DaVinciresolveのノイズリダクションが凄い件

これからはワンオペ動画クリエイターでも
ノイズリダクションを使えると便利なので紹介したいと思います。

ダビンチリゾルブのノイズリダクションに
ついては後半になるので、前半は読み飛ばしてもOKです。

得する人
・動画クリエイター
・クリエイター
・動画編集者

得する内容
・ノイズが乗る理由が分かる
・ノイズリダクションの種類が分かる
・ノイズリダクションの方法が分かる

ノイズリダクションとは

映像や音声に関わる邪魔となる成分を分解し、除去する機能を
ノイズリダクションと言います。

今回は映像のノイズリダクションではなく
音声機能のノイズリダクションのお話しです。

動画の撮影では音声を綺麗に収録するのは簡単ではありません。

本来であれば音声担当の専門職がカメラマンとは別で動き
必要な音声を収録するというような行動をとっています。

そのためカメラだけで撮影、収録をしていると
音声は沢山のノイズが乗っている場合が多くなります。

ダビンチリゾルブのデメリット

カメラのマイクだとノイズが乗る理由

カメラ付属のマイクだとノイズが乗る理由は複数あります。
それぞれ理由を紹介したいと思います。

カメラのマイクアンプが弱い、ノイズ対策がされていない

カメラに付属しているマイク用のアンプがあります。
そのアンプの品質が低いとノイズが乗りやすくなります。

このタイプで発生するノイズは常に鳴っているタイプのノイズです。
静かな所でずーっと同じ音が鳴り続けてしまうパターンのタイプです。

マイクというものは構造的にとても小さな振動を電気に変え
増幅することで音に変えています。
その増幅機関がアンプになりますが性能の低いアンプを使用すると増幅時に
電気のノイズを拾ってしまい音に影響を及ぼしてしまうとった原因です。

この場合、対策方法はカメラではない
収録用のレコーダーを別途使うなどの方法しかありません。

マイクが遠い

音を発している人から離れればノイズは乗りやすくなります。
カメラの最適な位置はマイクにとっては最適な位置ではありません。
基本的には遠くの位置にあり、理想の距離ではありません。

