Sony α7SIII VS Canon EOS R5の決着

ミラーレスの始祖たるSonyの勝利に終わったように感じます。
主な勝因は、動画の撮影時間の制約のなさです。

あくまで個人的な見解です。
それぞれの使い方やレンズ構成、アクセサリーで変わってくるので
他の方のレビューも参考にしてください。

そして私はこのカメラのどちらも現在所持していませんので
具体的なチェックを行っていない、カタログスペックと
レビュー記事を参考にしているため、80%エンターテイメントで出来ています。

視点の前提

動画で仕事をする視点で話しをしたいと思います。
Vlogや旅行、友達との思い出を動画に残したい場合には
全く違う見解になると思います。

例えば、仲間や家族でハイキングに出掛け、そこで見た景色を動画で残したい。
そんな時はR5の8Kで数十秒撮影した方が綺麗に映るでしょうし
写真性能はR5の方が高そうですし
手ブレも少なく編集する必要もないかもしれません。

最高の一瞬を切り取るならばCanonのR5が良いかもしれません。

動画で仕事をする前提で考えるとやや視点が変わってきます。
実務に耐える仕様が大事です。
主に仕事ではクライアントが主役です。
撮影スケジュールや当日の進行も重要なファクターです。

その中で感じるのは、カメラが主役ではないという事です。
カメラはマシンです。

目的のためにミスなく確実に機能し続けるている事を求められています。

・その環境や状況に耐えうるのか
・利便性などの取り回し
・追加アクセサリの有無

バジェットの規模感とオペレーション人数の制約などによる
レンジの広さが大事だと思っています。

撮影時間の制約と発熱によるトラブルリスクの視点から考えると
圧倒的にα7SIIIの方が魅力的に感じます。

実用性を考えたソニーのアドバンテージは大きい

Cinema5Dさんレビュー記事を参考にしています。

今回のα7SIIIは排熱効率をかなり研究されたらしく
4K30Pは実働でも問題無く無制限収録できるようです。

両者の製品の特徴として、次の時代を捉えて
10bitとプラスしてRAW撮影のパフォーマンスがありますが
撮影時間制限のある収録は、圧迫するスケジュールの場合不安材料を増やします。

特に発熱による収録制限は、炎天下でトラブルリスクを高めるため
撮影スケジュールの組み方も考慮する必要が出てくるでしょう。

予備の対策を厚くする必要があるため、荷物は必然的に増えます。
更にリグの組みを検討する場合には組み替えによるタイムロスが出るため
撮影時間がタイトな場合には、リスクが増えるのが実態なのです。

撮影時間の制約はトラブルリスクの元

結論、時間制約や実務で使いづらく選択枝として致命的なデメリットになり得る。

デメリット
・タイトなスケジュールに耐えにくい
・予備にコストとリソースを割かざるを得ない
・トラブル時のリカバリーリスクが高い
・Bカメ、Cカメとして使う場合にも撮影の制約が生まれる

デメリットとしてあげる理由

コロナの影響を今後考えていかなければならないからです。
三密を避けるためにスタッフは最小限を求められるようになりました。
そして経済の停滞と後退は、制作予算の圧迫に確実に繋がります。

コロナ前であれば、時間制約のあるカメラとスタッフ費のバランスで
帳尻を合わせてこれたと思いますが、今までよりもよりシビアになるでしょう。

スタッフ数を減らし、Cカメ固定引き置きなど対策に繋がってくると思います。
そして制作予算の削減が更に圧迫し撮影時間がよりタイトな計画になると予想しています。
すると機材トラブルのリカバリーも最小限のコストで立ち回らなければならなくなっていく。

そんな未来に耐える動画用のカメラとして成立するかが
判断基準になっていくのではないでしょうか。

FHD撮影でいいんじゃないか論

R5のFHD(1080P)ならば時間の撮影時間の制約を受けないというのがありますが
FHD収録での時間制約はやや虚しさを覚える感覚が芽生え始めているのが2020年です。

これは社会的認知から考えるのが良いと思います。
FHDが悪いのではなく、FHDの社会的価値感に影響していると思います。
※ スマホで視聴するならばFHDで十分だと思います。

理由として
・4KがiPhoneなどのスマホでも当たり前になった
・4Kが可能なのにFHD画質選択する理由が求められるようになった

FHDの社会的認知によるレガシー化

4Kのダウンコンバートによる画質のシルキーさがスタンダードに。
機能や性能はFHDで十分耐える媒体は多く残っていると感じますが
4Kのダウンコンバートによる高画質化に目が慣れてしまうと
基準がそこになっていくと感じました。

人間の目は優秀です。スマホでは分からなくても
PCならば違いにどことなく気付いてしまうでしょう。

今後そのような感覚がよりスタンダードになっていくと予想しています。
社会的に4Kダウンコンバートがスタンダードなると
FHD収録は居場所をおいやられていくのではないかと感じています。

