プロモーションビデオの作り方

プロモーションビデオとは、どんなものなのでしょうか。
正直なところ、現代的な表現ではないかもしれない。

とは言え、「プロモーションビデオ」と上司や社長に言われているのだから何らかの回答がほしい。
プロモーションビデオについて整理しつつ、
現代的なプロモーションビデオの作り方について紹介したいと思います。

プロモーションビデオとは何なのでしょうか?
正直、今改めて考えてみると難しい状況です。
公式チャンネルやSNSがあり、そこには写真や動画がアップされている。

これは、プロモーション活動ではないのか?
と、考えてしまうとプロモーションビデオって改めて何だ?となるわけです。

そこで、プロモーションビデオについて改めて整理して、
昔の人のイメージと現代のイメージの擦り合わせをする必要があるかもしれません。

プロモーションビデオとは

プロモーションビデオとは、何かをPRするための動画でした。
昔は、動画のデータをビデオテープに焼き付けていたので、「ビデオ」というのは
最終的なパッケージングする意味も含めた名残で今でもそのように呼ばれています。

パッケージングするというのは、映画のDVDを買うのを想像してもらうのが良いでしょう。

DVDにはラベルが印刷されており、ケースにはデザインされたタイトルとイラストや写真で飾られています。

そういった完成されたもの。という意味が「パッケージング」には含まれています。

拡大解釈をしてパッケージングには「完成した」「仕上げた」という意味も含めているため
このような表現が残っているのだと思います。

とはいえ、「ビデオ」に深い意味はなく、世代の違いで表現していたり、
PRする動画であれば「プロモーションビデオ」と捉えて差し支えないとも言えます。

ですが、昔はYoutubeなどの動画プラットフォームが無かったため、
テレビでDVDを再生することや、展示会にあるモニターで動画を流すだけで、他の企業と差別化ができたわけです。

ですので、プロモーションビデオという側面には、所有感や満足感というのも含まれます。
そこにはオフィシャルとして正しく表現された動画という価値も含まれていることでしょう。

とは言え、基本的には何かPRとして打ち出す動画ですので広告的な側面がなくなることはありません。
では広告とはどんな違いがあるのでしょうか。

プロモーションビデオとCMの違い

枠組みは、プロモーションビデオの中にCMがあるというのがわかりやすいでしょう。
CMは広告枠を購入し、流す動画を一般的に意味します。

プロモーションビデオは、広告枠を購入しなくても動画としてYoutube等にアップロードすることも
プロモーションビデオに含まれています。

後からYoutubeの広告にその動画を使用すれば、広告で流した動画はCMになりますので
CMは、プロモーションビデオの中のカテゴリーに含まれていると考えるのが良いでしょう。

野菜というカテゴリの中の、キャベツや大根のようなものです。
プロモーションビデオが「野菜」で、CMが「キャベツや大根」くらいに考えると、
わかりやすいのではないでしょうか。

CMには基本的に媒体というものがあります。
どこで流すかという「場所」が媒体に当たります。

媒体とは、広告掲載先で、有名なものはテレビのCMです。
その他にはデジタルサイネージやGoogle広告、
動画でなければ、新聞や折り込みチラシもそれに当たります。

これらの広告は広告物の「動画」と広告を掲載できるものを「枠」と読んでいますが、
その「枠」の両方がなければ作った動画を流すことができないので、
CMは「動画」と「枠」が一括りと考えるのが良いでしょう。
広告枠で流すための動画は「CM」ですし、広告枠で流した動画も「CM」です。

インスタの広告枠を買って流すものは「CM」ですが、
自分のアカウントで流すものはCMとは一般的には言いません。
ですので、自分のアカウントで何かをPRするために流したものが
「プロモーションビデオ」ということになります。

プロモーションビデオの定義が広すぎる

上記の内容でもお分かりのように、自社でも公式チャンネルやオウンドメディアなど様々な発信媒体があり、個々でPR出来る時代ではプロモーションビデオという言葉のやや型にはめるのが難しいのが現状です。

「プロモーションビデオ」と言われても、結局「なにがしたいのか分からない」という問題が発生します。
正直このまま、進めてしまうのは危険ではないでしょうか。

動画作りは時間も根気も必要です。
ちょっとした変更や修正のつもりも、受け手はちゃぶ台返しを食らったかのような状況になると
担当者は板挟みになってしまい、ストレスがものすごいことになってしまいそう……。

