動画制作の依頼を考える時、相見積もりをするのは当たり前。
初めてや年に1回程度しか動画をつくらないのであれば、
正直動画のことなんてよく分かりません。
だから相見積りで安い動画の制作会社を探したくなるのですが………
本当にそれでいいんでしょうか?
スマホで動画を撮れる時代に、難しい動画作りとは
動画作りは、簡単なようで難しい。
はて、スマホのビデオ撮影で動画が作れてしまう時代に、
何がそんなに難しいのか? と思うかも知れません。
そう、ただカメラで撮影すればいい。
個人の活動や趣味であれば、それで問題ないのですが、
会社の動画となるとそうはならない。
何故か、動画作りは社内でも様々な人が関わってくるからです。
動画は撮影するよりも、撮影までのとりまとめ、動画を作るまでの仕切りが難しいのです。
正直撮るのは誰でもできるようになりましたが、
何を撮って、どんな動画にしていくのかが難しいのです。
それが一般的にどうして良くて、どう見せるのが良いのかについて
という点でプロに相談していく必要があります。
SNSの動画コンテンツとは違う動画作りの難しさ
SNSで自社の公式チャンネルで動画を作られている人もいるでしょう。
そういった方は、コンテンツ作りがそれほど難しいものではない。
参考になる動画はそこら中にあるし、流行いかに早くキャッチアップして
同じような動画を展開するか。
そういった点で「難しさ」については、疑問符が付くかも知れません。
一般的な会社紹介動画のようなものや
採用動画のようなものはSNSの動画コンテンツとは
違ったノウハウがあり、様々な会社の動画を制作をしている経験が必要になってきます。
理由は簡単です。
動画を作る前に、上長を説得する動画の企画や動画プランのノウハウが必要だからです。
動画作りは会社一丸となる必要がある
会社紹介や採用動画などは、思いのほかたくさんの人の協力が不可欠になります。
会社紹介では各部署や事業所を紹介することが多く、そこで撮影することを調整しなければなりません。
多くの場合、そこで働いている人の様子や仕事風景を撮影するはずです。
出演NGの人も居れば、この人を出演させたいという部署ごとの思惑もあるでしょう。
せっかく出るなら、恥ずかしくないように机などを綺麗にしておきたい。
顧客情報など見えないように情報の取扱にも注意する必要があります。
そういった調整を進めるためにも企画が必要です。
どういった動画で、どういった内容にするのか。
それを元に各部署や事業所の調整を進めていくことになるため
そうなってくると結局は、大ごとになりやすく、会社全体のことになって
どうやって進めていいかという部分で問題となり、結局この辺りはプロに任せた方がスムーズになります。
各部署の思惑が働く事を忘れてはいけない
物事が大きくなってくると、各部署の思惑が見え隠れし始めます。
製品の生産、販売をしているような会社であれば、
主に経営陣、営業部、開発部、製造部辺りの思惑が動き出してくるでしょう。
動画作りというのは一種のイベントでもあります。
話が具体的になり始めてくると始まるのが、各部署の駆け引き。
巻き込まれる動画制作担当者。
各部署にはそれぞれの現場があります。
製造部であれば、正直、静かにしていてほしいというのが本心ではないでしょうか。
少ない人員で、過密な製造スケジュールを熟さなければならない状況の中で、動画撮影なんて突飛なイベントで迷惑でしかありません。
人員は割かれるし、
動画撮影のために施設の整理したり綺麗しなければならないなど手間が非常に多くなり、
一般的には乗る気にはならないでしょう。
さらに動画撮影のために無理はオーダーなんてきたらたまったもんじゃない。
そう思っているかもしれません。
一方、営業部側からしたら製品の魅力をPRする営業資料に使いたいという思惑から製品の機能紹介や性能、
一押しの商品を推したいという気持ちが働いて
商品のPRの内容を盛々に注文してくる可能性があります。
すると、開発部などの人達が細かな数値やデータに口を出し始めます。
性能を紹介するのに合わせて機能がいかにして働くかを事細かに解説し、
正しい表現をしてほしいとオーダーを出してくるでしょう。
最終的に経営陣がどんな動画にしたいかという一喝で収まるのかもしれませんが、
企画の中で一度盛り込まれ始めると各部署の良くが出てきます。
経営陣には逆らえませんが、
動画担当者には、なんだかんだ言って内容を盛り込むようなオーダーを出してくるかもしれません。
そういったものをコントロールする力や落とし処を作る力が必要になります。
このような力はSNSの動画コンテンツを作る力とは全く違うノウハウになります。
だからプロの力を借りた方がいいのです。
動画制作会社であれば様々な企業での動画制作の経験から
ヒアリングや提案の中で会社の関係性、トップの意向ややり取りの中で
見えて来る各部署の思惑などを見極めた落とし所を提案する力を持っています。
期待値の高いとスマホ動画では済まされなくなる
各部署の思惑まで動き出すような状況であれば分かると思いますが、各部署も若干乗り気になっています。
期待値が上がりはじめ、口には出さないものの動画のクオリティーも求めるようになってくる。
期待値が上がったことで、各部署も段々と協力的になってきます。
すると今度はス、この企画をマホで撮るの?みたいな空気になってくる。
もう、ちゃんとお金かけて撮って貰った方がいいんじゃない? みたいな見えない圧力。
じゃあカメラマンを呼びますか?