そのため、遠くにある分だけ別の音を拾ってしまいその部分がノイズとなります。

ノイズが多く入っていると
言葉が聞き取りづらく
メッセージを届けづらくなります。

周囲がうるさい

欲しい音よりも周囲の音の方が大きければそれはノイズとなります。
環境や状況が問題となるケースです。

マイクは大きな音を優先的に捉えるように出来ています。
そのため大きな音が周りにあればその音を拾います。

それらがノイズとなるパターンです。

これらの音を収録後に調整する機能がノイズリダクションとなります。
このノイズリダクションという機能は非常に複雑な処理を求められます。

理由は簡単です。
ノイズが条件によって変わるからです。
そのため、ノイズ処理をするためには音を機械が理解し
分析する力が必要になります。

これら乗ってしまったノイズを除去する方法として存在しているのが
ノイズリダクション機能です。

それではどのようにノイズを取っていくのか
そのパターンについて紹介します。

ノイズリダクションのパターン

ノイズリダクションは実は古くから行われています。
しかし2021年で見るようなノイズリダクションの方法ではありませんでした。

一般的にノイズは高域と低域、そして音声の合間に存在しているものが多く
それらを除去していく方法として進化を続けてきました。

※ 当時は撮影、収録はプロダクション的な動きで行われていたため
スタッフなど環境がある程度構築出来ている状況であったことも関係したと思います。

ボリューム調整によるノイズ除去

会話やセリフなどの合間に入り混んでしまったノイズは
ボリュームを調整することでノイズを除去していました。

最も一般的な方法で、動画クリエイターでイメージしやすく
すぐに実践できる方法です。

メリットは確実にノイズとなる部分を無くす事が出来る点と
音声を傷付けないため、自然な音が残る点です。

しかし、会話中の後ろで鳴っている音や、
ボリュームを調整した場合、不自然な音の高低差が生まれやすくなるなど
使えない部分も存在する方法です。

イコライザーによるノイズ除去

イコライザー(EQ)を活用してノイズを除去する方法です。
イコライザーとは音の周波数を基準にゲインのアップダウンを調整できる機能です。

これにより会話中のノイズでも除去することができます。
しかし一般的に音を分離する機能ではないので、声に近い帯域の音は削れません。

低域や高域の冷蔵庫などの電気ノイズなどを削り
聞こえづらくするために使います。

メリットは使いやすさと、基本的にはどこにでも使えるという点
デメリットは全てを消すわけではないのと、音の変質は起こります。

細かくやろうとすると技術も必要になり耳も鍛えられていないとダメな傾向があります。

ゲート・コンプレッサーによるノイズ除去

音の量による切り分けで不必要な音を切り捨てる方法です。
収録しているメインの音よりも小さい音を切り捨てるようにできるのがゲートです。

声などの特定の大きさや動きをコントロールして
ノイズになる部分を聞こえづらくするのが
コンプレッサーです。

※ コンプレッサーの主な使い方ではないですが、活用方法の一つとして存在しています。

メリットはイコライザーよりも効果を得やすい
デメリットは使い方が難しい点と、音の変質が大きく技術が必要

ノイズリダクション・プラグイン/ソフトウェア

上記の機能とは別に更に細かな設定でノイズとなる部分を直接処理できるのが
ノイズリダクションソフトになります。

最も有名で最高峰と呼ばれているものがizotope社のRXシリーズになります。

iZotope RX8が発売されました。

ノイズリダクションソフトと呼ばれているものの半数は
ここで示したノイズリダクションソフトウェアではなく
イコライザーやゲートなどの発展型になります。

ダビンチリゾルブのノイズリダクションプラグインは
ノイズリダクションソフトの一つ手前くらいの位置と言えます。

コンプレッサー、ゲート、イコライザーとAI学習による
音の識別、調整を行える点で非常に優秀と言えます。

ノイズリダクションを使う前提

どんなにノイズリダクションの性能があがり無料で使えるからと
ノイズリダクションを使う前提でいたり、過信するのはやめましょう。
するとあとで苦しい思いをするのは自分です。

ノイズリダクションで音は良くなりません。
音が悪くなるけれど、不必要な音をなくして

全体のパフォーマンスとしては良くなっているという結果を
どうにか手助けしてくれるお守りのような存在です。

それでもノイズリダクションを使う必要があるという場合には
ダビンチリゾルブのノイズリダクションは
他のノイズリダクションプラグインよりも
効果を発揮してくれるはずです。

ポイント
・ノイズリダクションを当てにしない
・収録時を大切にする
・それでも困った時にノイズリダクションを活用する

動画クリエイターのための音を良くする機材選び

ノイズリダクションは万能ではない

ノイズリダクションは音を削り、音質は下がります。
過度に処理をすれば、元の質感からはどんどんかけ離れていきます。
ですので万能ではありません。

そのためノイズリダクションの効果も音のデータレベルによっても
効果が変わってきます。

元のデータ量が10のものと100のものとでは100のものを削る方が
音質の劣化を少なくなります。

理由はノイズリダクションが基本的には引き算で、データ量の違いにより
ノイズを分離できる最少のレベルが変わってくるからです。

データ量が少なければ大まかにしか分離できないため
他の音のデータ部分にも被ってしまい、その音を削る事で
全体の音質がどんどんと下がっていく構造です。

ノイズリダクションの効果を活かすためにも
オーディオの収録データレベルは高い設定にしておくのが良いでしょう。

他には高性能なマイクとレコーダー
変えていくことです。

記事の趣旨と異なりますがノイズリダクションに頼らず
ノイズとなる原因を減らすことが基本的には大切になります。

【国内正規品】RODE ロード VideoMicro 超小型コンデンサーマイク VIDEOMICRO

RODE Microphones ロードマイクロフォンズ VideoMic NTG オンカメラショットガンマイク VMNTG

カメラマイクの音声は質が低い

カメラのマイク機能はおまけだと思って下さい。

理由は様々ありますが一つは指向性の問題があります。
指向性とは音を拾う、範囲や空間を示したものです。

マイクの指向性とは

カメラに付属しているマイクの指向性は360度方向に広がっているタイプのものが
基本的に採用されています。
そのため、音はカメラに触れる時のタッチノイズや
カメラマンの布ずれなどの音を優先的に拾う傾向があります。

その他、カメラの撮影に電力を使っていたり
マイクのアンプ部分に周囲の電気ノイズから守る対策が施されていない場合が多く
ノイズを含んだ音になりやすいため、性能が低いとなります。

その他アンプの性能もそれなりの物が搭載されているため
音量の高低差に対応するヘッドルームと呼ばれる余裕がない場合が多く
音割れになり質が低いという原因を作りやすくなります

