今回は前回の続きにもなりますが、
プロモーションを仕掛けていく上での戦略について話をしたいと思います。
ここでは、Youtubeを使った広告についてのお話しはしません。
多分、そこじゃない。と思っている方が多いと思うので、優先順位を下げました。
では前回の話に出した4つの方向性の中の、残り3つの方向性の中でそれぞれ戦略について話していこうと思います。
まだ読んでいない人はこちらのリンクから読む事ができます。
Youtuberやインフルエンサーに依頼する広告案件
Youtubeのプロモーションで、
今一番効果あるんじゃないかと言われている方法ですね。
Youtuber、インフルエンサーの影響力を利用してファンや、
視聴者にプロモーションを仕掛けることができます。
スポンサードとしての分かり易いチャンネルを紹介します。
ものづくり太郎チャンネル
「ものづくり太郎チャンネル」さんのパターンが分かり易いと思います。
このチャンネルでは、動画内にバナーのように企業名を出す広告の他、
動画後半にPRの時間が設けられていてスポンサー企業のプロモーションを行っているというものです。
BtoB向けであり、製造業など特定のジャンルに特化している点も、視聴者層が特的でき
オファーをかけやすいのも魅力的な点と言えます。
弱点としては、ビジュアル面は重視していない点が感じられるので、
造形美や繊細さを表現してる製造系の製品などの
プロモーションは苦手なのではないかと推察しています。
このような場合は、事前に動画素材を自社で準備し渡せるようにするなど戦略を立ててオファーをかける必要があるでしょう。
戦略としては、こういった特定市場に力を持っているインフルエンサーを探すようにしましょう。
日本のYoutubeだとエンタメ系のYoutuberが注目さらがちですが、
特定の業界、界隈で影響力を持っているYoutuberもたくさんいます。
そういった方を掘り出し、アプローチを仕掛けていくようにしましょう。
HikakinTV
続いてニュースなど多くの人が知っているプロモーションとして「みそきん」を紹介します。
こちらは日清とのコラボによるカップラーメンになります。多分、ニュースにもなったので皆さん知っていますよね?
プロモーションとしては、「コラボ企画」と表現するのが分かり易いでしょう。
コラボ企画が広告案件なのか? と思うかも知れませんが、
プロモーションという視点で考えれば広告案件ですし
主体は日清さんという点から考えても、
コラボ企画ではあるもののYoutubeのプロモーション視点で考えていくことにします。
メーカーなどでは、こう言ったプロモーションを仕掛けることが可能です。
コラボ企画という形で、インフルエンサーオリジナルの商品製作を行う
企画から開発までをインフルエンサー視点の動画で発表していく。
複数の動画をインフルエンサーのチャンネルで投稿できる強みもあります。
チャンネルで一回露出するよりも物語性がある中で、
複数動画が投稿されるのは数倍の価値があるのではないかと感じます。
その分、負担やコラボ企画へのハードルは高くなるでしょう。
インフルエンサー側のチェックや細かい交渉が入ることは間違いないですし、
開発費、生産、流通からインフルエンサーへの報酬など考えると、
プロモーションにかかる費用は大きくなりがちです。
この辺りがどこまで許容できるか交渉をしていく必要があります。
そこまでコストをかけらない場合のアイデア
もちろん、日清さんのような大企業ではない。
そんなの無理。と、感じてしまうのは当然。
なのでここからは、もう少し現実性のあるアイデアを紹介したいと思います。
みそる
ヒカルとばんからラーメンとのコラボ企画です。
「みそきん」のプロモーションに乗じた形でのヒカルさんによるプロモーションです。
最初にお伝えしますが、便乗という方法を進めているのではありません。
「便乗」を使う場合、高めのリスクが伴うので注意してください。
一歩間違えるとパクリでの流行商法と思われてしまいやすく、失敗した場合、炎上のリスクを抱えています。
便乗で上手くいくためには、インフルエンサーがそういった二番煎じでも笑いになるキャラクター性があることや
チャンネルのコンセプトがエンタメ性の高い動画が多いことなど許容される土壌が必要となります。
伝えたいのは、メーカーとして負担にならないコラボという点です。
みそきんのように開発や流通までを行うとすると莫大な負担がかかります。
そこでこれらの負担を最小限にしたオリジナルコラボとしてプロモーションしていく方法です。
条件としては、カスタマイズ可能な条件と内容を準備し提案できるようにしておきましょう。
セミオーダーのスーツのような感覚です。
インフルエンサーには、チョイス可能な中から選んでもらい、
性能や機能に影響しない中でオリジナル性についてどこまでできるか交渉していく。
流通は、既存の流通先やECなどに制限をする。
みそるの場合は、具や味はカスタムするような形になっており、
独自の具というよりも各店舗で提供可能な具材に制限し、店舗でのみ提供することで
既存のルートを活かし、最小限のコストで開発を行えるというメーカー側の利点が、みそるにはあったと思います。
このような手法であれば、コラボ企画であっても実現性は見えてきませんか?
