H.266/VVCの発表

H.265が浸透し始めてきた頃ですが、その先をいくH.266が発表されました。
H.266から見る次の映像時代を想像したいと思います。

H266とは

国際的なビデオコーデック規格の一つです。
H.264の2段階進化版です。H264の後継にH265があります。
近年ようやくH265規格での動画が増えてきた印象を感じでした。

H.264は世界の90%以上で使われているらしく
日本でも業界スタンダードなコーデックになっています。

基本的には最終の書き出しの時に設定して書き出す形が多く
動画編集に慣れ始めると一目はする形式ではないでしょうか。

H266は8Kやプロ向け360度映像に応するために
展開していくコーデックのように感じます。

H266の特徴として動画圧縮率を現行H.265と比べて
約2倍の圧縮を可能にしながら質感をそのまま担保できるそうです。
既存のデータ量を半分に抑える事が可能になるそうです。

H.266の情報

フラウンホーファー通信研究所(ハインリッヒヘルツ研究所(HHI))によって発明されました。
コーデックのフルネームはH.266 / Versatile Video Codingです。
フラウンホーファーHHIは、業界標準のH.264 / Advanced Video Coding(AVC)およびH.265 / High Efficiency Video Coding(HEVC)の後継となるように設計されているとしています。
グローバルなデジタルビデオ伝送と圧縮の市場を支配するフォーマット。
VVCは、標準化されるまで約3年間開発されました。
H.266の使命は、ビデオファイルのサイズを50%削減することです。
これにより、高解像度のフッテージをより小さなファイルサイズで保存し
高度な圧縮アルゴリズムにより短時間で送信することができます。

中略

「H.266 / VVCは、SDからHDから最大4Kおよび8Kまでのすべてのビデオ解像度の効率的な伝送とストレージを提供すると同時に、ハイダイナミックレンジビデオと全方位360°ビデオをサポートします。
H.266 / VVCは超高解像度のビデオコンテンツを念頭に置いて開発されたため、新しい標準は、フラットスクリーンテレビで4Kまたは8Kビデオをストリーミングするときに特に有益です。
さらに、H.266 / VVCは、高解像度の360°ビデオパノラマから画面共有コンテンツまで、あらゆるタイプの動画に最適です。

中略

VVCは、4Kから16Kの解像度と360°ビデオをサポートし
コンポーネントごとに10〜16ビットのYCbCr 4:4:4、4:2:2、および4:2:0をサポートする必要があります。

Y.M.CINEMA MAGAZINEより

H.264/AVC および H.265/HEVC の直接後継となる動画像コーデック国際標準規格。
Versatile Video Coding (VVC) (MPEG-I Part 3)は
Joint Video Experts Team (JVET)によって2020年中頃の完成を目指して
開発されている未来の動画圧縮標準規格である。

JVETはISO/IEC JTC 1のMPEGワーキンググループとITU-TのVCEG(英語版)
ワーキンググループを統合したビデオ専門家チームである。

時々、VVCはFVC (Future Video Coding)やITU-T H.266とも呼ばれてきた。
High Efficiency Video Coding(HEVC、ITU-T H.265あるいはMPEG-H Part 2としても知られている)の
後継になる予定である。

