ダビンチリゾルブの最新機能を織り交ぜて、
クリップギリギリの空を回復させる方法を紹介します。
空を回復させるとは
青い空でも露出の関係で動画では白っぽくなりがちですよね。
カメラのセンサー性能の問題もあると思いますが、白い空はどうしても
古いビデオっぽさがあったり、抜けが悪かったりと印象が良くありません。
そこで、白っぽい空を元通りの青い空に回復させるのが今回の目的です。
ダビンチリゾルブ19に搭載された新機能を活用することで
空の回復が簡単に行えるようになりました。
今回はその方法を紹介します。
クリップしている素材は戻せない、だけど方法はある。
クリップしているとは、光りが強すぎて白飛びした状態のことを言います。
この状態になってしまうとダビンチリゾルブを活用しても空を戻すことはできません。
とはいえ回復術ではないですが、方法はあります。
ですが、それを頼りにすると失敗するので、クリップしない撮影を心がけましょう。
最近のカメラはデータ量が多いものが増えたので、
モニター越しに見ていると白飛びしているように見えても、
実はギリギリで白飛びしておらず色情報が残っている場合もあります。
カメラそれぞれに個性や特性があるので、
持っているカメラでクリップの度合いや、粘りをチェックする必要があるでしょう。
そこで役立つのが、波形モニターです。
クリップの有無を見極める
クリップしている状態が分からない場合は、持っているカメラでテストしてみましょう。
まずは、波形モニターをカメラに表示させ、センサーの光りの捉え方を把握することをおすすめします。
波形モニターはウェーブフォーム
最新のカメラでは、パレード表示(ウェーブフォーム)の波形モニターが見られるようなものも増えてきました。
搭載されているのであれば、ウェーブフォームを表示させるようにしましょう。
ヒストグラムなら知っている人はいるかもしれません。
ヒストグラムは白飛び黒つぶれの有無をチェックするには、
便利かもしれませんが、クリップしているかどうかを判断することはできません。
波形モニターは、ウェーブフォームを使いましょう。
ウェーブフォームは、明るさ(輝度)の度合いを表示するモニターです。
縦は輝度を表示し横軸は画面とリンクしています。
画角の中央に空がある場合は、中央の部分で高い位置に波が表示されているはずです。
ウェーブフォームを表示させることができたら、次ぎは絞りやシャッター、ISOなどを変えて
ウェーブフォームがどのように変化するか見てみましょう。
設定を変えることで
ウェーブフォームの変化を読み取ることができると思います。
クリップ、白飛びしている状態もチェックしてみましょう。
ISOや絞りを変えて、明るくしてください。
波形が上の方で押し潰されて一本になっていくのが分かるでしょうか。
この潰れた状態が一般的には白飛びの状態です。
クリップ具合は、カメラそれぞれにカメラごとに個性がある
ウェーブフォームをチェックして白飛びの感じは掴めたかと思いますが
実際に白飛びしているかは、その素材を読み込んでみないと分かりません。
実は潰れていても色情報(空の青さ)が残っている場合があり、
ダビンチリゾルブで回復させることができる可能性があります。
白飛びしているのか否かは、動画編集ソフトで、空を回復できれば白飛びしていませんし、
動画編集ソフトでも回復させられなければ白飛びしているということになります。
この部分については、各カメラに個性があり、実際に触ってみないとわかりません。
また動画編集ソフトの、能力によって回復できる出来ないとなる部分もあるので、
両方を自分で試しながらやっていくことをオススメします。
ハイライトリカバリー機能等について
※ 今回については、Bit深度やLogによる違い、RAW、ハイライトリカバリーなどの機能などについては触れずに一般的なものとして紹介してますのでご了承ください。
空を回復させる方法
空を回復挿せる方法として、ダビンチリゾルブ19で使用します。
ダビンチリゾルブ19で搭載された新機能を使用するわけではないので、最新バージョンでなくても大丈夫です。
空を回復させるための基本行動は下記のようになっています。
- 1 空の圧縮されてしまった部分を引き延ばし、空の明るさを整える作業です。
今回はダビンチリゾルブのHDRホイールやプライマリーホイールを使用します。 - 2 圧縮された空は引き延ばしても白っぽいままのことが殆どですので、空にだけ色を加えるためにマスキングを行います。
そのための抽出作業が2の工程です。主に3Dキーヤーを使用し、空を抽出します。 - 3 2で抽出した空の部分に色を加えて、空を回復させます。使用するのは、カラーワーパーです。
カラーワーパー使用することで、簡単に整った空を取り戻すことができます。
具体的な回復方法は、動画を確認してください。
さいごに
ダビンチリゾルブ19のカラースライスを使用することで、
空の色味がおかしくなることなく自然に回復させることができました。
慣れてしまえば簡単に回復させることができるので、空を活かすために、
露出を下げ過ぎてしまい何となく暗い感じになってしまったり、
スマホのように全体が明るくならないといったことを防げるのではと思います。
とは言え、カメラと動画編集ソフトの両方の力量を知っていないと出来ない繊細さが求められるテクニックなので
「こんなテクニックがあるから大丈夫」と慢心していると足下を掬われてしまいます。
何度かテストをしてみて、カメラの限界値を見極めながらやってみてください。