今回は2017年時点での動画マーケティングについての考えについて紹介します。
動画マーケティングとは、具体的マーケティング手法ではない。
そもそもマーケティングとは、市場の営業活動や販売戦略のです。
動画マーケティングはそれらの戦略に対し、映像を活用することであると複数のサイトで定義されています。
しかし、○○マーケティングという書かれた言葉の70%はマクロの市場における具体的ノウハウを紹介しているものばかり。
「動画マーケティング」のキーワードを検索してやって来る多くの人が、これらの具体的手法やノウハウを求めてきています。
そこで何が起こるかと言うと、よく分からない。具体的な方法が分からない。
このような問題を解消出来ないまま、有耶無耶になった感じが否めないのが現状です。
そこでもう一度用語の定義について整理し、正しい理解をする必用があると感じました。
映像に関するマーケティング戦略の理解と整理に役立てて下さい。
マーケティングとは一つの概念である
マーケティングという言葉は、具体的手法ではありません。
概念レベルの用語です。マーケティング用語の中でも概念的、具体的用語と二つの方向に分かれています。
例をあげるならば「セールスマーケティング」という言葉。
この言葉は概念的用語になると言えます。
何故なら、セールスマーケティングという言葉の中には、ダイレクトマーケティングやテレマーケティングとインバウンドマーケティングなどといった具体的な手法を含む用語が含まれているからです。
マーケティングと聞くと、具体的な手法の用語に聞こえますが大きく違います。
これは、映像の本質である点を把握出来ていない点から発生するミスディレクションです。
映像は物事のハブである
映像の本質は、何事にも適応でき、そして何ものでもない。
というメリットとデメリットを持ち合わせたものです。
残念ながら、映像は物ではありません。
形があり見えるからこそ勘違いを起こしてしまいますが、本質は商品やサービス、人といった映し出されている物に依存しているのです。
一つCMを思い浮かべて下さい。そこから商品と人の存在を消してみましょう。
そこに写しだされている映像に価値を感じるでしょうか?
ほとんどないと思います。これが動画の本質です。
映像の本質とは、それ自身に価値がないからこそ、全ての商品やサービスのコネクションとなりうるのです。
メディアとの親和性が高く、既存のインフラよりも効率的に情報を届け繋げられます。まるで何ものにも形を変えることが出来る水のような媒体。これが映像の真骨頂であり、最大のメリットと言えるでしょう。
この概念をもとに、どのように使いアクセスすべきかを考えていきます。
映像の市場には大きく二つの方向性がある
二つの方向性の決定的違いは、動画の目標設定です。
それは商品やサービスの距離感で変わります。
方向性は「直接的」か「間接的」の二つです。
直接的とは、映像媒体から次のアクセスを客観的に観察可能な場合です。
店内ディスプレイやデジタルサイネージとしての看板、案内図など直接的に
次のアクションが目に見えて判断出来る場合の距離感になります。
直接的な動画の目的は滞在時間の延長です。
何故なら、直接的な配置をされている映像はそれ以外のアクセスが可能だからです。
そもそもの目的設定が間接的なものと違います。
直接的な映像は注目と関心でその場所の滞在時間を延ばすのが目的です。
要するに動画をきっかけに他の方法でアプローチが可能という点です。
もう一方の間接的とは、客観的に捉えることが出来ない、直接的な視界が塞がっている場合。
WEB広告動画や、CM、コンテンツとして配信した動画も間接的と言えます。
インタビュー動画撮影は、リクルート用から会社の社風や雰囲気を伝えるのに有効です。
間接的な動画のデメリットは計測不可能な点
現在まだ映像に関する有効な計測ツールはありません。
YouTubeアナリティクスも存在し、ヒートマップに対応したものもありますが、どちらも動画に対して最適なツールとは言えません。何故なら、動画は多くの要素と情報が編み目状に紐付けされているためです。
ヒートマップで一点の注目を集めることが出来てもコンバージョンに繋がっているかは分かりません。
何故なら、注視させる方法は文字媒体よりも簡単な点にあるからです。
それは音や色彩、時間、コントラスト、動きや何を写しているかなど、複数の要因で成されているためです。
そのため他の媒体よりも簡単に注目を集められると言えます。
その分計測は曖昧にならざるを得ません。YouTubeのアナリティクスも広告の計測としては不十分です。
YouTubeはコンテンツとしての評価をしています。根本の評価基準が違います。
マーケティングとは、販売戦略のための広告です。
YouTubeで評価を得ている映像は、コンテンツとしてのもの。
コンテンツの中の一つのチャンネルとしか評価出来ません。
間接的なシーンの最終目的はコンバージョンに繋げるまで
目的はコンバージョンです。現在使われている8割の映像は、注目の関心を集めるだけのものばかり。
文字で言えば、タイトルや見出しの部分です。
それは直接的な動画と言えます。注目を集め関心を引き、文章でコンバージョンに繋げる。
本来のシーンは、一つのソリューションである必要があります。
映像を見ただけで「欲しい」と思わせるのがマーケティングの目的です。
そのための方法は環境や目的によって無数に分岐しています。
これは映像の本質であるハブの機能と大きく関係しているためです。
ここで具体的に書くと詳細になりすぎてしまうので割愛しますが、映像の機能を最大限に活かす事によってコンバージョンに繋がるのは確かです。
マーケティングとは一つの概念
おさらいです。映像は広告であってもそれぞれの環境や方向性、目的によって具体的手法やコンバージョンへのアプローチも変わってきます。
変わらないのは、映像によって視聴者に変化を促すこと。
これだけは変わらないと言えるでしょう。
まずは映像の全体像と本質を把握して下さい。
そして目的やターゲットが決まれば、自然とアプローチの方法が分かってきます。
すると、具体的手法も見えて来るでしょう。