携帯CMのヒットから考える、売れるCMの要因とは

携帯のCMを見ない日はありません。
逆説的に携帯のCMは広告効果としてはとても大きいと判断すべきでしょう。
ならば、そのヒットCMには必ず秘訣がある。その要因を探ってみました。

携帯CMにはヒットする隠れた法則がある

もうキャスティングだけで携帯CMはヒットしません。
映像のクオリティが格段に上がり、旬の有名人を起用するだけでは飽きられてしまうようになった世界。
キャスティング+αという考えが必要になってきました。

携帯のヒットしているCMと言えば、キャラクターCMが有名です。
キャラクターCMとは造語です。

ソフトバンク犬をご存じですか?
2007年からソフトバンク代名詞として登場した有名なキャラクターです。
似たようなキャラクターと言えば、アイフル犬も似た構図としても有名ですよね。
これらの携帯CMからアイコン化されたキャラクターをキャラクターCMと呼ぶことにしました。

これらのキャラクターCMは、社会的なムーブメントを興しました。
グッズや関連商品も生まれるほど有名になったのです。

この成功によって一斉にキャラクター化とシリーズ化を意識させた携帯CMが増えました。

しかし、このようなキャラクター化がヒットしたことにより似たような映像が乱立してしまいました。
同種の映像が増えれば視聴者の目も肥えますし、飽きが生まれます。
そのためよりクオリティーの高い作品が求められるようになりました。
すると映像広告の中で競争となり、ヒットと呼ばれる作品が減ってしまったのです。

そのため、最近では既存のキャラクターCM文化を活かしながらも知名度のある有名人を起用し
有名人目当てでの視聴率を稼ぐ形に落ち着きました。

とはいえ、これらの手法は既に使い尽くされた手法です。
直ぐに飽きが生まれ、キャスティングだけでは目指している成功とは中々呼べなくなってしまったのです。

目指すべきCMのスタイル

最新の傾向は思い出や共感を増やすことです。
ここで素朴な疑問として、そもそも映像広告の意義とはどういうもので、ヒットとは何を指すのか。
ひとことで言えば「企業、サービスの認知を高め、気にかけてもらう。思い出してもらう瞬間を増やす」ことが役目です。

そのための鍵となるのがCMを目立たせることです。
しかしそれだけでは記憶に残りません。
消費者の頭の中に記憶の「ふせん」を貼ることが必要になってくるでしょう。
記憶のふせんは、記憶の中でも一つ引っかかが残ったような状態の記憶。

ふせんを貼れるような携帯CMを作ることが、現代の熾烈な争いに打ち勝つ上で必須と言えるでしょう。
群雄割拠の戦国時代のなかで消費者の記憶に残るために、
歌やストーリー、を活用し動画の中に目印をつけて特徴をもたせる必要があります。
その目印となるの鍵がふせんです。

影響力を持つ動画をヒットさせることで
企業、サービスが消費者の印象に残り、結果的に購買行動につながり、収益を増加させます。

気になるのが話題に上る映像を作る方法でしょう。
まず話題の映像について、詳しく見て成功の理由を紐解いていきましょう。

話題のCMはなぜ話題になるのか

話題性の高い携帯CMは記憶に残っています。

企業からすればどんなに面白く、目を引く内容が詰め込まれた内容であっても
消費者の目に触れる瞬間、映像は嫌われ者としてスタートを切ることになります。
なぜなら本来CMは、消費者にとって邪魔なクールタイムだからです。

番組が見たいのに続きが気になるよいところで
突然流される無意味な映像、それが広告映像の宿命です。

つまりどれだけ考え抜いて面白いものを作ろうと
まずは逆境からスタートして消費者の目に触れざるを得ない媒体であるといえます。

「邪魔だな」を「面白い」に変えるのは並大抵ではありません。
それでも話題に残る成功した動画はいくつも生まれています。
なぜかといえば、まず純粋に「記憶に残りやすい」ためです。
記憶に残らなければ悪口すら言ってもらえません。

本題からちょっとだけ寄り道して記憶の機能についておさらいしておくと、
記憶には「記銘」「保持」「再生」の3つの機能があります。
記憶に残るというのは一番初めの「記銘」が起こりやすいことを意味しています。

そのまま覚えていてもらうのも、ふとした瞬間に思い出してもらうのも、
まず「記憶しておこう」と脳がチェックを下したあとの話です。
記銘してもらえなければ、どれだけ凝った内容の携帯CMを作ってもなんの意味もありません。

ところで日清紡という会社のCMをご存知でしょうか。
犬に服を着せ、単調なダンスを繰り返しながら「ニッシンボー」と歌いつづけるシンプルな内容ですが、
おそらく聞いたことがあると思います。

