商品プロモーション動画の作り方を紹介します。
商品によって大きく見せ方が変わるのですが、
基本的な方法を紹介しどのように作るのかの参考に
してもらえれば嬉しいです。
今回は動画の初心者向けに動画撮影で気をつけた方がよいことも
含めて紹介しています。こちらを参考にして内製化
制作を進めるとよいでしょう。
商品にはいくつかの鉄板法則があります。
それは見せ方のパターンによって変化するのですが
テンプレパターンを理解することで
大失敗しない演出を理解できるはずです。
逆算思考
商品プロモーション動画を作るためには
逆算思考が重要です。
商品紹介の鉄板の流れとして
動画の最後の商品の告知が入ります。
そこには商品のビジュアルと
商品名、商品の価格など最後に表示させます。
逆算思考のメリット
・終わりから考える
・重要なメッセージを外さない
・整合性を作れる
最も重要なインフォメーションが
最後のカットになっているので
最後のカットにつなげるために
その前をどうすればよいかを考えましょう。
鉄板のテンプレートを紹介するので、逆算思考で
どのように構成すべきかを考えていきましょう。
こちららも参考になります。
鉄板の商品プロモーションテンプレート
1 利用者層の紹介・世界観
2 商品の躍動感・シズル
3 インフォメーション
商品を紹介するときに必ず使われていると
言っても過言ではないテンプレートです。
動画の長短あれど、1番と2番の長さや
構成が違っているだけのパターンがほとんどになります。
最も重要なインフォメーションの部分は
どの紹介の方法でもほとんど変わりません。
商品のカットにインフォメーションが加えられているような映像です。
3番の部分は概ね3~4秒、ナレーションを
入れた場合6秒前後の内容が最大ではないでしょうか。
それ以上の長さは、飽きを与えやすく
不快感を持たせてしまうかもしれません。
全体の動画の長さはどうやって決める?
1構成はどのようにするか
2どんなシーンが必要か
3どんな台詞やメッセージを見せるか
4「1番」と「2番」の要素を確認
5決定
動画は長くなればなるほど構成が難しくなります。
ナレーションなどで内容を説明していく場合を除き
長時間の紹介は避けるべきです。
まずは15秒で動画を作ることを考えてみてください。
15秒で伝えられるメッセージは限られているのでその分
構成がシンプルにできるのでおすすめです。
商品を綺麗に見せる方法
3番のインフォメーションのカットから考えて
効果的な演習について検討していきます。
3番では商品全体が収まっていて
内容がわかるものにしましょう。
ポイント
・商品は全体を入れる
・インフォメーションを入れるスペースが入る構図を考える
・動きのある映像にしない
・ナレーションを入れる場合はその時間分の動画にする
インフォメーションが入るため
1カットあたりの秒間は長めになります。
ですのでインフォメーションを
載せるビジュアルは極めて重要になります。
ビジュアル面でブランディングを意識されているのならこちらを参考に
ライティングがされた環境での撮影
ライティングは動画でいうところの
商品に化粧をするのと同じです。
ライティングの基本は、映像の中で
商品が一番際立って見えるようにする環境を作ることです。
ライティングについて話を進める前に
いくつかの条件について説明しておきます。
・商品は全体の中で一番明るく
・白飛びさせない
・ライトの反射を入れない
・背景は一色にする
この条件を理解しライティングを考えることで
良い動画に手早く近づくことができるでしょう。
背景は暗くする
背景は商品よりも暗くしておくとよいでしょう。
背景が商品よりも明るくなっていると
意識が背景に流れていってしまいます。
多くの広告は商品が一番明るくなるように設計し
自然と商品に意識がいくように整えてあります。
人間の目が視界の中で明るいものを素早く
捉える視神経の構造から計算されて作られているためです。
視覚の特徴
・視覚は明るい方を優先する
