Youtubeのプロモーションにおいて忘れがちなのが、取材を受けるスタイルの戦略です。
前回、紹介できなかったこの点について紹介していきたいと思います。
そもそも取材って?
今回「取材」と定義づけていますが、簡単に言えば、動画の中で名前出してもらうことです。
テレビや新聞だとイメージが湧きますよね。
レポーターが、建物やお店の前に立ち
「今日は○○に来ています〜」みたいなくだりから、紹介される感じのものです。
夕方のニュースに、紹介されていることが多いですよね。
Youtubeだとイメージが湧かない………。と多くの人が思っていると思います。
ですが、ニュース番組もYoutubeで切り取られた形で紹介されていますし、
ABEMAやNewsPicksといったネットに特化した番組もあります。
そういったビジネスマン向けのものからYoutuberやインフルエンサーが、
飲食店に入ってレビューするといったものもあります。
Youtuberの企画の中で店舗やお店を活用してもらうこともここでは「取材」と定義しました。
理由は、最初の記事でYoutubeのプロモーションについての方向性をわかりやすく分離するためです。
ですので、視点を変えると「取材」という形ではないかもしれませんが
自社と番組スタッフやYoutuberとの関係性から考えると似たようなものなので、
ここでは「取材」という位置づけにしました。
取材を受ける効果
前回記事でも書きましたが、取材を受けるという形はプロモーションにとって、
一番効果的なスタイルです。何故なら心理学的に自己アピールよりも他者からの評価を信用出来るからです。
心理学的にはウインザー効果と呼ばれるもので、
当事者よりも第三者が発信した情報のほうが信頼されやすいという心理効果のことです。
たとえば、ある製品の魅力を自社がアピールした場合と、
ユーザーが良い口コミやレビューを発信した場合とでは、口コミやレビューの件数な内容が重要なように
どうしても、自社発表だと「スペックを盛っている」とか、
「良いことしか書いていない」と言った先入観が働いてしまうためです。
ウィンザー効果を前提とした実験の結果ですが、興味深い部分もあります。
この実験では、口コミに関しての信用度を実験していますが、仮説の視点や、結果から考えられる考察が
ウィンザー効果の具体的な影響力に示している点があると感じています。
インターネットの口コミが購買行動に及ぼす影響
出典:青山学院大学 相模原キャンパス
インフルエンサーを案件として利用するのも、この効果を期待している点もあります。
ですので、取材を受けるという状態は、願ってもないチャンスと言えるでしょう。
Youtubeのプロモーションでは誰から取材を受けるべきか
Youtubeのプロモーションでは誰からこういったオファーを受けるのがいいのでしょうか。
もちろん、これは業種、業態によって変わります。
飲食店や雑貨、BtoCのビジネスであれば、
Youtuberやインフルエンサーが来店し、動画の企画をやってもらうのがプロモーションに繋がります。
この辺りは、想像しやすいですね。
BtoBのビジネスだとどうなのか?
テレビや新聞、そういった人の取材のイメージしかない。
そう感じるかもしれません。
それは間違いです。全ての業種や業態に有利かとは言えませんがBtoBでも
Youtuberやインフルエンサーを呼び込むことは可能です。
むしろ、有利かもしれません。
ビッグなネタを欲しがるYoutuber
ヒカキンさんの動画を見たことは、あるでしょうか?
最初はこじんまりとした動画の企画が多かったですが、段々とスケールアップしているのが分かります。
高級品を爆買いしてみたり、巨大なモニュメントや家、など一般人が想像できないような企画をやっています。
何故このような企画になってしまうのか、想像したことはあるでしょうか?
理由は簡単です。
他のYoutuberも真似出来てしまう企画は、埋没しやすく面白くないからです。
だから彼らは、簡単にできない「お金をかけた企画」をやりがちなのです。
まるで黄金期のテレビの時代のような感じですね。
でも、そんな金をかけた企画には協力できないし、ウチは違う。
なんて、思ってしまうのではないでしょうか。
大切なのは、お金を掛けることではなく、視聴者がまだ知らない世界がそこにあるか。
ということです。
前回記事で紹介した、有隣堂の例が分かりやすいと思うので改めて視聴してみてください。
どうでしょうか、インクのこと知っていましたか?
商品の違いによる特性や癖なんて話も知らない自分達からすると面白いですよね。
彼らの業界では、もしかしたら業界の人間としての一般常識かもしれません。
そういった知識の壁、業界の人の当たり前が、他の人からすれば新鮮で面白いのです。
この壁や格差がが大きいBtoBの業界での方が、有利に働きます。
「新鮮で面白い」というのは、Youtuberやインフルエンサーにとっては喉から手が出るほど欲しいです。
それは数千、数億というお金をかけた企画をしなければならないほどに。
では何故、そんな企画が実現されていのか?
