SDカードの新規格SDexpressが発表されました。
カメラメーカーの一部はCFexpress規格のメモリーカードを採用し始めていますが
ここでまた、どんでん返し的な規格の登場です。
それがSDexpress
こちらの情報は
NEWS SHOOTERさんの記事内容を翻訳して紹介しています。
翻訳内容
SD Expressは新しくなります。
より高速な書き込み、読み込みが可能になりました。
カメラ技術が進歩するにつれて
メディアも追随します。
SDアソシエーションは
人気の高いPCIExpress®(PCIe®)4.0仕様を使用することにより
最大で約4ギガバイト/秒(GB / s)のデータ転送速度を実現しています。
SD Expressメモリーカード、SD 8.0仕様はその上を行きます。
PCIExpress®などのフルサイズのカードは
NVMe Express™(NVMe™)上位層プロトコルを引き続き使用して
高度なメモリアクセスメカニズムを実現しています。
SD 8.0仕様を使用するSD Expressメモリカードは、下位互換性を維持しています。
新しい仕様では、驚異的な高速PCIe Gen. 4×2 NVMeベースのストレージを使用して
1枚のカードに最大128TB(exFAT)のストレージが搭載されることが可能になりなす。
「SD Expressがさらに高速のPCIeとNVMeアーキテクチャを使用して
より高速な転送速度を実現すると
デバイスがSDメモリカードを使用する機会が増えます」
FuturesourceのシニアマーケットアナリストであるMats Larssonは述べています。
「信頼できる有名なテクノロジーのこの組み合わせにより
将来の製品設計でリムーバブルストレージの
メリットを新しい方法で活用することが容易になります。」
SD Expressギガバイトの速度はさまざまな業界にわたって
パフォーマンスレベルの厳しいデバイスに新しいストレージの機会をもたらします。
・データ集約型の無線または有線通信
・超スローモーションビデオ
・RAW連続バーストモード
・8Kビデオのキャプチャと再生
・360度のカメラ/ビデオ、カードと
・モバイルコンピューティングで動作する速度の遅いアプリケーションで生成された大量のデータの移動
デバイス、進化し続けるゲームシステム
マルチチャネルIoTデバイス、自動車など。
SD Expressは、SDHC、SDXC、およびSDUCメモリカードで提供されます。
SD Expressは、PCI-SIGおよびNVM Expressによってそれぞれ定義された
よく知られているPCIe 4.0仕様および最新のNVMe仕様(バージョン1.4まで)を使用します。
SD 8.0仕様は、SD Expressメモリカードに2つの転送速度オプションを提供します。
2つの転送速度は
最大2GB / sのPCIe 3.0 x2またはPCIe 4.0 x1アーキテクチャ
最大4GB / sのPCIe 4.0 x2テクノロジーをサポート
PCIe 4.0 x1アーキテクチャを提供するSD Expressカードは
2列目のピンを備えたSD 7.0仕様カードで定義されているのと同じフォームファクタを使用して
最大2 GB /秒の転送速度を実現します。
デュアルPCIeレーン(PCIe 3.0 x2またはPCIe 4.0 x2テクノロジー)をサポートする
SD Expressカードには、3列のピンがあります。
参考記事
https://kakakumag.com/camera/?id=15467
https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1253626.html
SDExpressの凄さ
既存のカードスロットを活かしたまま高い転送速度が出せます。
下位互換性があるのでデータの読み込みでは
既存のカードリーダーなどが使えそうです。
転送速度が圧倒的に速いのも魅力です。
ですが、やや後発気味なのが気になります。
SDExpressが普及するのか否か。
今後の未来が変わりそうですね。
何故この話しが必要かと言えば
先行投資、買い損をしないためです。
現在のプロユースのメディアはCFexpressの採用を進めています。
そのため、CFexpressが大きくシェアを伸ばしコンシューマにも広がるのか
CFカードのようにSDカードに負け一部のプロユース向けのみに留まり影を潜めるのか。
メディアは高額なので中長期的に運用したいはずです。
その参考になればと思いました。
どちらが規格のシェアをとるのか。
それは普及論を参考にするのが良さそうです。
イノベーター理論に出てくる>普及率16%</spanをどう越えていくかが
勝敗の分かれ目かもしれません。
画像 Wikipediaより
1962年、米スタンフォード大学のエベレット・M・ロジャーズ教授が『イノベーション普及学』という著書の中で提唱した理論です。新しい発想や技術を元に登場した商品やサービスなどの市場普及に関する理論で16%を越えると市場の認知が拡大し大きく普及していく理論が有名です。
普及率に関する参考は、普及学よりも現在は「キャズム」の方が良いでしょう。
普及学の問題を現代の状況に合わせて新たな解釈が加えれていて参考になります。
キャズム Ver.2 増補改訂版 新商品をブレイクさせる「超」マーケティング理論
規格インフラの戦い
SDExpressはCFexpressに勝てるのでしょうか。
USBなどを思い返してみると普及率で勝敗が決まりそうです。
USB TypeAが長く活用されてきたのは、その規格の普及率が高かったためです。
今でもUSBメモリなどUSB TypeAのコネクタは使われています。
実際はUSB TypeAの規格はテクノロジーの視点からみればレガシー化していると言えます。
何故ならもっとコネクタを小さく出来き、転送速度も内容も増やせるからです。
※ CPUに近い場所から引っ張ってくればですが。
SDカードも同様です。
動画や写真の民生機、データの記録が
必要な機材の記録規格として採用されています。
今回の気になる点はSDexpressの発表のタイミングが遅いと感じた点です。
すでにNikonやキャノンのカメラの業務用、プロユース向けには
CFexpressを採用しています。
今後の新機種もCFexpressが採用されるでしょう。
その中でSDexpressがシェアを取り戻せるのか。
そこが鬼門になりそうです。
ThunderboltとUSBの争い
結論、この争いは共闘という形で収まりました。
規格の形状はUSBの勝利で終わっています。
Thunderboltは転送速度は圧倒的でしたが
独自規格臭が強く普及に時間が掛かっていた印象です。
Apple製品に採用をしていましたが
当初のThunderboltはディスプレイポートを拡張した形状で
ノート型PCで採用しているのはMac以外ではハイエンドモデルしか採用されておらず
転送用のケーブルも高かったため利用者が少なかったのでしょう。
それがThunderbolt3の発表と共に形状を変えます。
USB Type-Cに移行して認知が拡大しました。
コネクタスペースの小ささ、接続の容易性、USBと補完関係の維持などのメリットがあり
この争いには終止符が打たれた印象です。
SDExpressで気になる点は、転送規格がPCI-eバスを使用している点です。
PCIはCPUに近い場所での接続のためカメラなどが
その機能を構造的に搭載が容易なのかです。
※ USBとの接続点が異なり、よりCPUに近い場所での接続が可能なのがPCI-eバス
のちにUSBもPCI−eバスの利用した転送規格に進化している
普及には利便性がともないます。
SDExpressのアクセサリが高額になると
Thunderboltのような道を歩みかねません。
SDexpressの未来
SDExpressもThunderboltとUSB3の争いと似た事になるのではと予想しています。
・利便性
・継続的な規格採用
・向上性
利便性がSDexpressどこまであるのか。
今後5年のメディア規格をメーカーがどのように採用していくか
楽しみですね。