・視覚は動きを先に捉える
・視覚は整理された情報を好む
しかし、明るさ暗さのバランスは非常に難しく
商品のイメージによっても変化します。
明るさ、暗さと連動して色彩心理の影響も
受けるためただ背景が暗くすればよいと言うものではありません。
「画面の中で背景よりも明るくなっている」というのが条件になります。
色彩心理
色彩心理の内容は複雑で明暗の部分とも
連動しているので小難しい話は置いておいて
一般的に商品のプロモーションで使われるカラーに対する心理イメージを
紹介するので参考にしてください。
色彩心理には国民性の文化感覚も含まれているので
日本人の感覚で話しを進めます。
海外では色の持つ価値や文化が違うため
認知が変わるので注意しましょう。
黒の中で際立つ商品……高級、威厳、男らしい、堂々、強い、海外的
青い空の映える商品……清潔、爽やか、フレッシュ、夏、青春、若い
緑の中にある商品……自然、健康、癒やし、おだやかさ、エコ
全体が明るく白い……美しい、健康、美的、女性的、きらびやか、憧れ
全体がカラフル……美的、華やか、女性的、憧れ
赤を強く打ち出す商品……勢い、強、安い、お得、衝動
明るすぎてもいけない
白飛びさせてしまうと
使い物にならなくなってしまいます。
商品を目立たせようとして
失敗してしまう原因の一つに背景が明るいから
商品を目立たせようと、商品に光を集めすぎて
白飛びさせてしまうことが起こります。
白飛びのデメリット
・PCでは情報がないと記録される
・色が回復しない
・編集で苦労する
「白飛び」とは、カメラ業界で使われている用語で
主にNGな行動です。
何故NGなのか、白飛びをさせてしまうと
編集で修正できなくなってしまうからです。
理由を説明します。
写真や動画は一画面の中の内容を色情報と明るさで
分類してピクセルというブロックでデータで管理しています。
その中で「白100パーセント」は色に対しては
として記録されてしまうため補正ができないのです。
白飛びを起こす場所
・太陽の光
・屋内撮影での窓の先の景色
・光沢のある商品の反射
・プラ系パッケージの反射
よくある現象として日中の空を撮影して
白飛びしてしまったとします。
空は本来「青」の情報を持っているのですが
白飛びしてしまうと補正をかけてもデータがなくその部分の空だけ
グレーがかった変な色の空になってしまうのです。
白飛びしてしまうと変種で調整できない
素材になってしまうので避ける必要があります。
何故白飛びを紹介するのか
商品を目立たせるために光りを集めると
商品の表面に反射が発生しその部分が
白飛びするという現象が起こりやすいからです。
実際に撮影のためにトライすると必ず
このようなジレンマに陥るので紹介しておきました。
ですので次は「白飛び」を回避する方法を紹介します。
明るさを確認する方法
白飛びは明るさがカメラの許容を超えることで起こります。
ですので、カメラの明るさの許容量を確認し
撮影を行いましょう。
最近のカメラにはヒストグラム表示や
波形スコープ表示といった明るさの情報を表示するメーターが
表示できるものが増えています。
動画の場合、撮影後の修正するのが難しく
時間も労力もかかるため撮影段階で明るさなどについて
慎重に判断し撮影を行います。
ヒストグラムを使う理由
・モニターは正確ではない
・ファインダー越しでは判断出来ない時がある
・なるべく明るく撮るため
主にカメラ機能のメニュー機能を使い
表示する必要があります。
メニューにない場合にはそのカメラは
避けた方が良いかもしれません。
「ヒストグラム表示」をキーワードに調べてみましょう。
現在の中堅以上のカメラは
実装されています。
カメラで選ぶというのも撮影するときの
一つの基準として考えるとよいでしょう。
ヒストグラムの読み方
モニター情報の右端が山に
ならないようにしましょう。
理想はモニター中央が富士山の形になるように
カメラのセットアップができるとまずはOKです。
ヒストグラムは、光の明暗データが
