ウイスキーCMから考える。買いたくなる映像の魔法

買いたくなる魔法を教えます。

イメージはマジックのようなもの

どこの会社も莫大な開発費を投じて
競合他社を圧倒する商品を開発し
商品自体には大きな優劣はありません。

そこで必要な戦略がイメージ戦略です。
人は一度も使ったことのない
商品を比べて商品価値を探ります。

この時、一体何を比べているのかそれは単なる
イメージの比較でしかありません。

他の商品よりも良いイメージを持ったからこそ
消費者はモノを買うわけです。

ですから商品のイメージをマジックで
高めることがCMなのです。

ウィスキーCMの買いたいと感じさせる映像手法

マジックには種があります。
つまり種を知ることで商品のイメージを
容易に変容させることができるのです。
その基本的な理論が古典的条件付けです。

古典的条件付けとは中学校の理科で習った
パブロフの犬の実験有名です。
ベルを鳴らして餌を与え続けると
ベルを鳴らしただけで犬は唾液を出します。
CMもこれと同じです。

もともと良いイメージ(脳に快刺激与える)美しい女優と
ウィスキーを同時に見せることで
女優への良いイメージがウィスキーに般化し
なぜだかウィスキーにも良い印象を持ってしまう
のです。

ウィスキーCMの購買意欲をそそる心理技法

消費心理学の研究においては
購買意欲の高い人には具体的な情報を
そうでない人には
漠然とした良い印象を与えることが
売り上げ促進に繋がることが
言われています。

これは客観的な情報
例えば従来の商品より
どのように今回の商品が
良いのか説明するよりも
どうすごいのかということを
主観的に伝える方が人々の
購買意欲を高めるのです。

そもそもCMはテレビ番組の合間の広告ですから
視聴者の注意力もその時間休憩中であるため

なんとなくのイメージが記憶に残らないのです。
しかし、このように少し
注意力が低下している時こそ
漠然とした印象の記憶は残ります。

大衆を対象としたCMでは
具体的な金額や良さを
アピールする必要はなく
良い印象を残すことが求められます。

何故買いたくなってしまうのか

神経のニューロンを研究した研究では
人間はものを買ったことを想像するだけど
実際にモノを買った時と同じくらいの
興奮がニューロンを通して脳内に広がります。

したがって、買ったことをイメージするだけで
それだけ脳内に快刺激あるのですから
それを考えているだけで興奮状態に入り
結局それを購入してしまうのです。

ですから映像の中でも
それをあたかも飲んでいるような
また、そこにいるような感覚を高めることが
脳科学の視点からでも重要な
アプローチと言えるでしょう。

ウイスキーCMの特徴とは

このウィスキーのCMでは
類似性の効果が働いています。

綺麗な女優さんがただ一人
ウィスキーを飲んでいたり
グラスにウィスキーを注いでいても
視聴者にはただの映像の世界として映ります。

しかし、そこに演出として芸人や
3枚目の俳優を対比的にキャスティングすることで
彼らは視聴者と女優の橋渡しをする役割
なるのです。

最近のウィスキーのCMでは
綺麗なママのいる飲み屋で
ウィスキーを飲むという
現実的な場面を設定し視聴者の
日常と映像を重ねることで
親近感を掻き立てるCMの構成になっています。

ターゲットにマッチした映像のアピール方法

ウィスキーを飲む人々は誰でしょうか。
マーケティングの考え方を
しっかりと吟味する必要があり
その層に適した映像を制作する必要があります。

ウィスキーを若い女性が飲んでいる
イメージはあまりできません。

中年を過ぎた男性が少しずつウィスキーを
飲む姿は容易に想像できますが
このようにターゲットを絞りその人たちが
好む映像を作らなければなりません。

ウィスキーのCMでは明確にターゲットが絞られており
その対象が好きそうな女優をキャスティングしています。
マーケティング的な目線で層を考えた上で
映像制作を心がけていくことが大切ですね。

