S35mmセンサーの限界

現在の動画用のカメラには様々なセンサーサイズがありますが
日本で高いクオリティーの動画を作るためにはFFセンサーサイズ以上が
必要という結論にいたしました。

今回はその部分について感じたまま話したいと思います。

センサーサイズの種類

センサーサイズは小さいもので1/2.3型(5.9mm×4.4mm)
そこからS35サイズやフルサイズ(36×24mm)
現在最大でIMAXの(70mm×48.5mm)というものまで幅広いです。

一般的に考えるとセンサーサイズが大きいことが、素晴らしいと考えられていますが
実際はそう簡単なものではありません。

大きなセンサーサイズにはメリットもありますがデメリットもあります。
それらを踏まえた上でも、フルサイズ以上のセンサーが必要なのではと結論づけました。

センサーサイズの大きさの違いによるメリットデメリットは、
どのようなものがあるのでしょうか。

小さいセンサーサイズのメリットデメリット

小さいイメージセンサーは価格が安いというメリットがあります。
こんなメリット、誰だって分かるとおっしゃりたい気持ちは分かります。
そこで、それ以外のメリットももちろん紹介します。

センサーサイズが小さいことでセンサーを処理するプロセッサやそのほか、
パーツも小さく軽量化できるというメリットがあります。
そのため、センサーの機構にスタビライズ機能を持たせたりするなどの
オプション性が高いのも特徴です。

そのため、アクションカムやドローンのカメラセンサーとして使われ
一部の用途として需要があります。

現在の技術では小さいセンサーでもピクセル数を稼ぎ
4Kサイズでの撮影も可能となっており、センサーサイズが小さいことによる
高画質化ができない課題はあまり存在していません。

デメリットはセンサーサイズが小さいことで、
被写体深度が浅くならない問題があります、ボケ感を作り出すことができません。

さらに一般的には低照度の撮影が得意ではありません。
プロセッサやノイズ処理の技術により、夜間でも明るく見せることは可能です。

しかしその部分はセンサーの力よりも、そのほかの処理による技術に頼る部分があり
ハイクオリティーと呼ばれる画質を再現するには、限界があります。

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大きいサイズのセンサーのメリットデメリット

大きいサイズのセンサーのカメラは高いです。
IMAXサイズのカメラは1台50万ドルと法外な価格であり、世界に数台しか存在しません。

中盤サイズセンサーやフルサイズのセンサーカメラも同様で動画では一眼レフを除けば
シネマラインのセンサーサイズになり、数百万代の価格のカメララインナップになっています。

そのほかにセンサーサイズが大きいことで、処理が膨大になり冷却なども考えると
ボディーが大きくなりがちです。すると全体の運用しづらくなるといった問題がでてきます。
そしてセンサーが大きくなることでノイズが出やすくなる傾向があります。

面積における電気ノイズのばらつきなどの問題もあり
大きなセンサー開発的な課題も抱えている現状があります。

データ量も膨大になりがちで、メディアの運用含めて動きが重くなりがちです。

メリットは高いダイナミックレンジが得やすいことです。
ダイナミックレンジが高いことで、低照度での性能も上がります。

そして、大きなセンサーであればその面積を活かした浅い被写体深度の実現です。

一眼レフがフルサイズセンサーなのに、ダイナミックレンジが低いのは
センサーの大きさ以上に高い密度のダイオードを詰めていることで
ダイナミックレンジの確保と低ノイズを出すのが難しいという課題があります。

一般的にはセンサーサイズ、センサー密度、プロセッサ、処理方式の4つの要素が
映像のクオリティーに影響してると、考えるのが良いかもしれません。

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S35センサーに感じる限界

現在の主流シネマカメラのセンサーサイズはS35mmです。
しかし、何故これに限界を感じているかですが、これは日本独自の特性です。

日本は、元々小さい土地を工夫し開発してきた歴史の積み重ねで出来ています。
海外と比べると建物の面積は小さく、周囲の環境も詰まった作りになっています。

映画の特性上、映像で立体感を出すには2つの要素しかないと思っています。
一つは光です。光による陰影により立体感を作り出しています。

二つ目は広さです。
現実的な空間の広さが映像の中で立体感を作る鍵になっています。

問題はS35センサーでは、その空間が圧縮されてしまい遠近感が薄くなってしまうことです。

海外の土地であれば、一つ一つの空間が広いためあまり問題を感じませんが
日本は違います。狭い空間にぎゅうぎゅうに詰めた建物、
中の部屋も狭く小さいものがほとんどです。

センサーサイズが小さいことで空間に奥行きを作れず、
立体感が作れない問題が出てきていると感じました。

もちろんお金があれば空間のあるセットを作り、
そこで演技をさせれば良いかもしれません。

しかし現在の日本にそんな潤沢な予算があるとは思えません。
今後も予算を切り詰めた製作環境が続くでしょう。

すると、既存の施設を上手に活かすしかありません。
既存の施設は、日本のスケールで作られているため映像化する場合
空間をどうしても作りづらい問題出てきてしまうのです。

ライティングによる陰影をつけても限界があります。
照明においても距離は非常に重要で、自然なライティングを行うには
どうしても物理的な距離が必要になるのです。

その問題を解消するためには、
大きなセンサーによる最適な遠近感の実現がこれからの日本の映画などの
ハイエンドムービーの重要課題になるのではと感じています。

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