動画CMを作るために必要なこと

動画CMを作るのは会社にとっても
大きな決断と言えます。

何故なら制作費の他にも
放送に伴う広告費用が掛かるからです。

そもそも広告映像が必要なのか
判断しなければなりません。

では動画CMを作る決断をするために
必要な情報や最新の制作事情を踏まえて
検討していきましょう。

動画CMを制作するのは妥当なのか

最初に検討しなければならない重要な問題です。
自社の製品や利用者にとってプラスになっているか
検討の必要があるでしょう。

広告費は人権費に次ぎ予算を必要とする
セクションだからです。

意味のない動画CMは負債とも言えます。
営業マンの方はさも必要な
メリットを並べてくるかも知れません。

動画を検討する際の思考指標
・動画にどんな意味を持たせたいか
・打ち出すべき商品はあるか
・動画を通じてどのようにしたいか
・動画を制作した先にある戦略を持っているか

しかし動画CMの利用方法や使い方は多岐に渡るため
俯瞰的に考えなければ期待していた効果は
中々得られないのです。

目的を明確に設定する

二兎追うものは一兎をも得ずです。
ことわざにもあるように
複数のターゲットやペルソナを設定するのは避けましょう。

動画CMは利用方法や時期を
戦略的に設定する必要があります。
チラシと同じ原理だと考えて下さい。

コストの参考
・動画制作費
・広告運用費
・契約費

映像の場合はコストがチラシよりも
膨大に掛かると言う点が違います。
コストに見合う効果を設定する
必要があるでしょう。

そのためには目的を明確にしましょう。
映像は他の広告媒体よりも1秒当たりの提供情報量が最も多い点です。

広告効果を期待しすぎてはいけない

全体の戦略を常に起点にしての
広告活動が重要になるでしょう。
費用とのバランスを考えてしまうと
複数のペルソナを設定しがちです。

・動画は情報量が多い
・動画はメッセージを絞らないと伝わらない
・動画は視覚的や先入観や判断が早い

そもそもの広告効果は数%に留まっています。
費用とのバランスを考えてしまい
一つの映像に複数の目的を設定したくなります。

誰にも響かない映像になってしまい
余計に損失が高まってしまうのです。
情報量が多いというメリットが
デメリットに変わる瞬間と言えます。

特にテレビで放送されるような15秒や30秒の映像では
テーマを一つに絞らない限り、何かを伝えるのは困難でしょう。
動画CMの戦略としては目的を明確にし
一点にターゲッティングするのが最良の手となります。

大手企業のCMは参考にするな

ベンチャー企業や中小企業がCMを出す場合
大手企業のテレビCMの戦略は通用しません。
大手企業のテレビは戦略が違います。

大手企業のテレビコマーシャルは沢山の放送回数を確保された戦略です。
広告枠を確保し、大量の資金が無ければ中々実現出来ません。

特にブランディングイメージ向上を狙ったものは
実行不可能な戦略と言ってもいいでしょう。
ブランディングイメージ向上は大衆認知の向上にあります。

ブランディング向上を狙う理由
・認知として商品の価値を理解してもらう
・消費の位置づけと格付け
・ブランドのランドマーク化

ブランディング向けの映像は
商品の訴求ではありません。
メーカーや企業の世界感を
表現するような映像になります。

企業については、企業の体制や取り組み
商品があることでの世界を普及するためにあります。
このような映像は、より間接的な表現が多く
直接的な購買意欲には繋がりません。

コマーシャルの打ち出し回数やデジタルサイネージ
街頭広告など映像以外での広告活動も必要となる場合が多くあります。

近年のやり方としては、一つの街や駅の空間を占領する
ジャック型の広告活動もあり大規模な動きになりがちです。

大手企業は映像以外でのキャンペーンの一つとして打ち出しています。
その点を見極めなければなりません。

最優先で参考にする必要はないでしょう。

ブランディングイメージ向上はザイオンス効果を使った心理戦略

真似出来る心理的効果は利用すべきです。
大手企業の動画CMはザイオンス効果を
発揮させるために戦略立てられています。

ザイオンス効果とは
アメリカの心理学者ロバート・ザイアンス博士が
「単純接触の態度への影響」という論文の中で発表されたものです。

ザイオンス効果(単純接触効果)とは人は知覚的接触回数が多いほど
高感度が高くなるという実験結果から導き出されました。

無意味な5つの文字の中で出現回数の変化によって
どの文字が一番好感を持てるかという実験結果によるもです。
実験の結果により、人は出現回数が多かった文字に対し
相対的に好意的な反応を示しめしました。