しかし注意していただきたいのは、セミオーダー型のコラボ企画は会社のことをよく知っている人にとっては、
見破られてしまうリスクがあります。
製品やサービスがBtoCに近いものであればカスタムの内容は、
どこかで一般的ではないところを演出する必要があるでしょう。
数万のインフルエンサーをターゲットにする
小さなインフルエンサーを対象にアプローチをかけていく方法もあります。
インフルエンサー、Youtuberはいつでも動画の企画を欲しがっています。
インプレッションがほしいので、他のインフルエンサー、Youtuberとは違う企画が出来ないか常に悩んでいます。
そこで普段できないことを提供することで、Win-Winの関係を作り、プロモーションに活用することも可能です。
実績を付くり、より大きなインフルエンサーにアプローチをしたり、バズることがあれば
そのバズった動画をネタに他にコラボや企画を売り込むことも可能になるでしょう。
自社でチャンネルをで行う活動
自社のチャンネルで広報活動を行っている企業も多くあります。
とは言え、継続的なアップロードを行う必要があるなど、
通念を通して考えると総合的なコストが高めではあります。
ですが、自由度とチャンネルの登録者数が増えることで、
引き合いが増えたり、別の角度からの露出も可能になる可能性が期待できます。
プロモーション効果は総合的に高く、
効果を発揮するようになれば簡単にコストは回収できるのではないでしょうか。
ですが続けていくのが難しい……。
それが難点です。
ここでは自社チャンネルで、参考になるスタイルを紹介し、
戦略的にどの点が取り込めるか考えてみてください。
有隣堂しか知らない世界
企業チャンネルの中での成功事例の一つだと感じています。動画はURLから見てもらると掴めると思いますが、
文房具を中心とした動画企画を展開しています。
ぬいぐるみのキャラクターがツッコミを行うことで、業界人しか分からない世界を分かり易く面白いです。
明らかにテレビ番組を作っていた会社が制作を行っている感じがしますので、ハードルは高め。
このようなツッコミを行うことが難しく、話の進行やテーマを戻すタイミングの上手さなどプロの手際を感じます。
キャラクターを使った動画作りも慣れていないと挫折する可能性は、外注しないと作れないのではと感じてしまうほど。
とは言え、会社の文化や価値を理解した動画の企画作りはとても参考になりバランス感なども参考にして損はないチャンネルです。
テレビ朝日映像撮影部
映像の業界は意外と子会社が多いので、テレビ朝日なのか? と思うかも知れませんが、
テレビ朝日の多分直系の子会社のチャンネルです。子会社とは言え、映像業界からは大きな会社で
カメラマンや音響スタッフなどの撮影などを行ういわいる技術専門の会社さんです。
ここのチャンネルでは、テレビでのノウハウを活かした撮影術など、
強面のベテランカメラマンが解説するというありがたいチャンネル。
内容は非常にシンプルで、技術的なノウハウを紹介するハウツー系のチャンネルです。
他の個人の動画撮影のハウツーとは違い、テレビでの技術を紹介している点が、
Youtubeでは少なく希少価値の高さと
会社としての実績が圧倒的な違いとなっています。
参考にすべきは、チャンネルが成長したことによって、
様々なところにアプローチできる幅が広がった点です。
テレビ朝日映像撮影部の出演者がインフルエンサー的な役回りになり、
公演や他の媒体に招待されることも増え、会社としてのプロモーションに貢献しています。
業界に関連してセミナーや講演、他媒体に招待されているところが多く、
そこでのプロモーション効果は大きいと言えるでしょう。
チャンネルが成長することによってYoutubeというプラットフォームを越えて、
プロモーション効果が期待できるのが、自社でチャンネルを持つ最大の利点ではないでしょうか。
不動産投資の楽待
投資用不動産の会社が運営しているチャンネルです。
このチャンネルの特徴は、Youtubeをメディア媒体として扱っている点です。
投稿されている動画を見ると分かりますが、
ニュースやテレビ番組のように、自社のコンテンツや紹介などではなく
不動産に関連した動画の内容を投稿しています。
YoutubeチャンネルをTV番組のようにすることで、
不動産に興味のなかった層にまでリーチできる幅を広げることができます。
動画の質も高く、ドキュメンタリー番組などやテレビの制作技術が入り、
整理されていてクオリティーは非常に高いです。
こちらも自社チャンネルでやるには、ハードルが高いと言わざるを得ませんが、チャンネルの在り方としては、
時代の変遷に合わせて続けていきやすく、ネタの枯渇が心配ないなどのメリットがあります。
有隣堂やテレビ朝日映像撮影部と違い、継続性が最も高いと言えるでしょう。
とは言え、テレビの制作ノウハウが確実に必要な上、
ナレーションを入れているなどコスパは悪く、制作会社でないと作れないだろうチャンネルなので、
自社だけでやろうとするとハードルは高いと言わざる得ません。
