ソニーの発表に面白いものがありました。
ソニーニュース
https://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/202005/20-037/
ソニーは、世界初※1となるAI処理機能を搭載した
インテリジェントビジョンセンサー 2タイプを商品化します。本製品は、イメージセンサーにAI処理機能を搭載することで
高速なエッジAI処理を可能にし、必要なデータだけを抽出することで
クラウドサービス利用時におけるデータ転送遅延時間の低減
プライバシーへの配慮、消費電力や通信コストの削減などを実現します。本製品を採用することにより
AI機能を実装したカメラの開発が可能となり
今後、小売業界や産業機器業界における
多様なアプリケーションの実現や
クラウドと協調した最適なシステムの構築に貢献します。
書いてある通りですが
何か面白そうな感じですね。
センサーの出来ること
主にデータの処理が大幅に改善され
処理速度、処理能力が大幅にアップする形になるそうです。
効果
・データの軽量化
・高速処理
・セキュリティ強化
・省電力化
・低コスト化
・AIトラッキング性能の向上
・メタデータの出力
センサーからの情報をAIを通して
最適化する仕組みのようです。
このため、省電力化も実現しているそうです。
構造としては非常に魅力的な
設計になっているように感じます。
センサーサイズは極小
センサーサイズは、1/2.3サイズです。
このタイプはサイバーショットCyberShot WX500や
ペンタックスのミラーレス Pentax Qなどのタイプが採用しているタイプです。
これより小さいサイズはiPhoneXSなどのカメラに
搭載されているセンサーサイズになっていきます。
現在ではカメラ系の最少サイズと言えなくもありません。
AIのモデル選択
ニュースにはAIのモデル選択が可能となっています。
AIモデル
・ヒートマップ
・消費行動分析
・トラッキング/カウンティング
・混雑検出
このような要素から考えると、ヒートマップ以外は
数十単位でのポイントトラッキングが可能で
タイプ別に何を検出したいかを設計できるようことでしょうか。
複数のものを同時にトラッキングし
関連付ける機能は非常に魅力的ですね。
スペック
詳細はニュースの方を確認してください。
考えてみればiPhoneなどで4Kが撮影できるので
当たり前かもしれませんが
こちらのセンサーも4Kの撮影が可能です。
・4K、60fps
・フルHD 240fps
・メタデータ30fpsまで
・HDR撮影
AIセンサーの利用用途
最初はビジネス用途が狙いでしょう。
セキュリティー用、データ収用途が
主な市場と捉えている印象です。
医療分野での無人フィルタリング機能や
セーフティーネットとしての市場も
見据えているかもしれません。
空港や、警察、セキュリティレベルの高い場所のファーストゲート
フィルタリング区間としてAIセンサーを活用したアラートシステムは
人材の効率運用として当然視野に入れていると思います。
一部実現していると思いますが
現在人間でしか選別できない、野菜や青果
鮮魚などの選別もAIセンサーカメラが
担う時代が来るかも知れません。
軍事転用が簡単にできそうなので
輸出をしないで欲しいと思いました。
写真・映像市場への投入はまだ遠い
発売されるセンサーサイズの小ささから鑑みるに
画質に対するパフォーマンス向上がまだ課題なのだと感じました。
積層型のセンサーの要素課題ですが
高感度耐性の問題です。
最近のCMOSセンサーは高画質化を目指すため
裏面照射型を採用していたり
積層型のイメージセンサーを活用し
高感度部分の映りを良くしてきました。
このイメージセンサーは積層部分にAIを搭載しているため
積層構造に出来ず高感度に対する耐性が
確保出来ていないと推測しています。
望ましい未来
個人的な希望です。
AIのトラッキング性能を活かして
距離を測れるようになって欲しい。
画像から3Dメタデータを簡単に作成し
フルCGの合成や実写ベースのVRゲーム開発などが
簡単にできるようになると良いなと思いました。
もちろんメタデータを活用して
被写体深度を後調整できるようになると
嬉しいとも思っています。