時代の変化があらわれるCM

ウィスキーのCMもそうですが
時代が変わるごとにCMは変化しています。
CMは何といっても社会の世相や
時代の価値観を大きく表しているものです。

社会が禁煙を推奨することで
たばこのCMがなくなったのもその1つでしょう。

また、CMは残っているものの
内容が大きく異なるCMもあります。
その1つが車のCMではないでしょうか。

あるCMでは「車を買おう」ではなく
「免許を取ろう」と促しています。
若者の深刻な車離れには、
車なんて必要ない。

車の免許すらいらないと考える若者の数が
増えていることを指しています。
時代という不思議な流れを反映し
消費者の心を掴む内容が求められるようです。

今の時代に合ったアプローチとは

歌手にとってドラマや映画の主題歌を歌うことは
少し前まで彼らの登竜門でした。

インディーズからメジャーデビューをするきかっけにもなりえる
大きなチャンスです。
もちろん今もそれは変わりません。

ただ、「CMソング」をきっかけにミュージシャンが
有名になることを見ても
CMにおける音楽の重要性は高まっています。

「ウィスキーはお好きでしょう?」このフレーズを聞くだけで
歌の冒頭を口ずさむことができる人は多いはずです。
ヒットCMには必ず一定のヒットCMソングがあるのです。

映像の工夫に加えてそれに合う音楽を
映像に載せることでCMの人気が高まっていきます。

ですから、映像に加えて音楽の要素もCMを作成する上では
欠かすことのできない大切な構成要素と言えるでしょうし
そこにも意識を向けたアプローチが求められます。

新時代のCMの考え方

CMはただの宣伝ではなく数十秒の物語です。

昔のCMでは、作り手が全面的に
商品を売りたいという
気持ちが露骨なまでに視聴者に
伝わる映像技法がたくさん使われていました。

商品をアップで移し
中には商品だけでCMを
簡潔するということもありました。

しかし、新時代のCM、特に最近のCMでは
物語性の1つのCMの中に入れ
クールごとにCMの中の話が
少しずつ前に進んでいくような
一つのお話を展開していく
スタイルが人気CMとなっています。

これは「なんの商品のCMか」ということよりも
「どこの会社のCM」かということにCMの目的が
シフトしているとも考えられます。

商品を宣伝すること同時に
会社の名前を知ってもらうということ
非常に大切なマーケティング戦略です。

「○○という会社のCM」が面白いということを
人々が町中で言えばこれは単純接触効果から

普段耳慣れた言葉や人の印象が
良くなるということと同様に
会社のイメージがアップし
条件付けでその会社のCMの
商品イメージの向上にも繋がるのです。

ストーリー性を凝らした
インパクトのあるCMが
今の主流ではないでしょうか。

ウィスキーCMの手法と理論の応用

ウィスキーの色は何色ですか?
ウィスキーを氷にそそぐ映像は
とても印象的です。

色と購買意欲の研究はなされてきました。
人間の心は色に左右されやすい
性質を持っています。

映像を構成する上でも
色の配置というものを考える必要があります。

商品のパッケージと購買意欲について検証した研究では
茶色や暖色系のパッケージが
人々の購買意欲を高めるということが発表されています。

ウィスキーのCMでは全体的に全体的に
ウッディ―な木々の茶色や
それこそウィスキーの茶色が使われており
色彩的な面でも購買意欲を高める工夫がなされています。

色を意識した手法を他の宣伝場面でも
取り込むことができるのではないでしょうか。

まとめ

映像によるマジックで視聴者の購買意欲を高めることで
その商品の売り上げは大幅に変動すると言えるでしょう。

理論をしっかりと踏まえた映像制作こそが
ヒットを商品を多くの消費者に
知ってもらうための近道ではないでしょうか。

参考文献等
①Chih-Cheng Chen 、 Chien-Wen Chen 、 Yi-Chun Tung(2018) Exploring the Consumer Behavior of Intention to Purchase Green Products in Belt and Road Countries:An Empirical Analysis Sustainability 2018、 10(3)
②前 田 洋 光・近 都 智 美・佐々木智崇 吉 田 夏 希・北 林 弘 行・永 野 光 朗(2016)
パッケージカラーが商品イメージおよび購買意欲に及ぼす影響 : チョコレートのパッケージを題材として. 京都橘大学研究紀要(43)、 203-218
③https://www.cell.com/neuron/fulltext/S0896-6273(06)00904-4

※ 参考にしたCMの映像のリンクのURL

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