もっと簡単な方法はないのか
あります。ありますが、
そのチャンネルの世界観が企業のスタイルとマッチするかは考える必要があります。
LITHON (ライソン)公式チャンネル
Youtuberが行う動画企画のような中に自社の製品を上手く取り込んだ内容を多く出されています。
リアルな社員方の反応を使うなど、動画の使い所が上手く、制作にかかるコストも低く、
プロモーション効果を考えれば、十分以上に回収できていて成功しているチャンネルの一つなのではないでしょうか。
社員の方々が和気藹々としているのも、
会社の雰囲気を伝えることができ、採用などにも有利です。
全般的な製品の価格帯から考えても、
チャンネルの雰囲気とバランスが取れているのも成功の要因だと感じています。
ハードルの高さとして、会社のスタッフがどこまで協力的かという点です。
どこかで一度バズったりすれば、会社の風向きも変わると思いますが、
一般的には顔出ししたい人は少なく、非協力的なパターンが多いのげ現状です。
企画系の動画はどうしても複数の人を巻き込む必要があり、
会社全体での協力が必須となります。
顔ぶれが変わらないと、どうしても企画のネタを変えていく必要が出てきて、
本筋のプロモーションから離れた企画に流れていきがちになるのも
継続性という点でどこかで壁になってくるでしょう。
あとは、販売商品の価格帯です。高級ラインの商品の場合は、
企画内容も精査する必要があり
BtoB向けの製品やサービスの場合も同様でおふざけ系の温度感には、
注意が必要になるでしょう。
とはいえ、社内完結可能で全体的なコストは最小限で、
やるならこのパターンなんじゃないのか?
という感じでもあります。
歌って踊る系のチャンネル
https://www.youtube.com/shorts/nh0DAExxo6Y
紹介しているのは日産の販売店さんのチャンネルですが、他にも同様のチャンネルは沢山ありますよね。
Youtubeでは少ないかもしれませんがtiktokではたくさん見かけますし、
tiktokを流用して、youtubeショートに上げているチャンネルも多いのではないでしょうか。
女性社員に出てもらいtiktok系の曲に合わせて踊ったり、
紹介したりというのが特徴のチャンネルです。
現在のYoutubeチャンネルでは踊っている系は少ないですが、
女性スタッフを中心に紹介しているスタイルを見ることができます。
音楽を中止にすることで企画の必要性がなくなり、
勢いとノリで撮影も編集が出来てしまうので制作コストが非常に低いのも特徴と言えるでしょう。
何よりも、系統という形で紹介するのが良いと思いますが、
業種や業態関係なく使えるのがこのタイプの動画です。
比較的初速が期待できるのも、こういった動画の特徴です。
初速が期待できるため、初期の登録者数や再生数を稼いで最低ラインの軌道に乗せていくには、
良いタイプの動画です。
今回はコロナの頃からやっていた日産プリンスさんを代表として出してしまいましたが、
多分他の会社でも似たような動画を出しているは多いのではないでしょうか?
このスタイルの決定的な強みは、
先程も書いたようにどの業種、業態、どこでも使えるという点です。
女性社員でなくても大丈夫なのですが、
男性主体の所は営業系や体育会系の臭いがしてしまい、
毛色が見え隠れしてしまう点には注意が必要です。
制限の低さ初速の期待値が高いのメリット分だけ、デメリットもあります。
どうしても似たような動画が多く出回り特徴がなくなること。
すると女性社員の可愛さやノリに頼る形になってしまい、
やりたいプロモーションを行いづらくなる可能性が高いです。
初速が期待できる分、依存体質になりがちで他の企画が打ち出しづらくなる側面もあります。
他には、流行っている曲に同調する必要もあり、続けていくと比較的時流に振り回されがちになり、
コンテンツの質が低下しがちになることです。
どうしても誰でも出来てしまうが故に、
消費されるだけ動画の中での競争を強いられる辛さもあります。
簡単にできてしまうものは、どうしても模倣されやすく埋没しがちなので、
一発ヒットを打ったらそれを点に変えるための戦略はどうしても必要になります。
戦略としては、大手のチャンネルがやっているような、
他の追随を許さない動画を目指していくか、
ニッチでマニアックな動画を目指していくことになっていく必要があるでしょう。
まとめ
インフルエンサーとのコラボの成功例から
ミニマムでも実現可能な自社チャンネルの事例から出来そうな戦略まで紹介しました。
参考になるきっかけを作れていれば幸いです。
とはいえ、そういった企画を立てることも難しい。
そういった場合には、企画の相談をお伺いすることも可能です。
ご相談ください。
あれ? 一つ紹介していないじゃん。と、思った方。
すいません。文章が長くなりすぎたので、
Youtuber、インフルエンサー、ニュースや取材による自社を取り上げたコンテンツの戦略については、
改めて別の記事で紹介したいと思います。