効果を実践的な使い方として落とし込むと
一定期間で同じ人に複数回同じ内容を見せることで、ザイオンス効果が期待出来ます。
大手企業はキャンペーンなどを利用し
動画CMを数ヶ月期間で戦略的に運用しています。

全ての放送において視聴者の記憶に残っている必要はありません。
無意識下に情報として刷り込むのも計算されています。

サブリミナル効果の刷り込みに当たる部分です。
一定期間放送し続けることで
好感度を高め人の潜在意識下の中に商品の記憶を入れるのが狙いです。

サブリミナルの特徴
・無意識への刷り込み
・潜在的な記憶の定着
・サブリミナル単体では効果を発揮しない

テレビで流れるモノが単発で
終わらせないのはそのためです。
さらに効果的な方法としては
視聴者の偶然性を高めるのが良いでしょう。

動画CMにおける偶然性とは、視聴者が予期しないタイミングや
方法で情報に接触することです。
一番簡単な方法としては同じ時間帯、別番組での視聴に当たります。

若しくは新聞やラジオなどの別媒体も含まれます。
ルーティーン化された情報の提示は
記憶の底に埋没しやすくなります。

ターゲットの記憶の表層に持ち出すには
不意を突くか別のアプローチによる予想外を演出すると
記憶の表層に上がりやすくなり
意識的にブランドや商品を想起させられるでしょう。

効果はテレビ、ラジオ、新聞だけに収まらず
広告を見た友人の噂話の時にも同様の効果を発揮します。

売り込みは嫌い、信じられるのは友人の言葉

信頼がどこにあるかが鍵になります。
日本人の場合は、組織に対しての信頼度が
高い傾向にあるのでコマーシャルを打ち出す
安心の企業ブランド効果を得えられていました。

しかし、個人の持つイメージも社会変化として
変容しつつあります。

品質はどの商品も高く微々たる差になってきました。
そこで企業のブランド価値の基準は所有欲を満たす
ステイタスにシフトしています。

更にはそれぞれが商品のブランド価値を高める
広告を打ち出し、その中には過大広告となっていた
商品が多々含まれていたため広告の信頼は落ちてしまいました。

その時代の中で商品を売り込まれるのは
苦痛と言っても過言ではありません。

信頼出来るものはより身近な存在となりました。
そして信頼の出来る関係性か、尊敬出来る存在の
人との繋がりによって商品の信頼は高まっていると言えます。

信じられるもの
・友人や知人
・信頼のおける人
・権威のある人
・芸能人や著名人

ロバート・チャルディーニの「影響力の武器」では
影響力を発揮するには以下の要素が重要だと説いています。
権威性と好意性です。

権威性は現在では様々な点で活かされています。
インフルエンサーがその好例です。

口コミマーケティングが効果的なのは
関係性です。直接的強い信頼があるから
商品のスペックや安心感などは信頼によって補われています。

商品の品質は最低条件になりつつある

リレーションシップや口コミをしたくなるような
仕組み作りが何よりも大切です。

商品品質は言わば
仕組みのための土台と言って間違いありません。
質が悪ければ、次ぎに手をとってはもらえないでしょう。

情報商材の失敗例は一部に誇張があり
鵜呑みにしてしまうと後悔する流れがあるからです。

広告営業でも同様な流れが一部に
存在しているのを覚えておかねばなりません。

商品と広告のバランス
・商品の質は担保する
・告知や宣伝を行わなければ買わない
・宣伝で過度な演出はリピートに繋がらない

一部のウェブマーケティング系
ダイレクトマーケティング系の商材のように
上手に見せ宣伝し、顧客を取り込む戦略もあるでしょう。
しかし継続的な効果を発揮しません。

購入以降の信用が一気に落ちてしまうという
負のスパイラルに繋がってしまうのです。
プロモーションはあくまでも商品あってのもの。
プロモーションを主体にするのは危険です。