写っている画面全体の割合を表示するものになります。
明るさ0パーセントが左端
明るさ100%「白飛び」が右端になります。
明るさの分布図なので、画面全体で明るさ
何パーセントに今どれくらいデータがあります。
ポイント
・中央山なりの絵を心がけよう
・右端に波形が出ないようにする
白飛び確認では
右端に山ができていないかを確認するために使います。
明るさの確認方法には「波形スコープ」のタイプの表示があるので
間違えないように気をつけましょう。
波形スコープ表示の商品は購入候補から
外すのがよいかもしれません。
注意
初心者には混乱の原因になるため。
波形スコープ表示は海外製のカメラ
ハイエンド機器に多い傾向が多いため
トーンを統一する
トーンとは色合いのバランスのことです。
初心者ならば全体の色合いを整えることをお勧めします。
例えば背景の色を統一にする「黒」「青」など
一色の色の背景にしておくと色合いによる意識の散漫を防ぎ
商品へ意識を集中させることができます。
ポイント
・背景はシンプルにする
・背景がごちゃごちゃしていると集中できない
・色合いも一色にまとめる
木目や模様が入っている背景は
応用だと思ってください。
模様に意識が割かれてしまうので
模様があるものを背景にする場合は
より高い判断力と1カットの構成力が必要となります。
空間を作る
撮影する時に商品の配置を意識しましょう。
テロップになるインフォメーションが
入るスペースを作りましょう。
商品紹介動画の場合、インフォメーションが
すべて商品にかぶることはありません。
もしある場合は、応用的なやり方をしている
動画だと考えてください。
基本的には、商品とテロップが左右に分かれて
表示できるような形にしましょう。
撮影時は、テロップを入れるスペースを計算して
撮影しましょう。
難しい場合はラフコンテのような
配置イメージを準備し撮影に臨むとミスを減らせます。
商品の躍動感、シズルを作る
シズルとは商品が一番美しく輝いているビジュアルになります。
わかりやすいのがステーキなどの食品です。
ステーキのシズルと言えば
鉄板の上でジューッと音を立て
肉が焼かれるシーンが思い浮かぶと思います。
このようなシーンがシズルと呼ばれるカットの映像になります。
シズルを作る意味
シズルは視聴者を引きつけるためのカットです。
視聴者に魅力的と思って貰うための映像になります。
インフォメーションでは物理的な説明
説得に近い要素が強く、商品そのものの
魅力を演出するには不足しています。
シズルとは、商品そのものへの
関心を高める映像として必要なのです。
シズルが活きる現場
食品や美容系の商品です。
食品は想像しやすいでしょう。
シズル映像の例
・肉が焼かれ油が出る瞬間
・魚介類の透明な肉
・青々とした野菜の色合い
・水滴の付いたフルーツ
化粧品などの広告もシズルを
前面に出していると過言ではありません。
保湿系の商品であれば水分感が
出るように水滴などが演出されています。
高級路線の化粧品などであれば
風邪に揺られるシルクのような背景に
エレガントさを感じる商品の映像。
こちらも商品のシズルと言えます。
現実的なもので無くても
想像的で魅力的に見える映像がシズルになります。
その他のシズル
商品の躍動感です。
冷蔵庫や家電製品などはCGなどを使い
スターウォーズの宇宙船が映し出されるようなシーンのように
商品を近くからアップで狙いカメラが動きながら、段々と全容が判明する。
こんなカットもシズルや
躍動感になる映像とも呼ばれます。
工業用品などもCGによるディテール表現に
拘った映像が多くみられます。
シズルが必要にならない映像
競争が激しい商品やサイクルが早いもの。
競合が多く同じカテゴリーで同一のタイプの商品が多いものは
シズルが絶対に必要な商品ではない場合があります。
その場合は、1の利用風景の映像を差し込む場合が殆どです。
理由は商品を持つ事がステイタスの
時代が終了しためと考えられます。
