シネマティックの終焉

あれ、そう言えばどこ行った? と言った感じですが
最近シネマティックと呼ばれている感じがなくなってきたような感じがします。

多分、一つのブームが終わったのだと感じました。
今回はそのことについて考えたいと思います。

シネマティックな表現とは

シネマティックな表現とは映画ライクな表現をさしています。
実際の違いは、光の輝度が低いのが特徴でコントラストが強く
ディティールを大切にしている表現と言えるでしょうか。

実際の映画はシチュエーションに寄せるといのが目的になるので
映画の世界観を表現する中で色や光の感じと呼ばれるものが
シネマティックの本流なのだと思います。

シネマティックの流行

動画と言えばシネマティックな表現、流行りましたよね。
すごく良かったと思います。
3年前から昨年までくらいなのではないでしょうか。

たくさんの方がシネマティックな表現を再現することで盛り上がったと思います。
それを後押ししたのもカメラの動画機能が充実したことで
誰でも似たようなことができるようになったのも大きかったのではないかと感じています。

テレビで見ていたような質感と大きく異なるため
動画を見ている人にはキャッチーに映ったのは間違いありません。

ですが、シネマティックな表現が再現しやすくなったことと
随所で見られたことで流れは変わって来たように感じます。

シネマティックのブームが消えた理由

大衆の飽きが一つあったと感じます。
そしてシネマティックな表現は内容に影響をしないことも
ブームが早く終わった原因なのではないかと感じています。

シネマティックな表現は視覚的なセンセーショナルな要素があったのは間違いありません。
しかし、それは希少性があったからよかったであって、YouTubeなどの動画投稿サイトで
表現をする人が増えたことで飽きが生まれてしまったことが、
ブームの終息を生んだ原因なのではと感じています。

シネマティックな表現の根本の問題は
その表現そのものに意味感が少ないのも終わりを
早めた原因だったのではと感じています。

映画のシネマティックな表現と、
映画以外で言われているシネマティックな表現は意味のポイントが違っています。

映画のシネマティックな表現はストーリーに沿った雰囲気作りをするのがベースにあります。
そのためストーリー主導であり、映画館上映用のレギュレーション通過が出来るかが
ポイントになります。

映画以外で使われているシネマティックな表現はシネマティックな表現をすることが目的になっていて、
その色合いや質感を再現出来ているかがポイントになっているため

動画の内容に踏み込めていないため、
視聴者が価値をあまり感じぬくくなったのも
原因のように感じます。

表現法はコンテンツ寿命が少ない

ブームを支えたのは、表現をするノウハウを紹介する人達だと思います。
素晴らしい技術をタダで見られるのは本当にズルい時代だと感じますし、同時に
すごい競争の時代になってしまったと感じます。

競争の時代に生き残るために誰もが鎬を削っているのは間違いありませんし
その恩恵をタダで享受できていることは、ただ見ている人には伝わらないのだと思います。

ですが、これらの表現法はシネマティックな表現に留まらず寿命が短いのが難点です。
ソフトウェアやプラグインといったものが常に開発され

ついさっきまで紹介されていた技術が、ボタン一つで実行できてしまうような
変革が毎年のように起こっています。

技術とノウハウを詰め込んだ動画も、技術革新が起こると陳腐化が発生してしまい
コンテンツの価値が急落してしまう問題があります。

このようなことが毎年のようにおこるため
変革についていくのが大変になったと感じます。

シネマティックの終演から学ぶこと

動画にもタピオカブームに似たような流れがあることを
常に覚えておく必要があることではないでしょうか。

飲食業界ではブームを作らないといった考え方を持っている方もいると言います。
高級食パンブームなど食に感じてはブームの栄枯盛衰を学ぶのに最適だと感じていますが

ブームが一度発生すると、そこに便乗するように同じようなテーマを扱うお店が突然増えます。
しかし、希少性の観点やライバルとの競争で、ブームは過熱するも、消費者は
飽きがすぐにくるようになり、誰もがそのブームから離れていってしまいます。

すると、ブームで勢いづいて拡大路線を進めているところに起こる閑古鳥に
収支のバランスが反転し、維持費や経費などで赤字転落となり
お店が消えていくといった流れです。

ブームを起こさないという考えは、ライバル企業の参入を触発し
独占市場を荒らされるのを避けたいという考えよりも

ブームが去ったあとにやってくる、
投資を回収できない損失を発生させないようにしたいという考えなのだとおもいます。

飲食店は規模が大きいので分かりと思いますが
お店を持つための、賃料や調理をするための設備は投資しなければなりません。

ブームが起こると顧客の取り合いがおこり、賑わっていても競争に晒されます。
ブームが去れば、とたんに人がいなくなり、投資した資金の回収が難しくなります。
何よりもブームが冷めて人が商品を手に取らなくなるといった状況が危険なのだと感じます。

このような社会的な加熱を最初から避けて
ブーム後のリスクを回避したいというのが考えの本質なのではないでしょうか。

そのことを踏まえると動画でも同様にブームはあまり起こさないのが
長く息をしていくためにも重要なのではないかと感じます。

視覚的な表現はこのようなムーブメント性が高く飲食業界のブームを起こす点に
似ているものがあると感じます。

シネマティックな表現が終わったとはいえ、需要がないとは思いません。

しかしこれからは、フィットしているシネマティックを求めているのだと思います。
テーマ+シネマティックな表現であり、
そのフィット感も求められているそんな状況になっています。

どんどん洗練されている中で、一人一人が考えることがまた一つ増えている
そんな感じがしました。

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