そういった状況は可能な限り避けた方がいいですよね。
そこで、プロモーションビデオが当初、どんなイメージを想定して言っているものかを見極めましょう。

プロモーション動画がどんなイメージだったかが分かったならば、次ぎに現代的にどんな動画が良いのか。
修正や擦り合わせをすることをが大切だと感じます。

まずは、プロモーションビデオという言葉の意味から推察できる動画パターンについて考えてみます。

プロモーションビデオのパターン

プロモーションビデオという言葉には時代の違いから来る認識の違いが多分にあります。
そのパターンについて推察し、改めて確認をするのが良いでしょう。

パターン1 DVDやブルーレイなどのディスクとして仕上げるパターン

プロモーションビデオの元祖とも言うべき形のものです。
講演会や演説が多い社長、コーチやデータよりではないコンサル系の出身であれば、
このようなパターンが考えられます。

自身の成功体験や語りがコンテンツと考えている人であれば、その内容を収録し販売する。
自身の自伝本のように、権威付けとしてDVDを準備し講演時に商品として並べておくなど
DVDケースが陳列されていることで意味が生まれる場合もあります。

このようなパターンであれば、
自身の講演ではないにしてもDVDケースにパッケージング化されたものを要望して
プロモーションビデオと言っている可能性があります。

まずは社長が講演など大衆向けにやっている人か判断し、
そうでない場合、最近何らかのセミナーなど参加しているか確認し、
影響を受けている様子があればDVDにした形のものがほしいと考えている可能性があるので、
その辺りで、社長に直接、状況を突いてみるのが良いでしょう。

このような動画のパターンですと、インタビューが主体になりがちです。
そのため、インタビューをベースに会社の歴史を紹介するようなパターンや事業や製品の特徴を
紹介するようなプロモーションビデオが考えられます。

役立ちそうな内容としまして、下記のものがあります。まずはインタビューで満足をいただき
インタビューの話の内容に沿って動画素材を組み合わせていくのはどうでしょうか。

パターン2 会社紹介動画のパターン

プロモーションビデオと言われて見せられたのが、会社紹介動画だった。
そんなケースです。

会社紹介動画という言葉を知らなければ、プロモーションビデオと言ってしまうのもしかたありません。

会社紹介動画も幅広いものになりますが、一般的には事業紹介です。
事業紹介では下記の内容が含まれていることが多く、会社の事業内容にフォーカスし、
「どんなことをやっているのか」を軸にしているものが多いです。

  • 1 どんな会社なのか
  • 2 立地や地域性/外観や建物などの景色
  • 3 主要な事業/その内容について
  • 4 各部署の様子
  • 5 インタビュー
  • 6 今後の展望 


経営者層としてはプロモーションビデオを活用して、
様々な場所でわかりやすい説明として活用したいという思いがあるのではないでしょうか。

会社紹介動画の場合は、経営者層がどのような視点でそれを見ているかが大切です。
そのため、当たりをつけ、再度内容を確認をしていくと思い描いているプロモーションビデオとリンクし、
ちゃぶ台返しが起こることはなくなるでしょう。

細かい作り方などについては会社紹介動画の作り方を参考にしてください。

パターン3 採用動画のパターン

採用動画というには比較的新しいワードです。
動画が普及するまでは、一般的に採用向けの動画というのは、
色々なキャンペーンやイベントと合わせて行うことが多く一部の層に限られている印象でした。
ですので、採用動画という意味合いでプロモーションビデオという場合も考えられます。

採用動画の場合、採用のために使える動画となります。
そのため、企業紹介動画との違い採用される側の目線での動画や、
イベントとのマッチングが良いような作りが良いでしょう。

企業紹介動画と採用動画の違い

  • インタビューが若手の社員インタビュー
  • 働き方に触れた部署の紹介
  • 会社の社風や気質がわかるようなシーンの挿入
  • 福利厚生やキャリアアップにつながる内容が含まれている
  • 仕事以外の生活について触れられている
  • イベントなどに活用できるようなスピード感ある短尺ものの動画になっている。

細かい部分については下記のリンクが参考になります。

パターン4 製品・商品紹介動画のパターン

プロモーションビデオでは、このパターンが会社紹介動画の次ぎに考えられます。

特定の商品やサービスを紹介するもの。何かと説明する際に流しておくと便利な動画。
こういったものを求めている可能性があります。
会議の場に居合わせていれば、前後のニュアンスから感じ取れるかもしれませんが
人づてに情報が入っている場合だと難しいかもしれません。

