何故一眼+AtomosではなくC300mk3を選んだ訳

一眼レフのカメラにリグを組んでAtomosモニターでProressや
RAWを撮影するのがお金も掛からないし(ハイレートの撮影をするならば)手軽です。

これからますます一眼+リグ+Atomos構成はスタンダードになると
感じています。だからこそ気を付けなければならないことがあると思いました。

個人的にはこの外部パーツ盛々の構成に潜む危険を感じて
一つで全てを完結できるタイプのオールインワンタイプのC300mk3を選んだというのが
一番の選択理由です。

少数精鋭の弊害

少ない人数、少ないオペレーションの最大のリスクは
リカバリーバッファーの少なさです。

リカバリーバッファーとは、トラブルの時の回復に使えるリソースのことです。
リソースにはいくつかの要素がありますが、一つは人的リソースです。

アシスタントやスタッフの数です。
人権費として一番高くつきやすく一番削る対象になります。
ですが人員を削ると、1秒辺りのパフォーマン最大量は低下します。

パフォーマンス最大量とは、その現場で出来ることの最大値です。
物を動かしたり、ディレクションしたり調整したり、制作側で行える作業量の総量です。

トラブルが発生すると回復のために物事が動きます。
人員を確保する最大のメリットは、多少のトラブルがあってもマンパワーの総量で
進行を停滞させずにスケジュール通りに進められる力がある点です。

少人数でオペレーションをするとその余剰リソースを極限まで下げるので
トラブルになるとすぐに進行が止まります。

回復のために待ってもらう必要があります。

時間が押すだけで解決するならば問題ないですが
時間の余裕がない場合、何かを失うことになります。

少数精鋭の弱点はリカバリーバッファーが少ないため
ミスができない。降ってくるトラブルに対応する
許容が少ないということになるのです。

トラブルの原因

トラブルにはいくつかありますが、
制作側の起点でトラブル発生してしまうトラブルが
機材トラブルです。

機材トラブルの起点は4つあります。
重要なのは本体以外の3です。

・本体
・ボタン
・接点
・設定

本体

本体のエラートラブルです。
OSや周辺機器とのかみ合わせなどになるもの
発熱によるオーバーヒートなどのトラブルです。

※ 海外メーカーのOSはもっさりしています。ボタンを連打したりすると
フリーズしたりするのでOSの完成度は日本製のメーカーよりも低い感覚です。
SonyやCanonなどのOSの感覚で触ってしまうと壊す可能性があります。

ケアは必要ですが機材側の問題もあるので
癖を理解して使うしかありません。

そのため重要なものからは外しています。

ボタン

押されていなかった。押し間違い、間違って押してしまった、
何かの接触で押されていた。

など、何らかの理由で間違ったボタンが押されてしまった事で
変な設定が付加されたり逆レクなどのミスです。

可能ならばロック機能を使用し設定の変更ができないようにボタンの無効化を図るのと
こ一人一人が注意を払い常にカメラの状態に気を使い続ける事でしか
対処できないと思います。

接点

バッテリー、ケーブル、マウントなど撮影機器を構成するパーツを繋いでいる部分です。
問題の半分はこの接点で何らかのエラーやトラブルが起こっているはずです。
そして人的ミスも接点が多いことで起こると判断しています。