集音が必要な場合には
可能な限り収音用の専用レコーダーを準備し
外部マイクによるオンケーブルでの集音を目指しましょう。

それが予算や人員による問題がある場合には
専用レコーダーを外し外部マイクによる収録を目指しましょう。

【国内正規品】RODE ロード Wireless GO white ワイヤレスシステム WIGOW

ノイズリダクションは4Kをクロップするのと同じ考え

ノイズリダクションは元の音を削るのを自動計算したアルゴリズムです。
元の素材以上のものにはなりません。

ビットレートや低い周波数帯での収録
レベルの低いマイクやレコーダーでは

元素材のレベルが低いため
ノイズリダクションをしても
音割れや音抜けが発生し
自然な音になりません。

動画のイメージで言えば
4K収録した映像をクロップしFHDにするようなものです。

FHDで撮影した映像をクロップすれば
映像がブロックノイズの粗が目立ちますよね。
音も同様の粗が目立つため
ノイズリダクションを期待しすぎてはいけません。

動画クリエイターのための効率化術

ダビンチリゾルブのノイズリダクションについて

ダビンチリゾルブのノイズリダクションは音声解析型のゲート、コンプレッサーです。

他の動画編集ソフトで搭載されていないレベルの機能や性能が
無料版でも使えてしまうという点も非常に魅力的です。

ノイズリダクションが求められる要点
・ノイズを解析する能力
・声や音声とそれ以外の音を切り分ける能力
・分離するための方法や手法
・分離後の結果

ダビンチリゾルブのノイズリダクションは
読み聞かせによる音声解析を行い、声とそれ以外を分離する機能が搭載されています。

声と雑音をAI搭載のプログラムが自動解析し分離した結果を自動算出した後
細かい設定をそれぞれ調整できるようになっています。

DAWと同じようになっていて、元の音と処理済みの音をミックスできる
調整ノブがついているため、過度に不自然になりづらいというのも魅力的です。

PremiereProに搭載されているクロマノイズ除去との比較

多分、ノイズリダクションと聞いて真っ先に動画クリエイターが思い浮かべるのが
PremiereProに搭載されているクロマノイズ除去との違いなのではないでしょうか。

プレミアプロのクロマノイズ除去も音声解析機能を搭載しています。

しかし、プレミアプロのクロマノイズ除去は下準備が必要である点と
操作できる内容が少なく、使いやすさという点では上かもしれませんが
音の変質が多くなりやすいデメリットがあります。

グラフィカルで効果を確認できるUIからしても
ダビンチリゾルブの方が優秀と感じます。

ダビンチリゾルブのノイズリダクションが凄いところ

ダビンチリゾルブに搭載されている
fairlightFX noise reductionの凄いところを紹介したいと思います。

・プラグイン化されていて、トラックにもクリップどちらでも使える
・ABテストが出来る
・エフェクトのOnOFFが簡単にできる
・ドライミックスが搭載されている
・解析の設定に「手動・自動」2つ設定があり、自由度が高い
・UIと効果のグラフィックが洗練されていて視覚的に分かり易い
・プラグイン内でレベル調整が出来る

プレミアプロのクロマノイズ除去はもう少し簡易化されていている印象です。

使いづらいと感じる点はクリップごとにしか使えずトラックには使えません。
ドライミックスなどもなく、細かい調整には向きません。

VST、AUなどのオーディオプラグイン化はされていない印象
DAWなどを触ったことのある人だとイライラする仕様に感じるかと思います。

ノイズリダクションのUIが最新

プレミアプロのクロマノイズ除去もグラフィカルですが
正直、ダビンチリゾルブの方がビジュアル的に理解しやすいです。

プレミアプロのクロマノイズ除去はノイズリダクションが機能しているのは分かりますが
効果が見える化しているようなビジュアルではないのが残念です。

リダクションの効果量が見えているだけなので分かりづらいです。
上の反転した音声情報が効果量を示しているのだと思いますが
実際の効果レベルの指標にならないというものでした。

ダビンチリゾルブのノイズリダクションは
音声情報に対してリダクション部分が別の色で効果を示します。

色分けとデザインされたUIのため不必要な情報が少なく
直感的なのが素晴らしいと感じました。

ダビンチリゾルブ12辺りからUIが改良され見やすく
直感的になっています。

Final Cut Proっぽくあり直感的な理解ができるように改良され
項目のアイコン化など最新の17でも
ビジュアルの改良が際立っています。

ノイズリダクションも同様です。
VUメーターなどの旧来のメーター表示をしないのも
素晴らしいと感じました。

効果量が見やすいUIは最新のプラグインのデザインイメージを保ちつつ
操作パネルの配置や操作系統は、旧来のノブ式を採用し
MAをするような人でも理解できるようなハイブリット仕様なのも
良い点だと思います。

izotope社やWaves社のような
次世代のグラフィカルデザインが採用され使い勝手が良くなっています。

AIの進化が生んだノイズリダクションの機能

AIによる分析ノウハウの蓄積が
ノイズリダクションの機能を促進しています。

ノイズリダクションにはノイズを
分析する機能
があります。

ノイズを分析するためには
音が無い状態と音声のある部分の二つを
認識させなければなりません。

Da Vinciresolveのノイズリダクション機能は優秀です。
手動設定の場合、音をノイズリダクション側で学習させ
分析をかけなければ機能しません。

音を読み込ませた範囲で分析し最適解を出す
アルゴリズムになっているため
半手動のノイズリダクションとなっています。

逆に言えばノイズリダクションをかけたい
自動で全ての状況をノーマライズするのではないため
任意で選定出来るというメリットがあると言えます。

ノイズリダクションの機能設定は
コンプレッサーと同じと思って下さい。

・スレッショルド……ノイズ除去を開始する始めの位置を調整。
・レート    ……ノイズ除去するレベルの調整
・ゲイン    ……下がった音を持ち上げる機能

ノイズリダクションのアルゴリズムとは別の機能なので
それは承知していおいて下さい。

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更新 2021/03/07 記事内容の追記、修正、アップデート

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