この動画は記銘に重きを置いている顕著な例です。
実際に日清紡の企業理念やサービス内容については全く触れることなく、
社名を繰り返す歌を歌い、インパクトのある構成にすることで
ひとまず社名を覚えてもらうことだけを目的としています。

あえて何も伝えず秘匿することで興味をひくことにも成功しています。
まずは記憶のシステムにあわせて、欲張らずに「覚えてもらう」ことにリソースを割くことが、話題の映像を作る上では重要になります。

記憶のメカニズムを知り、話題性につなげる

記憶のメカニズムを知らずにヒットさせるのは、
目隠しをしてメジャーリーガーからヒットを打つようなものです。

すでに、心理学やマーケティング的思考を学ばずに
CMをヒットさせるのはそれほどに難しいレベルになってきています。

ハイレベルな動画が枠を占めているなかに割って入り話題をかっさらうためには
消費者の記憶のメカニズムを知り、逆手に取るような動画のマーケティング戦略が必要不可欠です。

われわれが普段「記憶」と読んでいる「覚えておける記憶」の種類には大きく分けて長期記憶と短期記憶があります。
すべての記憶は短期記憶に一瞬だけ貯蔵され
その後脳が「意味のある情報だ」と認識した記憶のみを選別して長期記憶へ移行します。

これがいわゆる「覚える」ということです。
アトキンソンとシフリンという心理学者が記憶について二重貯蔵庫モデルという仮設を提唱しており
現在でも記憶についてはこの考え方が支持されています。
この記事ではその二重貯蔵庫モデルを仮定して記憶について触れていきます。

簡単に述べると、記憶には短期記憶と長期記憶という二つの入れ物があり
まずは短期記憶に情報を格納し、その中の意味ある情報だけが長期記憶へ渡される
という二つの入れ物を想定した記憶のモデルです。

もし詳しく内容を知りたいと思われた方は「心理学 (New Liberal Arts Selection)」をご一読ください。
ところで、語呂合わせや歌にして試験内容を暗記した経験はおありでしょうか?

実はこうしたテクニックは短期記憶から長期記憶への移行を手助けするために行っていたのです。
なぜ語呂合わせや歌にすると覚えやすいのか、それは付随した周辺情報が含まれているからです。

記憶というのは周辺情報や感情がセットになることでより重要性を増し、長期記憶へ移行しやすくなります。
心理学的に「記憶の精緻化」と呼ばれる作用です。

語呂合わせであればイメージやストーリーが、歌であれば音階が周辺知識として記憶に目印をつける役割を果たすため、
脳が優先的に短期記憶から長期記憶へ移行させていきます。
これが冒頭で述べた、ふせんです。
“引用、心理学 (New Liberal Arts Selection)”

ここで述べた記憶の精緻化やメカニズムについては上記の書籍の「記憶・認知」の範囲で詳述されています。
どういった情報であれば記憶しやすいのか心理学的な観点からわかりやすく述べられています。

また、この後に述べていく「ふせん」の内容は様々な心理作用を利用したものですが
そうした興味、好感を生み出すための心理作用についても認知心理学の観点からまとめられています。
持っておいて損はない一冊です、心理学の入門書としておすすめします。

CMでヒットさせたいなら「急がば回れ」

ここまで御覧頂いた方にはすでに
「企業理念やサービスの情報を詰め込むだけでは記憶に残らず意味のないCMになってしまう」とご理解いただけたと思います。
効果的なCMを作るためには、あえて宣伝に重きを置かない「急がば回れ」の精神が必要になってくるわけですね。

覚えておいてほしいのは、記憶に残りやすい情報とは「なんらかの付随的な情報(ふせん)をつけられたもの」であるということ。
歌を歌うCMが多いことやフリーダイヤルを語呂合わせで繰り返す動画が多いことにも説明が付きます。

一見必要なさそうなあれらの情報はすべて意図的につけられた、精緻化を促すためのふせんなのです。
ここで例としてauの三太郎シリーズをみてみることにしましょう。

三太郎シリーズは桃太郎、金太郎、浦島太郎に扮した旬の俳優三人が登場し、独特の掛け合いを通して新作のたびにauの様々なサービスの情報を届ける構成になっており、ときおり現れる新キャラもアクセントとなって各キャラの個性や会話のテンポがウケて人気を博しています。

考えてみれば、この携帯CMの人気はauに対してではなく三太郎に対しての好感度に裏打ちされていませんか?
実際、auの公式サイトにも三太郎専用ページというものが用意されるくらいの人気キャラクターとなってしまいました。
動画ばかりが独り歩きして肝心の会社にスポットが当たっていない状況、と見ることもできます。