そのためにも、幾つかの点で商品や
サービスを採点してみてはいかがでしょうか。

・時代に合っているか。
・ターゲットに合致しているか。
・ターゲットに届く価格か。
・利用者は何と言っているか。

質問全てにポジティブな回答が得られるのなら
プロモーションは効果的と言えるでしょう。
もし一つ又は二つの点でしか得られていない場合には
限定的なプロモーション活動に留めるのが良いでしょう。

WEB動画CMは売り込みの色がまだまだ強い

動画CMにも幾つかパターンがあります。

広告の出稿先
・テレビCM
・テレビ番組
・YouTube動画
・YouTube動画広告
・SNS動画広告
・WEBサイト

テレビコマーシャル
テレビ番組以外はWEB動画の枠に入っているものですが
それぞれのターゲットと戦略
特性を理解し制作を検討しましょう。

テレビコマーシャル

テレビのメリットは大衆への認知がまだ高い点です。
一回の放送で、数十万単位での視聴が期待されます。

しかし、コマーシャルを飛ばしての録画や
インターネット利用などでTVの効果も
年々落ちてきている実情があります。

テレビという権威性を活かしどのようにプロモーションするかが鍵となるでしょう。
テレビCMでの成功を狙うには、高いメッセージ性、
注目度、2点に意識を向けるのがポイントになります。

コピーライティングが活きているCM
・JR東海の「そうだ、京都へ行こう」
・ホンダステップワゴンの「こどもといっしょにどこいこう」
・大成建設の「地図に残る仕事」
・ゼクシィ「私はあなたと結婚したいのです」

ターゲットを絞り未来的感情思考の印象のある
コピーなどで打ち出す場合には効果的です。

注目を集めたCM
・KDDI、AUの「三太郎 桃太郎」シリーズ
・ソフトバンクの「ジャスティンビーバーとピコ太郎」

上記CMは著名人を多数起用し、外しのないモノに仕上がっています。
有名俳優や芸能人を多数起用しファン層の取り込み
キュレーション効果を前提に構築した戦略的CMと言ってもいいでしょう。

テレビ番組

テレビ番組には2つのパターンがあります。

・番組内で商品の紹介
・番組に出演する

メリットはインプレッションです。
番組内であればCMよりも高い確率で視聴してもらえます。
番組内での商品紹介はシンプルに興味を持って貰えるでしょう。

もう一つは関係者が出演する事で認知を高める方法です。
経済番組や、特集などで紹介される時は認知を拡大出来るチャンスです。
テレビ番組での紹介された時に活かす方法は2点です。

ポイント
・ストーリー性
・吐出性

ストーリー性は開発秘話や出演者の苦労話がプラスポイントです。
コメントを貰う際にもこのような話しを準備しておくと
商品の附加価値に繋がるので用意しておきましょう。

ストーリーの構成は
ヒーローズジャーニーとよばれるストーリーのフレームが役に立ちます。

取材などを受ける機会があれば、自身の物語を
語れるようになると良いでしょう。

吐出性は他とは
他者と違う明らかな何かです。
テレビマンの多くが気にしているのは
視聴率を求めています。

その為に奇抜に感じるほどに他にはないもの
追従を許さない技術などを求めている場合が多いです。
独自性やキャラクター性がある場合には
テレビ映えするでしょう。

YouTube動画

YouTube動画は自社又は自身が
自ら発信するコンテンツ型の動画CMです。

メリット
・動画の時間制限がない
・コンテンツ化が容易

デメリット
・継続性が必要
・チャンネルの設計など全体のディレクションなどが必要

YouTube動画はコンテンツの側面が強いため
訴求より認知に力を入れるのが良いでしょう。

知ってもらうために何が出来るのか
どんな映像の構成が良いのかを
検討しなければなりません。

ハウツーやテクニックはコンテンツ化し易く
商品の活用、応用などは面白く
見ていられるアイデアの一つです。

YouTuberに依頼するというのも
一つの手法として捉えるのも良いでしょう。
しかし、YouTuberの選定とターゲット層が
合っているかの検討はしておくべきです。