と思いつくかも知れませんが、ここで問題になってくるのが指示をどう出す、という問題。
カメラマンへの指示は、カメラのことを知っている人間でないと難しいのが現実です。
とくに動画の場合は、完成系を想像して指示を出す必要があるため、そこには経験と技術が必要になります。
例えば、会社の外観を撮影するとした場合を考えてみましょう。
「外観を撮影してほしい」という指示だけでは、動画撮影ではできません。
何故ならその外観といっても、どこの外観なのか角度や向きはどんな感じか、
その外観の動画を何秒使うのか、カメラが下から上がって来て見せるような動きは必要なのか。
そういった細かい指示が必要になってくるからです。
写真と違って動画は複数のカットを繋ぎ合わせて作ります。
カメラマンが想定しているイメージはあっても、
動画の完成イメージを持っているのは動画制作担当者なので勝手には動けません。
写真と違って明確な指示が求められることが多いのです。
この指示の仕方はどうしても経験が必要になってくるため
プロに任せてしまった方がスムーズです。
各部署の協力可能な時間帯も限りがあるので
自分の会社であっても思いのほかスムーズさが求められます。
となると結局この辺りも動画制作会社に任せた方が良くなってしまう。
むしろその方が、右往左往しなくて済みますし、
自分の評価をそこで落とすこともないので、手堅いやり方なのではと思います。
動画担当者の一番のハードルは動画制作会社選び
動画制作会社ガチャとまでは言いませんが、その要素は多分にあります。
まず選び方が分からないと言った問題があります。
2 見積もりの取り方が分からない。
この二つが大きな問題になり、制作会社選びに苦労しているのだと思います。
なのでここからはオススメの方法を紹介します。
パターン1 予算ベースで考える
最も分かり易い指標の一つが予算です。
予算上限で設定し、予算を元に相談をしましょう。
各制作会社によって回答はまちまちだと思いますが
予算ベースでできることを回答してくれたり、
ヒアリングまでは無償で対応してくれるところもあります。
拠出できる予算がある程度固まっているのであれば
動画依頼のマッチングサービスを利用するのもありでしょう。
動画の比較検討に動画幹事
弊社も登録しており、紹介されております。
ここでは選択肢式で、ある程度の予算感から制作会社を選ぶことができます。
アドバイスとして上限予算一杯でオーダーをしないことです。
動画は企画が走り始めると社内でも内容が変化しがちです。
当初の予定から動画尺が伸びて予算が膨れる可能性が高いため、
予算上限から8割の辺りで見積もるのがオススメです。
また動画を作る内容が全く決まっていないとヒアリングをしても
検討違いな形になりがちなので、ざっくりとどんな動画を作りたいかを
社内のコンセンサスも含めまとめておく必要があります。
パターン2 動画の企画から依頼する
動画の企画提案からお願いする方法です。
「なんか動画でもあった方がいいかな?」レベルからでも依頼可能なので
パターン1のようにとりまとめる必要もありません。
ヒアリングを通して、動画提案をしてくれるので気軽なのがメリットです。
動画提案から修正をして作りたい動画を探っていくことも可能です。
デメリットは企画から依頼をすることになるので、低い予算では対応してもらえない点です。
それなりの予算をかける必要があり、そのための決裁をとっていくことが大変になるでしょう。
クオリティーを定義する
今回依頼したいのは映像の質感が大切なのでしょうか。それとも…………
動画制作会社を選ぶ時に大切なのは、クオリティーの定義です。
もちろん綺麗な映像に越したことはないですが、
動画制作会社がどこにどこのようなノウハウを持っているかは千差万別。
失敗しないためには、クオリティーを定義し、
その上で似たような実績があるかを参考にしましょう。
ブランディング動画、採用など、映像の質感が大切
このようなパターンの場合は、映画やTVCMなどの制作実績が豊富な会社を選ぶのが良いでしょう。
とは言え予算が膨れがちになるのでその点は注意が必要です。
会社紹介動画など内容も大切なパターン
このパターンでは、動画の構成や内容、
動画制作担当者の業界知識の理解度が高い方が良いでしょう。
会社紹介動画の豊富さも大切ですが、
業界が違うと、上手く作ることができない可能性があります。
そこでWEB面談などで、製品やサービスについての質問があるかなど、
担当者の理解力やモチベーションを把握する方が結果的に希望の動画を作ることができるでしょう。
動画マニュアルや使い方などのコンテンツ動画
このパターンでは相手の反応を見ることが大切です。
提供可能な資料を先に渡してしまい、ヒアリングの時に、
動画についてアイデアを持っているか確認してみましょう。
担当者にイメージが全く浮かんでいないようならその人は外しましょう。
マニュアル動画は、実績ベースではなく担当者ベースで選ぶことをオススメします。
安い動画制作会社に気をつけろ
動画制作はそれぞれのプロが分業でやってきた歴史の長い業界です。
そのため、動画の中でもある点には強く、ある点には弱いなど見えない特徴もあります。
当然制作会社も受注するために弱みを見せることはないでしょう。
ですので、見極めを行うのは簡単ではないかもしれません。
安い制作会社の場合は、強みの分野が限定的で、応用力に欠ける傾向にあります。
見極める力に自信がない場合は、少し割高かかなと感じる会社を選ぶのが良いかもしれません。