実際の内容を見てみても、直近の三太郎の構成はauのサービス宣伝を行っているのは最後の4秒だけで残りの40秒近くはドラマに費やされています。

割合にしてなんと9:1。
全体の90%を宣伝に関係ないドラマが占めています。
ただ、映像をドラマ風にする場合はストーリー展開のどこかに自社製品やサービス
理念のメタファーが隠れている場合が多いので、制作側のストーリー構成の妙も評価されなければなりません。

上記の携帯CMでいえば「いろいろ選べる」ピタッとプランの宣伝を行うために
あえて回転寿司というメタファーを用いたストーリー展開にすることで最後の宣伝まで違和感なく運んでいます。
回転寿司こそ「いろいろ選べる」代名詞ですから、メタファーとしては最適です。

この回転寿司に対する各々の反応にキャラが現れており
会話の掛け合いやテンポに評価が集まってはいますが
メタファーが上手くするりと宣伝が行えているのはやはり構成の巧さです。

さらにこの動画、印象強いのはラストの桃が流れてくるシーン。
続きが気になるよう、なんとヒキまで作って構成されています、まさにドラマ的手法と言えるでしょう。

しかし、やはりこれでは「auのCMは面白いし好きだけど特段auに興味があるわけではない」という方を大勢作ってしまいます。
ですが、実はそれでも問題ありません。

むしろ冒頭でお伝えしたようにCMは逆境からスタートする宣伝ですから、
とことんエンタメ化してしまうくらいがちょうどよいです。
まずは観てもらわなければ始まらない。

そのためにも欲張らない、というのが最も効果的な制作につながります。
天の邪鬼な性質ですが、ここが制作会社の腕の見せどころ。
企業側も初めから利益につながる広告を打つのではなく、
好感度の上がる広告を打つことの重要性を理解し、急がば回れ、を徹底しましょう。

好感度は将来の利益のタネとなる

まず、携帯CMは消費者にセールスをする場ではないことを意識してください。
そうはいっても高いお金を払ってただ面白いドラマを作るだけでは企業の利益につながらないのではないか、
という不安やご指摘もあるかと思います。

そこはバランスが肝心です。
確かに携帯CM時間の100%をただ旬の役者が演じるドラマで終わらせてしまうのでは無意味なのですが、
上記のように宣伝したい内容に関連したメタファーを取り入れたストーリーにすれば面白さを保ったまま宣伝内容を絡ませることは十分可能です。

まずはそのものに好感度を持ってもらうために90%の時間を注ぎ、
残り10%の時間で宣伝することで、最も大切な部分への好感度をまずは確保することができます。

先程の例でもそうでしたが、成功しているauの動画を調べてみると、
全体の時間45秒のうち宣伝に使うのは長くてもラストの5秒。のこりの40秒以上を三太郎のドラマに費やしています

一昔前に覇権を握ったソフトバンクの「白戸家」もやはり同等の時間配分になっていました。

長期的にシリーズ化していくことまで見据えて、ストーリーを主軸においたCM制作を行うのであれば、
一話の時間配分は、90%を宣伝ではなく消費者が喜ぶドラマ制作に割くことで、
残り10%の宣伝を受け容れてもらいやすくなります。

逆説的に、90%を宣伝に使うと映像は
エンタメ性を失い営業のような堅苦しさを覚えることになります。
昨今携帯CMがエンタメ化している背景には、心理学で「ブーメラン効果」と呼ばれる
説得の逆効果を防ぐ意味合いも含まれています。

ブーメランをイメージしてもらえばわかりやすいのですが、
投げたものが戻ってくるように、欲しかった結果とは正反対の結果が返ってくることを総じてブーメラン効果と呼びます。
理由としては、説得を行う存在に対して信用がない場合や、反抗心などが挙げられます。

簡単に説明すると、例えば母親が子供に宿題をするよう促すと、
子供が更にやる気を無くし宿題をしなくなる、態度を硬化させたり反発したりしますよね。
これは反発心によるブーメラン効果の顕著な例です。

とくに心理学においては説得の逆効果、とも呼びます。
CMや営業、政治家の演説などでも同様の反応が生じることが分かっています。

すでに紹介した“心理学 (New Liberal Arts Selection)”のなかでも
触れられていますので詳しくはそちらを確認してみてください。
話を戻して、携帯CMに関していえば、エンタメの皮を被ることで消費者がセールスを受けているとは感じなくなるので
「説得されている」とは受け取られなくなります。