YouTuberの平均ターゲット層が
10代~20代前半が多いため、YouTuberの選定
案件としての企画内容については
事前に取り決めをしておくのが良いでしょう。

YouTube動画広告

YouTube上に流れる差し込み型の広告です。
放送時間には幾つかの枠組みがり
長いものから短いものまで様々あり
制約は少ないのが特徴です。
このような動画の広告のポイントは
5秒以降は任意で広告をスキップ出来る点です。

デメリットは広告が入札型なので
実際に掲載されるかが不透明な点である部分と
事前のターゲットティングは
はっきりしていないと効果を発揮しない点です。

YouTube広告は最適化が進んでいるので
基本的には見定めたターゲットに合った辺りに広告が掲載されます。
その点で自社での分析をしっかりしておかないと
一切の効果が見込まれないと予想されます。

YouTube動画CMで効果を発揮するには

・エンタメ性
・共感性

エンタメ性とは、視聴者の面白さを
啓発させるような内容。
スプライトのコマーシャルなどの
キャンペーンを映像化したものが好例です。
単純で身近な面白さなどがヒットの理由です。

ナイキの「Take It To The Next Level」
日清カップヌードルの「SAMURAI」シリーズ

共感性とは人の心に訴えかけるような映像です。
訴求力よりも感情にフォーカスし
品位の高いイメージを与えることが出来ます。

有名なものはダヴの「あなたは自分が思うよりも美しい」
日本でもいくつか制作されていますが
二番煎じの感覚が強くダヴに並ぶCMは中々見付かりません。

映像としてはテーマの設定の難易度が高く
小説のようなラストの落とし込みが求められます。

しかし、完成すれば動画CMがブランドを
作り出すような圧倒的な力を発揮します。
これらは、YouTube動画広告に留まらず制限のない
CM枠で効果を発揮する体裁の動画CMとして紹介しました。

SNS動画広告

FacebookやTwitterなどのWEB上でも
コミュニティーに近い場所での動画CMです。
メリットは最適化されたシステムにより
フォーカスしたターゲットに訴求できる。

適切なターゲッティングを行えば
広告掲載費を抑えられます。

時間の制限はテレビCM程高くありませんが
音声再生が消音であることが
初期設定である点を踏まえる必要があります。
デメリットとして、関係性の中での広告は親近感がないと嫌がられます。

コミュニティーに必要な要素としては
安心感が一つにあります。
安心感は安全である前提があり
外敵要素を感じさせない取り組みを
見せなければなりません。

方法としてダイレクトマーケティング的なアプローチか
コミュニティーに合わせた人間的アプローチに寄るでしょう。

ダイレクトマーケティング型は、確定したターゲットに合わせて
メリットを重ねて見せることで興味関心を直接引き出します。
似た体裁が多く一見して怪しさすら感じさせるので
似たような物との差別化と同一視を避ける必要があります。

人間的アプローチでは、エンタメを重視した楽しさを
提供するアプローチを行い、リプライなどのバスによる関心増加を狙うのが得策です。

サイト動画

自社のサイトで公開している動画です。
用途は説明やイメージの向上
ページの位置によっても使い方は様々です。

言葉での説明を短縮化でき
1枚のページ上で多くの情報を
伝えられるのがメリット。

デメリットは動画CMとしては身動きが出来ず
広がりが少なく、体裁としても反響が得られにくい。

広告としての効果よりも説得としての使い方がよい部分になります。
説得とは、来場者への安心感を与えることです。

サイトに訪れているという点において
何らかの興味を持って来ています。
その人に安心感を与えるために
用意しておくのが良いでしょう。

リクルートなどの新卒者などに
フォーカスするのも良い手です。

まとめ

最初に制約を設け絞り込むのが動画制作の要。
動画CMを作るための方法は無限大です。
何を条件に打ちだして行くのかがとても重要です。

そして制作費用の効果を最大化するためには極限まで引き算をしメッセージを洗練させて下さい。
すると映像の狙いや質、見え方も芯の通ったものになるでしょう。

まずはそのポイントを絞り、どのように打ち出すべきなのかを検討して下さい。
きっと良い形になるでしょう。

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