どんでん返しの作り方/構造について

どんでん返しが大好きなのです。

どんでん返しとは

物語を面白くするための技法です。
歌舞伎の舞台で大道具を90度後ろへ倒し

底面を立てて次の場面に
転換する装置だったのですが

予想を裏切るようなストーリーラインなどを
「どんでん返し」と呼ぶようになりました。

マトリックスのどんでん返しが面白い訳

映画マトリックスにはどんでん返しが
存在していることに気付きましたか?

普通に見てしまうと、斬新な映像表現であったり
カラーの質感、アクションばかりに目がいってしまいがちですが
ストーリーにも面白さを作る
どんでん返しが用意されているのです。

映画マトリックスのストーリー

映画マトリックスは、主人公のネオが機械が作りだした世界
マトリックスという疑似世界の中で、本当の世界に目覚め
マトリックスの秩序を守るエージェントを撃退する物語です。

マトリックスには主人公ネオの目覚めと
覚醒が「マトリックス」で描かれていく内容です。

そして2作目の「マトリックスリローデット」では
予言者の導きのもと、マトリックスの世界を作りだしている
アーキテクトに出会い、主人公ネオを選択を描く
物語になっています。

マトリックスのどんでん返し、その1

一つめは、主人公ネオの目覚めに用意されているどんでん返しです。
物語の序盤、起承転結でいう「起」の部分なので
中々気付きづらいのですが
設定のどんでん返しが用意されています。

それは主人公ネオが当初生活している世界です。
これは当たり前の世界だと思っていたら、モーフィアスの
登場により今まで生きていた世界は、人類の敵である機械文明
が見せていたかりそめの世界であった事です。

人間は機械文明に利用され
エネルギーとして搾取され続けている事実
これがどんでん返しとなります。

物語の世界設定を覆すのは
どんでん返しではよく用いられる手法です。

このどんでん返しを利用するパターンとしては
強大な敵を演出する際に使われることが多く存在します。

手塚治虫の「火の鳥」や「サイボーグ009」などは
敵の強大さと物語テーマへの問いかけとして利用されています。

物語の構成、起承転結の作り方をベースに考える上で
どんでん返しは有効は「転」の使いどころにもなります。

マトリックスどんでん返し、その2

マトリックスリローデッドに最後「アーキテクト」による
主人公ネオを圧倒するどんでん返しが2つ目です。

マトリックスリローデッドで終盤、機械文明のボスである
アーキテクトに接触する事に成功します。

仲間のモーフィアスやトリニティーはアーキテクトに到達することで
人類世界は存続出来ると確信しています。
ネオも同様でした。

しかしアーキテクトと対面したネオは
非常に恐ろしい事実を突きつけられます。
それは、現実世界に目覚め、救世主として活動していた
ネオもまた「アーキテクト」の術中にあり
アーキテクトが描いたシナリオに盛り込まれていた事実です。

「アーキテクト」は既に何度も救世主のような存在と対峙しており
救世主がアーキテクトに到達することもシステムとしてのルーティンであった事
そして織込み済みの救世主に対してノアの箱船にように
新しい人類を選ぶように迫った事です。

その事実を突きつけられネオは錯乱します。
これがマトリックスが用意していた
ストーリーのどんでん返しです。

スター・ウォーズでは
主人公のルーク・スカイ・ウォーカーが
敵のボスであるダースベイダーとの対決で
敵のボスが実は実の父親であったと告白されるシーンも
同様のどんでん返しの形です。

