、
他社との違い、どのようなエッセンスを取り入れるべきかという点で参考にしてください。

楽町

https://www.youtube.com/@rakumachi/videos
優良コンテンツを発信し続ける大御所チャンネル。不動産をベースとした様々なコンテンツを発信し内容も
TV番組と遜色ないしっかりとした同行取材をしている形となっており、リソースを大量投下しながら差別化に成功しているチャンネルの一つ。
最近では、ルポライターなどを起用した取材を行っており、公式チャンネルながら媒体としての地位を確立している様子。

わかさ生活

https://www.youtube.com/@wakasaseikatsuweb
認知拡大を目的としたショートドラマを数多く投稿し、ブランディングに成功しているチャンネルの一つ。
商品と直接関係のないコンテンツでの投稿が多く、商品に絡めることを主たる目的にもしていないのが潔い良い。
社内の制約などを突破している点、名前を知ってもらう認知にフォーカスし、チャンネルの視聴者層のターゲティングにフォーカスした決断力など
公式チャンネルとしての成功事例として参考にしたいチャンネルの一つ。

BUZZMAFF

https://www.youtube.com/@BUZZMAFF
中々知る事のできない業界の一幕を知る事のできる点を面白おかしく紹介している公式チャンネル。
公官庁でこれができたというだけでも異例であることが希少性となり、面白さに一役買っている。
普段見られない裏側が緩く紹介されている点も魅力であり、業界外の人がどのような視点で見ているか、
ギャップを上手に活用して魅力に変えている公式チャンネルのお手本のような形。

関連記事

  1. 工場見学動画の作り方

  2. 工業部品の紹介動画の作り方

  3. プロフェッショナル風動画の作り方 シチュエーション編

  4. D2C動画戦略

  5. インスタマーケティングの変動SNS清浄化へ

  6. CMの種類とヒットのパターン

  7. 保育園のPR動画を自分達で作るために必要なこと

  8. DtoC向け動画戦略

PAGE TOP