以前のH.26xとMPEG動画圧縮規格のように
VVCのデータ圧縮アルゴリズムは離散コサイン変換(DCT)による符号化に基づいている。

以前の規格で使われたタイプII DCT (DCT-II)に加えて
VVCはタイプVIII DCT (DCT-VIII)も使用する。

wikipediaより

HDR(10bit)プロファイルをサポート。
今のところSDR(8bit)専用プロファイルは未定義。
YCbCr4:4:4サブサンプリングをサポートする。
YCbCr空間/SNRスケーラビリティをサポートする。
ビットストリーム途中での解像度変更をサポートする。(RPSを初導入。VP8/9, AV1ではサポート済み)
YCbCrスクリーンコンテンツ向け符号化ツールをサポートする。(以前はH.265/SCC拡張)
空間領域のうち部分デコード処理をサポートする。(Subpictureサポート)
Interlace信号向け符号化ツールを提供しない(フラグ情報のみ2)
細かい符号化ツール:処理単位(CTU; Coding Tree Unit)を最大 128×128 に拡大。(H.265/HEVCは最大CTU=64×64、AV1のSuperblock=128×128)
CIIP; Combined inter and intra predictionサポート。(AV1にもIntra-Inter compound)
CCLM; Cross-Component Linear Model Predictionサポート。(AV1にもCfL; Chroma from Luma)
MTS; Multiple Transform Selectionサポート。(AV1ではDCT/ADST/WHT)
ALF; Adaptive Loop Filterサポート。(H.265/HEVCでは落ちた符号化ツール復活)
WPP(wavefront parallel processing)遅延を1CTUに短縮。(H.265/HEVCは2CTU遅延)
360°パノラマサポート:Horizontal wrap around motion compensation、Virtual BoundaryによるIn-loopフィルタ境界

https://qiita.com/yohhoy/items/08ea9795bbc71ce7b109
より引用

コーデックとは

一般的に動画と言えば、MP4やMOVかもしれません。
実はMP4やMOVは動画の圧縮規格ではありません。
正式にはコンテナと呼ばれるもので

ざっくりいうと高島屋や伊勢丹などの買い物袋のようなものです。
動画素材が商品とするならば、商品の箱がコーデックです。

コーデックには様々な種類があります。
デパートで言えば、商品をどのような箱にするか、みたいな感じです。
例えば、プレゼント用に豪華にペーパークッションを使って
パッキングもできるしシール貼りような簡素なチョイスも出来ますよ。
と言った感じでしょうか。

この部分が圧縮レートや、ビット深度など動画の鮮度をどうするか
という部分にもなってきます。

そしてそれを最終的に包んでいるのが買い物袋という事になります。
手に提げているのが高島屋か伊勢丹、商品の中身は同じという事もぜんぜんあります。

コーデックはアルゴリズム

結論コーデックとは動画データをパッキングするための圧縮アルゴリズムです。
何故アルゴリズムなのかというと、下記の問題を解決したいためです。

映像の課題
・データは軽い方がいい
・動画は綺麗な方がいい

シンプルにこれだけです。しかしこの二つの希望は相反する関係にあります。
というのも、動画のデータ軽くすると画質が落ちます。

当たり前の事ですがデータを軽くするために何かを間引いています。
ですのでコーデックは間引き方の技と言っても過言ではありません。

うまく動画のデータを上手に間引くと、人間の目だとあんまり分からないね
を常に目指しています。その最新の方法論の発表がH266になるのです。

なぜ規格化が必要なのか

遠くの人に届ける、多くの人に届けるために
ルールを設けて発信しすくしています。

間引きの方法は、ラーメン屋の秘伝の方法と同じようなもので
カメラメーカーや動画の機材メーカーがそれぞれ様々な方法で
オリジナルのコーデックを持っています。

メーカーがそれぞれの技で
データを軽く良い物を提供しています。

しかし、オリジナルの技が多すぎて
発信するプラットフォームが側が対応できないため
発信プラットフォームにあったルールを設けました。
その規格の一つにH264系があるのです。

H266/VCCから見えてくるもの

高画角化を後押ししたい業界の推進力を感じます。
この辺りは放送系の映像クオリティーの底上げ
していきたい勢力があるのでしょう。

もう一つは高画質のデジタルライブラリーのクオリティー向上していきたい
という意向があるのではないかと感じています。

日々の中に埋もれてしまう歴史を残していくのは重要です。

今は何気ない事象かもしれませんが、振り返りをするときに物的証拠や
歴史的根拠として残したい。放送系の映像素材は
情報提供料としての収益価値を高めていきたいのではとも感じました。

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