しかし「買ってください」という雰囲気を匂わせた途端に一転して
消費者の気分を逆なですることになります。先程述べたブーメラン効果が生じてしまうわけです。

消費者はお茶の間でテレビ番組を見るためにテレビを観ている状態なのですから、
そこにずかずか入り込んでセールスを行えばブーメラン効果が生じる可能性が非常に高いです。

宣伝を行う各社はエンタメの皮を被るために、大切な宣伝の時間を削って面白い映像を制作し
残りの数秒に宣伝のすべてを賭けて制作を行っているのです。

時間配分の話に戻ると、全体の90%はエンタメ化して消費者へ「与える」時間にします。
それによって何が得られるのかといえば、好感度とブーメラン効果の抑制です。
好感度こそ、CMを打ち出す最大の理由であり、最も大切にすべき点です。

なぜ好感度が最も大切だと言い切れるのか。
それはハロー効果という心理作用によって説明できます。
別名後光効果と呼ばれるそれは、ある存在のいち部分に引っ張られて他の部分もよく見えてしまうことを意味します。

例えば、容姿が良い人を見るとその人の性格や振る舞いまで良いものであると先入観を持ってしまうことがありますが
そうした一種の認知バイアスです。

ハロー効果に限らず、マーケティングや営業でよく見かける心理作用に特化して言及していますので、こちらの本もあわせてご紹介します。
このハロー効果、携帯CMに置き換えれば、「容姿」が「CMに起用した好感度の高い有名人」で、「性格や振る舞い」が「auのサービス」であるといえます。

有名人の好感度に引っ張られてauへの好感度も高まるということです。
そしてなにも好感度はキャストによってのみ決まるわけではありません。

魅力的なキャラ、面白いストーリー、心地よい音楽など、消費者にはたらきかけて好感度を上げる媒体は枚挙に暇がなく
具体的に好感度を生み出すための方法はノウハウとして制作会社に蓄積されています。

これらを適切に組み合わせて、最大効果を生み出すのが、プロの制作会社なのです。
そして、好感度が上がるということはプラスのふせんを貼った記憶が短期記憶へ送られるということ。

まずはふせんが貼ってあるため覚えてもらいやすく、忘れにくく、思い出してもらいやすくなります。
加えて、よい印象のふせんが貼ってありますから、街角で偶然あなたの会社のサービスを見かけたとき
再生される記憶にはプラスのイメージが含まれやすい、という一挙両得な記憶を植え付けることができるわけです。

好感度の重要性についてご理解いただけたところで、更に踏み込んで好感度を始めとしたふせんの作り方(記憶の精緻化)について見ていきましょう。
CM制作だけでなく日々の営業活動や人間関係においても重要となるポイントです。

見ていて面白い! が目印になる

例えば語呂合わせやキャッチーなフレーズで短い歌を歌ったり、独特の空気感で「なんだこれ」と思わせるなど
ふせんを作る方法はいくつも存在します。

もちろん、成功例に学びオマージュしながら作っていくのも良いかもしれませんが
ふせんには、それがふせんとして機能する理由が存在します。
それを知らないまま成功例の真似をしても失敗してしまう可能性が高く、危険です。

あえてひとことでふせんの正体を明かすと、ふせんとは「感情」です。
記憶の記銘時に強い感情を伴う場合、脳は本能的に「感情を伴うレベルの重要度を持つ記憶なら今後生存していくためにも必須なのでは?
記憶しよう!」と記憶に対して有利にはたらきます。

つまり重要な記憶だと判断して長期記憶へ移行させるのですが、これは生存本能に直結しているため無意識で行われます。
そこを逆手に取り、感情を生み出すような制作することで記憶に残るCMが制作できます。

そしてどうせならプラスの感情で記憶してもらいたいので、見終わったときに少なくともマイナスの感情が残らないようにします。
先程述べたハロー効果を利用すれば、好感度の高い俳優、女優を起用するだけで一定の好感度を得ることができます。

しかし観終わったときに「怒り」や「悲しみ」が残るようなストーリー展開となってしまっては、印象には残りますがマイナスプロモーション以外の何者でもありません。
やはりストーリーを組み立てる上で「ただ印象付けられればいい」と考えるのではなく「良い感情を持ってもらう」ことを念頭に置くべきです。
今回PRしたい内容にあわせて「引き起こしたい感情」を絞ることが大切になります。