簡単です。企画を作ることが出来ていないのです。有名なYoutuber、インフルエンサーとて一人の人間です。
企画が得意と言っても、多くは成功事例の模倣です。
頭を少し捻るような企画アイデアをポンポン出せるわけがありません。
それにどうしてもインフルエンサーは忙しく、企画を練る時間もそれほど多くない。
投稿頻度まども考えると、手の付けやすい企画になりがちになってしまうのでしょう。
だからこそ、そこにチャンスがあると思いませんか?
取材系、Youtubeプロモーションの方法
結論、インフルエンサーに企画書を出して、取材を受けるようにしましょう。
Youtuberやインフルエンサーの投稿動画の内容を分析し、
自社の設備や商品などを取り入れた企画を立案します。
動画の構成もある程度考えた方が良いでしょう。
自社の露出を優先せずに、Youtuberやインフルエンサーが盛り上がるようなテイストのものにします。
対戦形式やクイズ形式、何かメンバーが盛り上がる要素を盛り込んだり、
派手さや、特別感などのプレミアムな要素を企画の中に盛り込むと、インフルエンサーは喜びます。
コラボ企画という形にできるのでも問題ないかもしれませんが、インフルエンサー的には、
自分達で企画を立ち上げた感じが欲しいと思うので、その辺りは譲ってしまってもいいかもしれません。
反響が良ければ、向こうから声を掛けてくるはずです。
2回目、3回目と企画に出ることで、そのチャンネル内での地位や露出も増え、
プロモーション効果もねずみ算式に高まります。
まずは与えて、信頼関係や協力関係を作っていくようにしましょう。
NewsPicksのようなビジネスメディアに取り上げてもらうには
もう一つ王道の方法があります。こちらはどのように仕掛けていけば良いのか。
こういったメディアで取材されることは、期待値の高い反響が期待できる点が
魅力ですが、その分ハードルは高め。
地元メディアの取材であれば、地域の産業紹介として取材の申し込みがある可能性はあります。
しかし、ビジネス系に力を入れれば入れるほど、別の観点が必要になってくるでしょう。
時事的な要素があるか
社会は常に変化しています。
例えばエネルギー高騰は、非常に分かりやすくどの業界にも影響を与えていることでしょう。
こう言った時事に対して、どのような対策、次ぎの見越したアプローチを行っているか。
こういった点が、ビジネス系の取材申し込みの判断の材料になります。
こういった時事に対しての全てがソリューションである必要はなく、
対策や視点といった観点でのアプローチでも問題ありません。
問題に対しての取り組みもニュースになります。
ニュース番組を見ても分かるように、事例として紹介するケースもあります。
特集などのニュース番組では、「問題への前振りや」「似たような取り組み」「他の業界では?」
という視点で紹介されるケースがあります。
まずはこういったサブの立ち位置でメディアに紹介される。
そこを目指していきましょう。
社会課題に関係があるか
SDGsなどの世界観も広がっているので、言葉を使えばなんだって
社会課題に取り組んでいることになります。
とは言え、ビジネス系のメディアの場合は、
社会課題の核心に近いものを求めていますし、その嗅覚は本物です。
とってつけた内容は見破られてしまいます。
例えば、世界や日本といったくくりで、語れるものがあるのが大切です。
業界の視点で見たときの未来や課題というのもニュースにしやすい。
メディア側もインプレッションを稼ぐにために、
時流に乗っているテーマや課題性への切り込みを期待している面があります。
大手の会社の経営者になっていくほど、この辺りの返しが上手いのも感じます。
メディアがほしい言葉を入れる。それでいて、自分達の言いたいことも入れてくる。
そいった、メディアを使う上手さも取材を受ける時の技なのだと感じました。
たとえボツになっても
ボツにされても問題ありません。紹介の実績がなければ、そういう事もあります。
構成や尺の関係でカットされてしまうのはメディアではどうしてもあることです。
布石だと思うようにしましょう。
せっかく対応したのに……なんだあいつら。と思うことは、やめましょう。
ドタキャンや無理難題とかなら別ですが。
ニュースにならなくても、取材に来た人は覚えていますし、
違うネタの時に連絡があるかもしれません。
きっかけを作っていくことが、大切だったりします。
広報的な戦略としては、こういった対応を心がけることで
メディアへの露出機会を増やしていくことがネット系メディアでも重要になります。
まとめ
Youtubeプロモーションでの取材では、取材をする対象が気付いていない場合が高いです。
そのため、Youtuberやインフルエンサーへの攻める提案が重要だと感じています。