商品やサービスの紹介動画は言葉では説明しづらい部分を補足することにあります。
品質などの説明は言葉よりも動画で見せる方が分かり易いですし、
衛生面や安全面などの説明は動画で見せる方が説得力があります。

商品紹介動画で重要なこと。

  • 製造工程が分かって安心できる。
  • プロセスが洗練されている。
  • 複雑なシステムが図解されることですっきりとする。
  • 衛生面、安全管理等の品質に関わるものが紹介されている。
  • 製品やサービスの特徴やこだわりが見える。

このような内容が盛り込まれていると、商品紹介動画としての価値が高いのではないでしょうか。

パターン5 CMだったパターン

今CMを見て、プロモーションビデオとおっしゃる方はかなり少ないと思いますが、なくはありません。

とはいえ、SNSの広告は見分けが付かないものがあるので、
製品・商品紹介動画だったりしますので、確認はとっておきましょう。

もし本当にCMの場合は、広告費などしっかりとした予算組みが必要になってきてしまうので、
他の動画よりも動きは慎重に。

CMの場合、他の動画と違い、広告代理店などの審査などもあるので
表現の自由度や放送期間などタイミングの調整も必要になってきます。

戦略的な話やマーケティング云々とか、動画以外のことも考える必要が出てきてしまうので
気安く承諾してしまうと痛い目みやすいので注意しましょう。

もし困ってしまった場合には、お見積もりの金額を見せるのがいいのではないでしょうか。
金額次第にはなりますが、冷静になれるのではないかと感じます。

プロモーションビデオの作り方

上記のパターンのようにあまりにも言葉が大きな枠組みで作り方を説明するのは簡単ではありません。
ですので、関連している内容のリンクなどに行っていただき、
具体的な方法を探っていくのをオススメします。

ここでは、特徴的な注意事項などに留め、
具体的な部分についてはリンクの記事を参考にしてください。

CMを作ることは考えない

CMだったパターンであれば、自分で作ろうとは思わないでください。
見積もりを見せてもGOサインが出たとなれば
それはCMで何らかを仕掛けていく意志があるということです。

するとどこで仕掛けていきたいか、またどれくらいの規模で広告を出すかなど、
様々な調整仕事が増えてきます。この時点で一人で出来るキャパは越えてしまうと思うので
作ることは諦めて、調整作業に徹しましょう。

またた人員を増員してもらい、役割分担などして負担を分散することをオススメします。

やめると使えない採用動画

これらのパターンの中で一番簡単に作れそうなのが採用動画です。
しかし、動画を削除や非公開にしやすいのも採用動画です。

理由はシンプルで出演者が退職などで不在になったり、部署やポジションの変更で使いづらくなるためです。
毎年1度は人事があることを想定すると、賞味期限と言いましょうか、鮮度と言いましょうか。
動画が掲載できる期間が少ないのも採用動画の特徴です。

辞めない人を選ぶということは、言葉の上では成立していても、現実では成立しないことはよく分かっていると思います。
ですので、そもそも最初から長期で使用することは考えずに刷新していくつもりがいいと思います。

とは言いつつ…………。
刷新するつもりで、周囲を説得しながら3年引き延ばして使う。
怒られ待ちで、5年間使い潰す。
くらいのが現実的なんだと思います。

売れる可能性の低いDVD

DVDなどのパッケージングを希望されている場合、DVDは大量発注には注意してください。
オンデマンド、クラウド、サブスクの時代にDVDを希望されている真意を見抜く必要がありそうです。

DVDはケースと合わせてそれなりのスペースを奪います。
大量の在庫は、ネガティブな要素でしかありません。

言われるがままやる前に小ロット発注で、テストマーケティング的に
展開するなど提案してみるのはいかがでしょうか。

それよりもDVDケースを飾る什器やパッケージングにこだわる方が
要望を叶えられる可能性があります。

これらのDVDは権威性のブーストやコレクション的な役割を担う可能性が高く
そういった提案がWin-Winを作る気がしています。

まとめ

プロモーションビデオの作り方についての紹介にはなりませんでしたが、
プロモーションビデオを作るための足がかりには、なったのではないでしょうか。

プロモーションビデオがどのような定義になっているのかを確認し、確認が取れ次第
各パターンに応じた動画制作を進めてゆくのが大切だと感じています。

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