すると選択枝の基準が4Kとなり
FHDの選択はハイフレーム撮影のような条件付きの妥協案のような
見られ方になっていくのではないでしょうか。

すると機能や性能としては問題なくても
社会的価値感としてFHDは窓際に追いやられていく。

いつの間にかレガシーや陳腐化したと
言われてしまうのではないかと思いました。

2020年以降の社会的価値感は
「FHDの選択は苦肉の策」という風潮に
シフトしてくのではないかと予感しています。

H265収録の到来と不安

H265の美しさと圧縮比は素晴らしいと思います。
Canon R5、Sony α7SⅢどちらもH265の圧縮アルゴリズムが採用されています。

動画の編集で書き出しをしてみて思うのは
H265の圧縮アルゴリズムが複雑でパワーを要求されているという感触からくる不安です。

この処理をカメラ内で行うのですから
ボディーの発熱、プロセッサの熱だれ問題など
正直気になる所ではあります。

特に猛暑下で熱が下がらないような悪環境でカタログスペック通りに動くのか。
H265投入機は少なくメーカーも実際の感触は未知数の部分が含まれているとと予想しています。

冒険無しに新しい未来は見えてこないのでメーカーの開発視点では
素晴らしいアプローチだと思いますし、どんどん挑戦してほしいと思う気持ちです。

ですが実働、実務という点では懸念事項として
一考しておくのが良いのではと思いました。

ダイナミックレンジはソニーの本当に勝利なのか?

α7SIIIは15Stop+ でR5は12Stopです。

気になるのはダイナミックレンジとラチュードテストの結果でしょう。
素材の持ち上げで何処までノイズレスで耐えるのかは
10bit-Log撮影では鬼門のように感じています。

たとえダイナミックレンジが良くても直ぐに
ノイズが乗ってしまうのであれば要注意かもしれません。

逆にダイナミックレンジが低くてもラチュードテストの結果が良好であるのならば
動画素材としての価値は高い
と考えられます。

ほぼ両者の動画性能で考えれるワークフローは
10bit Logデータのカラーグレーディグだと思います。

この場合影響を一番受けるだろう要素は、素材のノイズ耐性です。
色付けと共に輝度調整はほぼ必ず行うでしょう。
その時のノイズ耐性が素材の力量、カメラのスペックが試されると思います。

ハイライトとシャドーがどこまで余裕があるかですが
α7SIIIは低照度耐性の強さを売りにしています。

この強さはダイナミックレンジにも影響を与えていると思いますが
ややC300mk3のようなシャドーの持ち上げによるタイプ
ダイナミックレンジ確保のようにも感じました。

この場合気になるのが、シャドー部分が持ち上がった素材のノイズ耐性です。
シャドーの持ち上がった部分を調整した時にすぐにノイズが乗るようならば
素材としてはやや扱いづらいかもしれません。

理由としてやや不自然な輝度のラインを描くからです。
違和感なく調整するにはダビンチリゾルブなどで補正していく
必要が出てくるカットもあるでしょう。

シャドー持ち上げ型のダイナミックレンジ15Stop+ならば注意が必要かもしれません。
理由は、H265の圧縮比による10bitデータによる調整バッファーの不足です。

この部分は素材のラチュードテストの結果をCinema5Dさんに出してもらい
慎重に判断すべきでしょう。

ですが最終的には、実際の素材を触ってみて、特性を掴むのが一番です。
こればかりは触ってみないと分からないというのが結論になると思います。

R5の値崩れ警報

YouTubeのプロカメラマンのコメントなどでは
手にしたR5を手放すような空気が出てきています。

権威性と大衆心理の動きによる高速掌返しが起こるのではないか。
あまりにも発売日が近いと、R5の売りが頻発するのではないか。

あるところではR5の納期が延びている情報があります。
納期が延びているということは予約で埋まり商品が届いていない状態です。

購入キャンセルも予想されますし
YouTuberのコメントを受け、価格が落ちないうちに売却する層が出てくるのではと予想しています。

ソニーの発表によりキャノンからソニーへの乗り換えが大量発生すれば
R5は一気に値崩れを起こすのではないかと危惧しています。

もちろんレンズマウントの違い、アクセサリー
周辺機器の買い直しを考えるとどこまで動くかは未知数ですが
プロカメラマンのYouTubeコメントなどの影響力を考えると
予想以上に売りに動くのではないかと想定しています。

勝敗の果てに手にすべきカメラとは

個人的な見解としては、すぐに手にしたいと思うならばR5を選択するでしょう。
1年後に購入を検討するならばα7SIIIです。
散々ソニーの勝利を書いてきましたが
R5を押す理由は本当に個人的な回答です。

メインカメラとの関係性や持っている機材との関係性と
シェア出来る機材のバランス、その他諸々の部分あっての回答です。

Aカメ選択ならばα7SIIIの方が良いと思います。

もう一つの理由は値崩れするならば安くなった
R5が欲しいと思っているからです。
触ってみたいですし。

カメラは高い買い物です。
安くありません。
仕事ならば設備投資です。

色々と意見があると思いますが
安く良い物をという視点は持っておくべきだと思います。

そういったややダーティーな部分の思考も含めて
市場動向と買うべきものの選択は考えておくのが大事なのではと思っています。

周囲の意見や評価はあくまで情報の一つとして捉えるのが良いと思います。
そして自分の持っているリソースと仕事感そして、満足を計算して
新機材選びをしていきたいですね。

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