バッテリー

一つはバッテリーの多重利用です。
外部にパーツが増えるとそれぞれにバッテリーが必要になります。

しかもそれぞれで使える時間も変わりますし
長時間の撮影の場合は両方の感覚を知っておかねばなりません。

外付けのパーツは雨にも弱いですし
外れ落ちるなんてこともあります。

もちろんケアはしていると思いますが
交換が激しいものなどは
脱落防止策も交換効率を優先してしない時もあります。

充電サイクルも考えないといけません。
一眼レフもハイレートの撮影はマシンパワーを消費するので
バッテリーの消費は普段使いよりも早くなります。

筐体も熱くなりやすく、暑い日や注意が必要ですし
極端に寒い日もバッテリーが小さいので消耗が激しく
交換サイクルは普段よりも速くなります。

Atomosは発熱するので繊細なケアが必要です。

予備バッテリーなど持ち込み資材は多くなりやすく
機動性が削がれてしまう側面も考えておかねばなりません。

ケーブル

ケーブルはロックが掛かるもだといいですが、HDMIなどのロックがないものなどは
挿しているけど、繋がっていないなど意外と気付かないミスなどやりがちです。

3.5mmのオーディオジャックなども半分しかささっておらず
モノラルになっていたり、聞こえないなんて原因もあったりします。

ケーブルも仕様にあっているものかなどチョイスミスも増えてくるので
トラブルになったときのトラブルシューティングに時間が掛かります。

これが全て自分一人ならいいのですが
人が増えるとこのようなセットアップミスが増えてきます。
まずその機材構成になれている人が少ないです。

知っている人はできる人です。
できる人で全てを構成できるのは希です。

触ったこのない機材はミスしやすくなります。
同系列のメーカー機種を触り慣れていても、配置が違ったり
セットアップの時間のない現場だとミスったりします。

出力設定

一眼レフタイプにあるのが、出力設定によるミスです。
ケーブル本来のものではありませんが
機材同士とケーブルの関係に影響しているものもあるのでケーブルに入れました。

一眼レフタイプには出力に制限をかけているものがあります。
設定を解除したり、調整したり、知らないとミスってる事があります。

この辺りも任せられる人間を選ぶと思うのでトラブルの際に
どんどん動けなくなっていきます。

ケーブルが増えるとミス率が上がる。

誰かにセットアップを任せられる領域が少なくなっていくなど
考えておく必要があります。

設定

設定はセッティングのミスです。
設定していたつもり、不要な設定が追加されていた。
勘違いで誰かが間違った設定を加えたなどの人的トラブルです。

一人でやっていても、複数で動いていても
設定のトラブルは確実に起こるので常に注意しなければなりません。

ケーブルが増え、カメラ以外に繋ぐものが増えると
確実に設定の手数が増えてきます。

設定の手数が増えるというのは人為的なミスを誘発しやすくなることを
忘れてはいけません。

一眼+Atomosの弱点

結論、ミスやトラブルリスクが飛躍的に向上するという弱点です。
現場入りからセットアップまでの時間が結構かかります。

Atomosのようなものを付ける環境ですから、リグも組んでいるはずです。
リグからRoninのようなスタビライザへの切替も考えて独自の構成があったりすると思います。

ケーブルの捌き方、レンズ交換を考えたセットアップなど
意外とゴチャゴチャするので、仮に周りに人がいても手伝いづらいのがこの辺りです。

なのでそれらのリスクが怖いという人にはC300mk3やFX-9、FX-6といった
オールインワンタイプのカメラは選択肢として検討枠に入れるのはありだと思います。

オールインワンタイプのメリット・デメリット

オールインワンタイプのメリットはトラブルシューティング時の
リカバリーまでの時間の短さです。

構成機材が少ないのでチェック項目が少なくて済みます。
原因も探求しやすく、待たせる時間が少ないのが大きなメリットです。

設定についてもカメラ内で完結できるので
出力の調整時間が不要になり違う部分に時間と意識を集中できます。

少数精鋭の場合は可能な限り、一人一人の手数を減らすのは
ミスの減少、効率化に繋がると考えています。

リカバリーバッファーは変わらないが時間は短縮できる

少数精鋭の場合リカバリーバッファーは変わらず少ないままです。
トラブルの時に右往左往しないように回復の手順を少なくしておくのが大切ですし
制作側の精神状態も追い込まれずに済むと思います。

待たせる時のストレスは大きいです。
次ぎの調整もしづらくなります。

デメリット

高額です。投資額に見合うのか非常に悩むと思います。
更にアクセサリーも高いです。涙が出そうになります。

壊れた時の修理に時間が掛かります。
代替機のレンタルも高いです。

後から後から、優秀な機材が発表されると損した気分になります。
機材代回収出来るか不安になります。

基本的には機材云々よりもメンタル面でのデメリットです。

とはいえ、Atomosも安くありません。
付属のアクセサリーも高いです。
リグなどを考えると後戻りできない金額になると感じるはずです。

どちらが良いかはそれぞれの判断になると思いますが
次ぎの時代のスタンダードの選択肢に高額だからと
最初から外すのは勿体ないと思いました。

関連記事

  1. H.266/VVCの発表

  2. 動画クリエイターのためのスピーカー選び

  3. Kinfinity Terra4K中華版REDの力を試す。

  4. カメラバック【バックパックタイプ】の選び方

  5. Rode videomic go2のレビュー

  6. Izotope RX9が気になる

  7. iMac 2020がもうiMac proなのでは? というレベル

  8. Sonyの新開発AI機能搭載イメージセンサーが凄そう

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP