最近は色々な考え方、マーケティング思考があるなと思います。
今回はCXについて考えてみたいと思います。
CXとは
CXとはカスタマー・エクスペリエンスと呼ばれるもので
価値提供の一つの概念として考えるのが良いでしょう。
CXとは既存の価値よりも高い価値を提供する一つの概念です。
現在は競合の商品と機能や性能、価格など拮抗してしまい
消費者は何を消費していいか分からない状況になっています。
そんな時にどのように独自性を出していけばいいか。
その一つの指標としてCXがあるのです。
今回はCXを生み出すために動画が活用できるのではないか。
では、その動画をCXに活かすにはという視点でアイデアを出しながら
戦略として使う方法を考えたいと思います。
得する人
・商品を販売使用としている人
・商品を販売している人
・経営者
・動画クリエイター
得する内容
・CXの世界観が分かる
・CXの活かすアイデアが見える
・動画を活かしたCXのアイデア
実際のCXとは
CXは日本語では顧客経験価値となっています。
CXは顧客の感情を動かす瞬間や体験の提供をさしています。
今までの価値は
・商品を手にして効率化ができた。
・日々の生活が少し良くなる
・理想のライフスタイルに近づける
など商品と結果が直線的に結びついています。
直線的というのは商品の機能や附加価値を
利用することで得られるメリットのことです。
商品を商品の機能や性能を活かす事で今よりも少し良くなる。
それが商品を購入する主な購入理由でした。
しかし、現在は状況が変化しています。
商品の開発は今まで通りのような大きな機能や
アップデートを数年単位で出来なくなりました。
それはそれぞれの商品がある意味
成熟していると言ってもいいでしょう。
商品が求める一般的な機能は十分満たしているものが多くあります。
機能や付属として附加価値を高めていたり
高級路線などのデザインやデティールこだわり
商品価値の高め方が一般的になっています。
それすらも様々なメーカーから
独自の視点で附加価値を提案することで
消費者はどれを選んでいいかだんだん分からなくなってきている
それが課題にもなっています。
選ぶ側の知識が要求され失敗したくないから
別の信じられる理由を探すようになりました。
すると有名人や友達など信じられる人の間柄という
関係性を信じて商品を購入するようになります。
これは人間性という商品やメーカーとは全く関係のない部分での
価値を信じて購入するのでメーカー側としては
広告戦略として扱う以外に方法はないでしょう。
しかしこれは広告であってサービスの提供ではありません。
サービスの提供は商品の購入者一人一人に向き合って行われるものです。
あなたに贈っているものだから、体験となり心を動かされます。
それが感情体験となりCXという概念になるのです。
CXの感動体験パターン
CXの感動体験パターンにはいくつかあります。
それを紹介し、使えそうなパターンを参考にしてください。
所有欲を満たすサービス
衣料品や時計などのハイブランドがメーカーが行っているものです。
銀座に旗艦店を持ち、広告もあまり出さないブランドやメーカー
そんな旗艦店に入ったことはあるでしょうか。
ブランドは商品単体ではなく空間と時間もデザインすることで
価値があることを演出しています。
例えば白手袋。
店舗スタッフがスーツに白手袋をして商品を取り出したりしていませんか。
これもCXの体験演出の一つです。
大切な商品であり、商品に価値があることを顧客に見せています。
そして商品を取り扱う所作も同様にCXの感動体験となります。
例えば商品の取り扱い方。ネックレスや宝飾品などは
ビジュアルが崩れないようにハイブランドになればなるほど気を付けています。
商品を大切にしているだけでなく
ビジュアルを崩さないためです。
どんなに高価なものでも、グチャグチャに置かれれば綺麗に見えません。
綺麗に見えない瞬間、顧客は疑いを持ち始めてしまいます。
ですので常に商品が綺麗に見えるように心がけているのです。
その動作は、手の動きだけではありません。
顧客に接する前の立ち振る舞い、声を掛けるタイミング、距離感。
身体の動かし方、姿勢、笑顔や声のトーンその頭の頂点からつま先までの所作が
サービスとして商品の価値になっています。
それがハイブランドの所有欲を満たすCXパターンです。
主に空間デザイン、スタッフ能力、商品と三つのパワーを高めなければ
再現性が難しく労力が掛かる手法と感じます。
サプライズ
サプライズは予想していない何かを顧客に与えることです。
例えばレクサス。
レクサスを購入するときは様々なサプライズを用意するそうです。
納車の時には、白いベールを車に掛け、キーを渡し顧客の前でそのベールをとり
まるで結婚式やパーティーのイベントのように顧客を驚かします。
予想もしていないサプライズがあることで驚き、感動を与え記憶に焼き付けます。
要点はサプライズをするという方法ではありません。
顧客の嗜好や思考を読んで喜ぶ形を考えるのです。
顧客一人に関わりその答えがCXとなるのです。
ですので顧客の思考を読み間違えると
サプライズを行ったとしてもCXにはなりません。
ですのでサプライズは大がかりでなくても再現できます。
例えば、手紙。商品の中に手書きの手紙が入っている。
そこには感謝の気持ちと顧客との関わりなどが綴られているとしましょう。
顧客はわざわざそのようなものが準備されているとは知りません。
それはサプライズです。
手紙を通して、顧客のことを一人の人間として関わってくれた事に
感動しファンとなっていくのです。
それがサプライズ系CXなのです。
カスタマーサービス
トラブルこそチャンスである。とはよく言ったものです。
カスタマーサービスはその体現と言ってもいいでしょう。
というのもカスタマーサービスこそ一番
顧客と1対1で関わる関係になるからです。
トラブルが起こり
その対処方法を丁寧に伝える事で感謝されることがあります。
大切なのは顧客一人一人にどれらい向き合っているか。
顧客もそれを見ています。
カスタマーサービスはよく分かる部分です。
手厚いカスタマーサービスは強いファンを作るでしょう。
その為には、高いスタッフスキルが必要となります。
何故なら、ヒアリングスキル、アサーションスキル
コーチングスキル、商品の網羅性、トラブルの原因予想力など。
マニュアルだけでは解決できない
ヒューマンスキルが必要となるからです。
高いスタッフレベルを作るのは大変かもしれませんが
丁寧なサービスと配慮は商品の所有欲を満たすものとなります。
何故なら、人にはバイアスが働いているため
自分自身が購入したものは良いものだと思いたいからです。
カスタマーサービスが良ければサービスの質が高いと感じ
商品の価値が高いと確信できます。
良い商品を持っている自分はレベルの高い人間となり
商品を利用している満足度が高くなるのです。
禍転じて福となすではありませんが
販売側としても一つのチャンスであり
CXの絶好の機会と捉えることも可能です。
コミュニティー
大きな広がりとしてはまだありませんが
商品を共有する人達のコミュニティーを作り
そこで顧客と顧客の関係や社員と顧客を越えた
人と人との関係性作りはCXを作り出す場を
提供していると言えます。
人の満足には、安心感などもあります。
同じ意志や方向性を持った仲間や友人がいることは
群れで生きる人間の本質として強いものになります。
同じ商品というカテゴリで集まる仲間ですから改めて
同じキーワードやテーマを探す手間も不安もありません。
すぐに打ち解け、関係性を作ることが出来るのは魅力的でしょう。
そこで強い繋がり、仲間が生まれれば、その場を提供しているメーカー側にも
良い感情が働きます。
間接的なものですが商品やサービスとという軸が意味づけられる事で
なくてはならないものとなり、持続的なCXとして価値を発揮しるでしょう。
動画をCXで活かしていく戦略
動画はこれから使い勝手がより高くなります。
一つは5Gの普及によるより
大きなデータをどこでも簡単に扱える事です。
今までは動画データは重く、再生負荷が高いのが課題でした。
しかし、サーバーや通信環境、動画プラットフォームが進化したため
動画プラットフォームを活用したPRが活発になり、結果再生負荷の問題がなくなりました。
CXで動画を生かすことを考える際には
動画をどの役割を担わせるかが大切になります。
動画は、コンテンツです。
CXの本質である体験を動画で担うことは簡単ではありません。
そのため多くの場合はCX体験をフォローするような
サブコンテンツのような形になるのが予想されます。
所有欲を満たすサービス
テザー動画が良いでしょう。
オリジナルやカスタマイズ可能なオーナー
一人一人のための商品ならば効果的です。
完成までのプロセスや制作間の様子を入れたり
職人からコメントなどを納品の時に添えることで
より高い価値を提供できます。
もしくは製品が到着する前に、iPhoneのCMのような少しだけ商品の様子を
見せるようなものを到着1週間前などに贈るのも良いでしょう。
商品が到着するまでの時間はある意味一番楽しい一時だと思います。
期待感をより高めて商品の到着を待ち遠しくさせ
高い感動体験へと繋ぐ方法として打ち出すのが良いでしょう。
所有欲を満たすサービスはローンチを個人に当てて行うのがCXの視点で重要になります。
あくまで動画はマスに広げるものではなく、個人に向けてのメッセージにするのがポイントです。
テザー動画をCXにつなげるにはもう一つ限定であることです。
限定での要素で重要なのは見られない人を作ることです。
見られない人が多いほど希少性が高まり、CXの効果を高めます。
クラブハウスが流行した理由を考えてみてください。
なぜ、あの一瞬誰もがクラブハウスをやりたいというムーブメントが起こったのか。
それは招待数に限りがあり限定された特別世界に見えたからです。
CX体験を作るためには、限定された世界が必要になります。
そして大切のなのは、限定された世界の中にあるコンテンツになります。
テザー動画は、他の人よりも早く情報を手に入れることができる特別感と
限定の世界へのメンバーの証明となるようにしていくと限定の世界を強調できます。
サプライズ
サプライズではビデオレターが有効です。
質感は高く、形式張らないのがよいでしょう。
質感が低いものだと、商品のブランド低下の
リスクがあるので注意が必要です。
質感を重視するとCEOのコメントのような形式ばった内容なることも予想できます。
すると顧客である「あなた」に感が足りなくなるためサプライズではなく
広告と捉えられてしまいます。
ビデオレターを効果的に活かすには、二つの方法があります。
一つは権威性です。
例えば、メーカー社長から直接コメントをもらうことはないでしょう。
普通に考えればそのような関係性ではないと顧客は考えています。
そこで社長や経営者から直接のコメントがあればどうでしょうか。
普段会えないだろう人物からの言葉は満足感に繋がります。
驚きと意表をつき、さらに顧客一人一人と向き合っている姿に
顧客の満足感は高まるでしょう。
もう一つは深度です。
顧客と深い繋がりになっていれば顧客と社員としてではなく
友人としての関係としてビデオレターを送るのが良いでしょう。
これは互いの関係性が大切で動画がもらたすものではなく
それまで築いてきたものを一つ形にするという意味で価値があります。
動画には感情を残す力があります。
その気持ちを動画に残してプレゼントとして届ける形です。
カスタマーサービス
マニュアル動画、使い方のフォローとしての使い方になります。
現在のマニュアル動画は、分からなければ見て下さい。
といったスタンスです。
今後通信環境が良くなり、音声案内のサポートと同時にZoomのような
動画も含めたフォローも可能になるでしょう。
マニュアル動画でが声だけでは伝えづらい部分を補い
満足度に貢献します。
カスタマースタッフの育成期間の
短縮にもなるとも考えられます。
見える化、伝えやすさのアプローチとしての動画コンテンツは
今後も価値が高まっていくと思います。
コミュニティー
コミュニティーでは、共通の話題を提供するコンテンツが価値になります。
コミュニティーでのイベントを収めた動画も長い目で見た時
一人一人のお土産としては価値がありますが、動画を聞くと
YouTubeにアップされたオープンな動画のようなイメージを持つ方もいて敬遠されたり
カメラがあることで緊張し、気持ちが解放出来ず満足出来なかったなども考えられます。
それよりも共通の話題作りとなる繋がりを作るためのコンテンツの方がリスクなく
コミュニティーの場で価値を作るでしょう。
商品やサービスに関連した
ミニ番組のようなものもいいかもしれません。
まとめ
動画がCXを直接高めることはありませんが
高めるためのツールやブーストになることは確かです。
CXを高めるのは容易ではなりません。
何故ならお客様一人一人に向き合うことだからです。
そのためには高いヒューマンスキルを持った社員が
あらゆる面で対応していく必要があります。
しかし、それは現実的ではありません。
どんなに教育を施しても本人のモチベーションや成長が
果たされるかは別の問題です。
ですので高いヒューマンスキルを社員全てに教育を施していくよりも
不足部分をツール的に補い、十分な満足を与えていくという
方法で思考するのが良いでしょう。
そのたための動画はとても価値を作りやすく
お客様に形として残したり、繋ぎ止めておけるものとして
非常に有用です。
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