・生活家電
・日用雑貨
・消費サイクルの早いもの
日本では物を持つ時代から
物を使う時代に変化し
購買のきっかけも自分自身の
ライフスタイルに合った製品であるかに
意識がシフトしている傾向があります。
そのために商品の魅力は商品そのものから
商品がある世界感に移り変わりつつあると言るでしょう。
シズル映像の作り方
シズル映像は「映え」を狙う。
映えとは
・煌びやかさ
・躍動感
・上質
・美味しそう
基本的には
・動きをつけること
・光によって演出されていること
この二つになります。
作業内容としては3にある、
ライティングや背景のトーンを整える
作業は変わりありません。
3では正しさや正確性が重視されていました。
映像での正しさとはしっかりと
商品のディティールが表現されているか。
全体がわかるものになっているか。
インフォメーションを入れる設計が
されているかなどの要素でした。
根本的に違うのはシズルでは
光の演出によってディテールが多少不鮮明でも
テーマに沿った演出がされているのならOKという点です。
シズルの目的
・期待感を持たせる
・商品をポジティブなイメージを持たせる
・興味を引かせる
そのために商品が映像の中に全て入っている必要はないですし
反射やディテールも期待を
高められるのなら問題ないのです。
テーマによって演出が変わるのでここで
ここではリサーチの方法を紹介します。
シズルになっている映像を探し
真似るだけでも大きなミスを減らせるでしょう。
YouTubeで調べる
YouTubeで「カテゴリー名+CM」と入れて調べましょう。
必要ならば年代を入れると具体的な流行が分かります。
その中で躍動感のある映像部分を探しましょう。
その部分がシズルになります。
映像ではどんな表現がされていたでしょうか。
詳細に絵で描くと、具体化されて分かり易いでしょう。
同じ映像を再現するのは難しいかもしれませんが
トライすることで見えてくる部分もあるので参考にして下さい。
利用者層の紹介・世界感
映像でのターゲティングは
動画の中の出演者です。
芸能人を起用したCMは
あまり参考になりませんので注意してください。
参考にならない理由
・芸能人はキャラクターとしての信頼がある
・芸能人は芸能人というブランドを間借りしたCM制作スタイルのため
・芸能人と商品が連動しているわけではないため
芸能人を起用しないのならば
ターゲットの利用者層を動画に出演させ
親近感を作り出すのがポイントになります。
世界感は商品が利用される風景
商品はどんな場所で利用されているでしょうか。
その世界感を映像で作り込んでいけるかがポイントになります。
利用者層の紹介も含めて総合的な演出になります。
避けるべき演出
所得層が低いターゲットに向けた場合、
低所得者のリアルでネガティブな
世界感の作り込みは注意して下さい。
ネガティブを持たれる条件
・不衛生
・雑然としてる
・小汚い
などのイメージ設定は避けましょう。
ターゲットと同じ映像を見て視聴者自身の
自尊心を傷付けてしまう場合が出るからです。
誰しも自分が落ち目だと
自覚したいとは思っていません。
更に言えば、世界感が持つイメージが商品にまで
影響を与えてしまうのは注意が必要です。
世界感ある映像の作り方
ポイントは被写体深度を浅くすることです。
要するにボケが強い映像にするということです。
世界感を何となく伝え、細かなディテールから
想像させるネガティブイメージを排除させます。
ボケが強ければ、人物や商品に焦点が当たりやすくなるので
他への意識は自然と低下します。
主体以外の環境は整頓さえることで
生活感を演出しながらも環境を演出できます。
これらもYouTubeなどで同種の映像を検索することで
イメージの参考になるはずです。
動画制作のご相談
ソラノウエクリエイティブワークスでは
映画やTV広告にも使用されるレベルのシネマカメラを使用し
最小限の人数で納得度のあるクオリティーでの納品を致します。
お問い合わせは下記の画像をクリック