感情を生み出すにはストーリー仕立て

例えば葬式会社ので社員がゲラゲラ笑っているのでは、真面目さに欠けています。
逆に結婚式場のCMで沈痛な面持ちを浮かべられては、依頼しようとは思わないでしょう。

つまり、PRしたい内容にマッチした感情を逆算し、それを生み出すストーリーを構成することで
効果的に記憶に残しつつ購買行動にも繋げやすくなるのです。

そして、狙った感情を引き起こすように逆算してストーリーを組み立てていくには非常に論理的なプロセスを踏む必要があります。

ある事件をどの位置に配置し、それを受けて何をどう動かせば消費者の感情を思ったように誘導できるのか
ストーリーを組み立てるということですから、並大抵のことではありません。

これはまさに小説家や台本作家が行っているストーリーテリングの手法です。
どれだけ偉大な作家に依頼するにしても、生み出すべき感情のゴールが見えていなくては組み立てようがありません。
設計図をまず用意する必要がある、ということです。

どのような感情を引き起こしたいのかはっきりさせることが先決になるのですが
どんな感情を生み出せば今回のPR内容にマッチするのかわからない、という場合もあるでしょう。
まずはそこから制作側と話し合い方向性を定める必要があります。

企業イメージや広告したいサービスと相乗効果を生む感情をまとわせることができれば、消費者がもつCMの記憶にこちらの思惑通りのニュアンスを永続的にもたせることができます。
その効果はあなたも、どの企業も、喉から手が出るほど欲しいはずです。

ストーリーを仕立てる上で重要なことは

ゴールを逆算する上で最も重要なプロセスは、ターゲッティングを怠らないことです。
一体誰のどんな行動のために制作するのか、ぶれない芯を用意する必要があります。

芯さえ用意できれば、あとはターゲットの行動に相乗効果をもたらす感情を割り出し
その感情が想起されるようにストーリーを仕立て上げれば、効果的なCMを制作できるのですから。
そんなのは当たり前だ、と思われているかもしれません。

「乳幼児向けのおもちゃメーカーが『口に入れても安心なおもちゃ』をPRしようと考えた場合ターゲットは誰か」答えられますか?
答えは乳幼児……では、ありませんよね。
乳幼児のお子さんを持つ消費者です。

メーカーがおもちゃを制作する段階では確かにターゲットは乳幼児なのですが、PRする段階ではターゲットが変わります。
利用者や制作段階でのターゲットがそのまま引き継がれるわけではないのですね。
あくまでも購入する親御さんの視点に立って「安心」「安全」かつ「遊べる」点を売り出すべきです。

もし制作を行うのであれば、あまりふわふわしすぎた雰囲気のものを作るべきではないでしょう。
かっちりした安心感の中で乳幼児の笑顔も盛り込まれているイメージのほうが、商品のウリを阻害せずより効果的なCMに仕上がるのではないでしょうか。

CMを制作するうえで、それぞれのプロセスでミスは許されません。
こうしたターゲッティングの段階でも、相乗効果を生む感情の割り出しには非常に労力が掛かります。
そしてそれらを反映させたストーリー構成を作り出してゆくのは簡単ではありません。
それぞれ専門的な知識や実績がクオリティを大きく左右するプロフェッショナルな分野になるため、制作会社への依頼は慎重に行うべきです。

まとめ、本当に面白いCMとは

ここまでCMを面白くするための要因を心理学的、マーケティング的に捉えて述べてきました。
かなり長くなってしまったので一言ずつでまとめてみます。
・CMは逆境からスタートするのでいかに記憶に残せるかが肝心
・欲張りすぎず9:1の割合で控えめな宣伝を
・記憶を長期記憶へ送ることでようやくスタートライン。そのためにはふせん(目印)を記憶に付けなければならない
・人の記憶には記銘、保持、再生の機能があり、感情を伴う記憶は残りやすく思い出しやすい。つまりふせんとして感情はかなり有効である
・PRしたい内容に沿った感情を生み出すことで相乗効果が期待できる。どのような感情を生み出させるのか分析する必要がある
・感情を想起させるために、CMにストーリーを作る
・短い時間で感情を生み出せるようメタファーなどを盛り込んだ秀逸なストーリーを構成するなど、ヒットするCMを作るには各プロセスにおいて確かな経験や実績、知識が問われる

簡潔にまとめると以上となりますが、
並べてみると分かるようにこれを自社や実績の少ない集団に任せてCM制作に踏み切るのはリスクが高いです。

実績、経験豊富な制作会社に依頼し、PRしたい内容を明確に伝えることで、
できるだけ打率の高いバッターボックスに立つことができます。
CMのエンタメ化やメディアの主流がネットに移行しつつある今、
凡庸なアイディアのCMを流すだけでは宣伝効果が期待できなくなってきています。
今一度、制作会社の重要性を見直し、
適切な判断をすることでさらなる収益アップが見込めるのではないでしょうか。

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