絶対的に憎むべき宿敵が
まさかの肉親である事実。
このようなどんでん返しによって
主人公、主人公に共感する視聴者に
衝撃と圧倒を与えるのです。

どんでん返しの仕組み

どんでん返しは、前提が必要です。
前提となるのは様々な要素ですが
基本的には視聴者が知っている常識に対して
打ち込まれる事が多く存在します。

スターウォーズでは
敵のボスである存在が
肉親であるはずがない。
という思い込みや前提です。

一般の人が当たり前に感じてる
常識や前提をひっくり返す事で
どんでん返しを作り出す事が出来ます。

読者や視聴者に当たり前のような前提を設計し
前提に対しても感情移入が入っておくように
しておくと良いでしょう。

そのためには主人公への感情移入は必須となります。
感情移入を働かせるためには
プロジェクトXに学ぶ感動ストーリーの作り方
を参考にすると良いと思います。

感情移入がされていないストーリーは強引を生み出し
物語への没入感を阻害してしまいます。

感情移入が出来ている状態=主人公の感情と同調している状態の時に
感情を裏切る構図を作るのがベストです。

マトリックスのどんでん返しについての考察

1回目のどんでん返しが何故どんでん返しになっていないか。
それは感情移入がされていないからです。

主人公ネオが生きていた世界は現実の世界ではなく
機械が作っている仮想の世界だった。

この事実は、物語開始20分以内の出来事です。
主人公がエンジニアとして生活しているシーンが僅かに存在し
主人公の不遇と、この世界に感じている違和感についての描写が
存在し主人公が主体的に行動している様子はありません。

モーフィアスが登場し、主人公ネオの選択が迫られ
主人公最初の決断により世界が開ける展開になるのですが
映画を見ている中でまだ主人公に視聴者が感情移入する場面が
あるとは中々思えません。主人公決断と行動を見続けることで
視聴者は段々と感情移入していく
のです。

例えば、格闘訓練でモーフィアスにボコボコにされたり
ビルを飛び越えられなかったりと。主人公ながら失敗するシーンや
人間らしい葛藤を見せることによってネオへの親近感が
高まっていくのです。

そのため、最初の世界感のどんでん返しは
あくまでも設定上でのどんでん返しに留まってしまい
視聴者の感情を巻き込んだどんでん返しにまで昇華されていないのです。

しかし2回目のどんでん返し
アーキテクトが放つ前提を破壊するどんでん返しは
視聴者を巻き込んだどんでん返しにまで昇華されています。

何故なら、主人公ネオを行動を第1作から応援し
マトリックスリローデッドでようやくマトリックスの世界のボスと言うべき存在にまで
辿り着くのです。

しかも、ネオ本人とその仲間達の努力によって
様々な犠牲を払いながら人類の希望を賭けた戦い
をずっと見守ってきたからです。

視聴者もその世界の一員として最後のボスを倒す
瞬間を待ち望んでいる
状況を作りだしているからです。

この2段階のどんでん返しで
感動をするのは2回目だけです。

どんで返しはタイミングが大事

視聴者、読者の感情を読み取っておかなければならない。
どんでん返しで視聴者に「あっ」と驚いて貰うためには
主人公への共感、世界への没入が必須とります。

物語の序盤では視聴者が
その感情に至っているか分かりません。
ですので、大方最後の終盤、物語がクライマックスへと
向かう所で仕掛けるのが定石となっています。

ですが、このようなシナリオを作れるのは
簡単ではありません。物語を普通に作るだけでも
大変なのですから、さらに仕掛けとして入れ込む
シナリオは本当に驚きです。

どうして、そんなことが出来るのかといつも考えてしまいますが
本当に面白い話は視聴者や読者の感情を計算しています。

タイミング、視聴者が一番、主人公とシンクロしている瞬間や
没入間が生まれている瞬間
が良いでしょう。
そこに合わせてどんでん返しを設計して入れ込むのです。
そこが難しいのですが
トライしてみる価値はあります。

オーディオブログで紹介した本

・映画マトリックス     ストーリーのどんでん返し
・容疑者Xの献身      シナリオの仕組みのどんでん返し
・イニシエーション・ラブ  シナリオの仕組みのどんでん返し 
・ファイトクラブ     映像の仕組みのどんでん返し

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